BMW M4 vs BMW 440i…何が違うのか?

BMW M4

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2015年終わりに施された改良によって、BMW 4シリーズには440iという新たなグレードが登場し、2016年には日本市場にも導入されました。2ドアクーペの4シリーズにおいてはもっとも高性能で、440iクーペ Luxuryと440iクーペ M Sportが用意されます。
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440i
M4
どちらにも魅力が…

440i

そして、この440iに搭載されるのが、B58B30A型と呼ばれる3L直6ターボエンジンです。BMWは環境性能とパワー&トルクの両立を高いレベルで実現した新世代ユニットを新たに開発。

3気筒、4気筒、6気筒すべてが同じボア×ストロークで、さらにディーゼルとガソリンのブロックも共有するという最先端のモジュラーエンジンを順次導入しています。その6気筒の高性能版が440iに搭載されるB58B30A型で、シングルターボチャージャーを組み合わせ2997cc(ボア、ストローク φ82.0 × 94.6mm)の排気量から240kW(326ps)/5500rpm、450Nm(45.9kgm)/1380~5000rpmを発揮します。

これだけの高性能を実現しているとなると、気になるのが4シリーズベースの“M”モデルであるM4との違い。

空力特性に配慮したアグレッシブなエクステリアから、ハイパワーを受け止める足回りまでさまざまな違いはありますが、ここではエンジンにフォーカスしてその違いを掘り下げていきましょう。

M4

M4に搭載されるS55B30A型ユニットは、2979cc(ボア、ストローク φ84 × 89.6m)というM58系3リッターとは異なる排気量が示す通り、新世代モジュラーユニットではありません。2010年のE90 3シリーズ改良後からF系初期にも搭載されていた335i用のN55系エンジンをベースにしています。

しかし、エンジンブロックがクローズドデッキになっているなど、新開発エンジンといっていいくらい刷新されているM3/M4専用ユニットで、317kW(431ps)/7300rpm、550Nm(56.1kgm)1850~5500rpmを発揮します。

さらにM4 GTSに至っては368kW(500ps)/6250rpm、600Nm(61.2kgm)/4000~5500rpmまでスープアップ。高性能グレードとはいえ、通常モデルとMモデルでは、大きく異なることがわかります。

どちらにも魅力が…

意外に知られていないのが、同じターボエンジンながらそのレイアウトの違い。前述のように、440iのB58B30A型はシングルターボ。

一方、M3/M4のS55B30Aエンジンはツインターボです。

BMWが通常ツインパワー・ターボ・エンジンと称しているのは、排気流路を2つにすることによって排気エネルギーの干渉を抑えているシステムで、タービンはひとつだけです。これに対してM4のターボチャージドエンジンは、過給するためのタービンが2基ある“ツインターボ”なのです。

M4に採用のS55B30Aは小径のターボチャージャーを採用するなどしてターボラグが極めて少なく、しかもタービンの素材にも軽量化を徹底し軽量なシステムに仕上がっています。

先代M3は、4リッターV8自然吸気エンジン(420ps、40.8kgm)でしたが、その後継モデルたる新型M4はダウンサイジングしながらも、パワフルになっているのも見逃せない魅力なのです。

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