さりげなく安全運転をサポート!トヨタ 新型ノア&ヴォクシー試乗記【プロ徹底解説】

トヨタ ノア

トヨタを代表するミニバンのひとつであるノア&ヴォクシーは、2022年1月におよそ7年振りとなるフルモデルチェンジを実施しました。

最新鋭の運転支援システムはもちろん、TNGAに基づいた新規プラットフォームを採用するなど、ハード面、ソフト面ともに大きく進化を果たしています。

そこで今回は、実際に新型ノア&ヴォクシーを試乗し、どういったモデルへと進化したのかをチェックしてみたいと思います。

文・写真/小鮒 康一

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新型ヴォクシーのハイブリッドモデルを試乗!
新型ノア ガソリンモデルを試乗!

新型ヴォクシーのハイブリッドモデルを試乗!

最初にチェックしたのはハイブリッドモデルの2WD車。

1.8Lの直列4気筒ガソリンエンジンにモーターという基本構成は先代と同一ながら、モーターは5JM型から1VM型へと置き換えられ、バッテリーはニッケル水素電池からリチウムイオン電池へと変更。すべての電動モジュールを刷新し、モーター・バッテリーの高出力化とシステムの高効率化がなされました。

エンジンは先代と同じ2ZE-FXE型となるものの、最大トルクの発生回転数を400回転引き下げるなど、ミニバンというキャラクターに合わせた改良がなされています。

すでに先代でも高い評価を集めていたハイブリッドモデルではありますが、新型となったことでより一層自然なフィーリングが強化されており、走行中にエンジンが始動して駆動に加わったタイミングもメーターの表示を見ていなければ気づかないほど。

さすがにフル加速や急な上り坂を駆け上がるようなシーンではエンジンがかかりっぱなしとなり、エンジンの存在を否が応にも感じざるを得なくなりますが、騒音レベルは程よく抑えられており、ミニバンらしく快適な室内空間はキープされていました。

また、ハイブリッド車では回生ブレーキによるブレーキタッチのフィーリングに違和感を覚える人も少なくありませんが、新型ノア&ヴォクシーのブレーキタッチは自然なものとなっており、ほとんど違和感のないものに仕上がっていて、昔のように踏力を一定にしていても減速度が変わるというようなことはほぼないと言えるでしょう。

気になる燃費も試乗中、一般道から高速道路、ワインディングなどさまざまなルートを走行しましたが、トータルの平均燃費は20km/Lを下回ることはなく、カタログのWLTCモード燃費23.0km/L(試乗したS-Zグレードの数値)に近い数値となりました。

新型ノア&ヴォクシーではTNGAに基づいた新規プラットフォームを採用し、スライドドアやバックドアの開口部剛性が確保したほか、効果的なスポット溶接によって高剛性を実現したボディを採用しており、開口部の大きなミニバンでありながらボディ剛性は飛躍的にアップ。

そのおかげで高速道路での直進安定性もより向上し、ハイブリッドバッテリーなどで重心が低くなっていることも功を奏してワインディング路でもスポーツカー並みとは言いませんが、素直なハンドリング特性でコーナリング中も一定の舵角でスムーズにクリアできるため、ミニバン=運転が退屈なクルマという図式は当てはまらない仕上がりとなっていました。

もちろんかと言って足回りが固められているわけではなく、乗り心地についてはミニバンらしく角の取れたマイルドな乗り味で、不整路を走行してもブルブルとした不快な振動は抑えられており、大きな段差などを乗り越えるときも高いボディ剛性も相まって一発で揺れが収まるという上質な乗り味となっている点はさすがトヨタといったところ。

先進安全装備については別記事でも詳しく触れますが、試乗中でもその効果を感じることができたもののひとつとして全車標準となる「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」が挙げられます。

これは安全運転をさりげなくサポートしてくれるもので、走行中に前走車に近づきすぎそうになったとき、ドライバーのアクセルオフに応じて緩やかに減速してくれたり、前方のカーブに対して自車の速度が速いと判定したときにもアクセルオフに応じて緩やかに減速してくれたりするというもの。

これは衝突被害軽減ブレーキとは異なり緩やかに減速してくれるもので、制御はかなりマイルド。そのため、当初は制御が介入していることに気づかないほど自然となっており、まさに縁の下の力持ちといった感覚でした。

新型ノア ガソリンモデルを試乗!

続いて試乗したのは、2Lのガソリンエンジンを搭載したモデルです。ガソリンエンジンモデルは旧型の3ZR-FAE型エンジンから、ダイナミックフォースエンジンのM20A-FKS型エンジンへと一新されており、パワー、トルクに加えて燃費性能も大きく向上しています。

そこに組み合わされるミッションも10速シーケンシャルシフトマチックを備えた「Direct Shift-CVT」となっていて、従来のCVTのようなラバーフィールも抑えられている点が好印象でした。

この新型エンジンは決してスポーツエンジンというワケではありませんが、高回転域まで軽快に回りきるもので、内燃機関らしいフィーリングが楽しいものに仕上がっている点が想定外に楽しいものとなっています。

モーターのトルクがプラスされるハイブリッドよりは動力性能は劣るかもしれませんが、フル乗車をする機会が少ないユーザーや年間走行距離の少ないユーザーであれば、高価なハイブリッドモデルを狙うよりもガソリンエンジンモデルを狙うというのもひとつの選択肢と言えるのではないでしょうか。

小鮒 康一|こぶな こういち

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。
国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。現行車を所持しながらも、NAロードスターも手放さないオールマイティな車愛が持ち味。

小鮒 康一
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