ドアノブがない?!どうやって乗ればいいのかわからない車たち

レクサス LFA

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高級スポーツカーの多くはドアを開閉するための装置としてのドアノブが分かりにくい位置にあったり、そもそも設けられていないことがあり、ドアの開け方が分からないと言われることがあります。

なぜ、ドアノブがなかったり、開け方が分かりづらいデザインを採用しているのでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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高級スポーツカーの多くはドアの開け方がわかりづらい

高級スポーツカーの多くはドアの開け方がわかりづらい

例えば、1975年にデビューしたフェラーリ 308は伝統的なフェラーリらしいスタイリングをしたモデルと言われていますが、ドアパネルにドアハンドルらしきパーツは装着されていないように見えます。

しかし、実はブラックアウトされた窓枠と同化した上下方向に置かれる小さなドアハンドルが設置されており、バーを前方に倒すことでドアが開く仕組みとなっています。
さらに、ランボルギーニ アヴェンタドールはドアパネルに刻まれたエッジ下部にくぼみが隠されており、その中に手を差し込んでドアをアンロックする仕組みです。この方法は、フェラーリのラ・フェラーリなども同様です。

その他、イタリア産の高級スポーツカーたちはドアを開けるためのオープナーが思わぬ所に設置されていることが多くありますが、実は国産車にもドアハンドルが隠れたモデルがいくつか存在しています。
その代表的な例が、レクサスが2010年から2012年にかけ、限定500台で生産・販売した国産スーパーカーであるLFAでしょう。

LFAもまた、ドアパネルにドアハンドルは設置されていません。

LFAのドアを開けるためのオープナーは、エアインテークへ繋がるドア上部のくぼみにあります。

エアインテークのパーツと一体化しているプッシュ式のドアオープナーは、下に押し込むとドアが開くという、オーナー以外にはドアを開けるどころか開ける方法を見つけることすら難しい設計となっていたのです。
これら高級スポーツカーがドアハンドルを目立たなくしているのには、理由があるとされています。

車の開発初期段階におけるデザインイラストには、アウタードアハンドルが描かれていないことが多くあります。車のデザインにおいて、ドアハンドルはできることなら存在感を消したいパーツとも言えます。

できるだけドアを大きく見せ、キャラクターラインを際立たせた方が、デザイナーが思い描いたままの優れたデザインを実物にも反映できるのです。

ただし、現在ではスマートキーシステムの技術向上などから、グリップ型のドアハンドルを握っただけでドアを開くことができるようなモデルも増えてきています。

このまま技術が発展すれば、緊急時用の物理的なオープナーを除き、ドアハンドルという概念そのものが無くなる可能性もあるかもしれませんね。
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