BMW M4クーペのエンジンやミッション等のスペック【プロ徹底解説】

BMW M4

現行型M4クーペに搭載されているパワートレインは、BMWの直列6気筒ガソリンエンジンの中でも出力およびトルクに関してトップレベルの性能を誇ります。

しかも新BMW M GmbH製エンジン特有の高回転特性と最新世代のMツインパワー・ターボ・テクノロジーが採用されています。これにより、比類ない出力特性を生み出し、BMW Mモデルならではのパフォーマンスとして体験できるのです。

それでは、現行型M4クーペに搭載されているパワートレインなどを解説しましょう。

文・写真/萩原 文博

Chapter
エンジンのスペック
トランスミッションのスペック
システムについて

エンジンのスペック

現行型M4クーペCompetitionに搭載されている3L直列6気筒ツインターボエンジンは、最高出力51Ops/6,250rpm、最大トルク650Nm/2,750~5,500rpmを発生します。

また、6速MT車であるM4クーペは最高出力480ps/6,250rpm。最大トルク550Nmを2,650~6,130rpmというワイドバンドで発生するのが特徴です。このような出力特性によって極めて優れた加速性能を実現し、M4クーペCompetitionは、0-100km/h加速が約3.9秒という高いパフォーマンスを発揮します。

この極めてスポーティなエンジン特性は、Mツインパワー・ターボ・テクノロジーによって支えられています。この3L直列6気筒エンジンにはモノ・スクロール式のターボ・チャージャーを2基搭載。それぞれが1番~3番シリンダーに、または4番~6番シリンダーに圧縮した空気を送り込みます。

そして低温回路を通じてエアが供給されるインダイレクト・インタークーラーと特殊なコンプレッサーが、ターボ・チャージャーの出力特性を最適化。また、素早く閉じることができる電子制御式ウエスト・ゲートによりターボ・チャージャーの素早いレスポンスを実現しています。

加速時や高回転域などエンジンに高い負荷がかかる際には、ガソリン・ダイレクト・インジェクションの高い品質がその効力を発揮。最新仕様の高精度ダイレクト・インジェクション・システムは、最高350barの圧力で燃料を燃焼室に送り込むことで、噴射時間をさらに短縮することができ、効率的な混合気形成を実現するのです。

さらに、燃料噴射の微粒化がクリーンな燃焼を促し、エンジンからの排出ガス量を削減し、高出力と高い環境性能を両立しました。

トランスミッションのスペック

M4クーペに採用されているトランスミッションはM4クーペに搭載されている6速MTとM4クーペCompetitionに搭載されているドライブロジック付き8速Mステップトロニック・トランスミッションの2種類があります。

M4クーペCompetitionに搭載されているパワフルな直列6気筒エンジンのパワーは、ドライブロジック付き8速Mステップトロニック・トランスミッションを経て路面に伝達されます。現行型M4クーペCompetitionのために開発されたこの8速ATは、エンジン特性に精密に合わせたギヤ比の組み合わせと極めてスポーティなギヤシフトを特徴としています。

ギヤ比の幅を大きく取り、エンジン低回転域での経済的な走行を実現すると同時に、低速域からでも素早く駆動力を高めることが可能です。またトルク・コンバーターを技術的に改善して回転ムラを抑制し、極めてダイレクトなレスポンスを可能しました。

この8速ATのコンバーター・ロック・アップ・クラッチは、すでに発進直後から100パーセントの締結状態になります。

Mステップトロニック・トランスミッションでは、フル・オートマチック・ギヤ・シフトおよびシーケンシャル・マニュアル・シフトによるギヤ・チェンジが可能です。そのために、新設計のギヤ・セレクター・スイッチの他にステアリング・ホイールにパドル・スイッチが標準装備されています。

ドライバーは、左右いずれかのパドル・スイッチを操作することでオートマチック・モードから自動的に、または一時的にマニュアル・モードへ切り替えることが可能です。マニュアル・モードで定速走行から急加速する際は、一気にロー・ギヤまで飛ばしてシフト・ダウンすることができます。

またBMW M4クーペには、6速MT車も用意されていますMT車はドライバーとクルマとの密接な対話が可能で、正確に設定されたショート・シフト・ストロークによって、そのときどきの走行状態に適したギヤを選択する際の操作快適性と正確性を向上させています。

極めてスポーティな走行状態では、シフト・アシスタントが快適性と走行安定性をサポートします。そしてコーナー手前でのブレーキングの際、シフト・アシスタントはシフト回転数コントロールによってシフト・ダウン後にスリップを引き起こさないようにするためのシステムです。

シフト・アシスタントはiDriveメニューで作動解除できます。6速MTのギヤ比の幅およびギヤ・レシオは、エンジンの出力特性に最適化されています。これにより最適なシフト回転数に調整し、最大の運動性能を確保することで極めてスポーティな加速を実現。

さらに、先代モデルのマニュアル・トランスミッションと比べてベル・ハウジングも新設計となり、この極めて高性能な新型エンジンの要件に合わせて調整され、軽量化を実現しました。

こうした総重量の軽減も、この6速MTの特徴の一つで、全コンポーネントを合計すると、コンペティション・モデルの8速Mステップトロニック・トランスミッションよりも約25kg軽くなっています。

システムについて

現在、M4クーペは後輪駆動車のみで展開していますが、2021年中にはM4モデルに初めて従来の後輪駆動に代わる選択肢として高性能スポーツカー用に開発された4WDシステムを提供する予定となっています。

M4クーペ専用開発の四輪駆動システムM xDriveは、極めて素早くかつ正確に作動する新しい制御システムを採用しており、必要に応じてフロントホイールとリヤホイールの駆動トルクを可変配分が可能。

その結果得られるドライビング・エクスペリエンスは、驚異的な俊敏性に加え、極めてダイナミックな走行状況でも驚くほど正確なハンドリングを提供します。さらに、駆動力の可変配分により最適化されたトラクションによって、発進加速性能を大幅に向上させます。

これによりMモデルならではの後輪駆動を意識したシステム設計により、スポーティなコーナリングでもかつてないレベルの安定性と運動性能を実現します。

M xDriveシステムには、駆動トルクをホイールに伝達する専用のプロペラ・シャフトとアウトプット・シャフト、ならびにファイナル・ドライブのアクティブMディファレンシャルが組み合わされます。

フロントホイールとリヤホイール間の駆動トルクは、必要に応じてトランスファーケース内の電子制御多板クラッチが無段階に可変配分し、左右のリヤホイール間の駆動トルクはアクティブMディファレンシャルが同様に振り分けます。

これにより、スポーツ走行の際や左右のホイール間で路面グリップの異なる場面において、トラクション・俊敏性・安定性を大幅に向上させることができます。

M xDriveとアクティブMディファレンシャルは、ダイナミック・スタビリティ・コントロールとネットワークで結ばれており、そのときどきの走行状態に合わせて2つのシステム間の協調を綿密に調整します。

走行状況の変化にいち早く対応するため、トランスファーケースにはさらにホイール・スリップ・コントロール機能が統合されています。これにより、フロント・アクスルとリヤ・アクスル間のわずかな回転数差は、セントラル・コントロール・ユニットにフィードバックすることなく、迅速かつ直接的に補整されます。

通常の走行状態であれば、システムはすべての駆動力をリヤホイールに分配します。しかしリヤホイールが駆動力を路面に伝達しきれなくなったとき、初めてフロントホイールに駆動力が供給されます。

この特別なセットアップにより、この四輪駆動システムはBMW Mモデルの伝統的な特徴である駆けぬける歓びを実現します。

搭載されているエンジンは、3L直列6気筒ツインターボの1種類ですが、組み合わされるトランスミッションによって仕様が異なっています。

また、駆動方式は後輪駆動しかありませんが、4WDも追加予定となっています。4WDとなることで、走行性能に更なる磨きが掛かりそうです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
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