トヨタ ヤリスの良い点や欠点などを試乗レビュー【プロ徹底解説】

トヨタ ヤリス

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1L&1.5Lガソリン車と1.5Lエンジンのハイブリッドを用意しているヤリス。

ヤリスクロスとの合算で新車販売台数No.1という人気車種となっています。

そこで、その人気と実力はキチンとバランスが取れているのかどうかを試乗して確認しました。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
良い点
改善点

良い点

ベストセラーカーのトヨタ ヤリス。これまでハイブリッド車、1.5LガソリンCVT車に乗ることができました。そして今回は現行型ヤリスの本命モデルと言える1.5Lガソリンの6速MT車に乗ることができましたので、インプレッションを紹介しましょう。
今回試乗したモデルは、最上級グレードの1.5Zの6速MT車で、車両本体価格は188万8000円です。

オプションとして8万2500円の185/55R16タイヤ+16インチアルミホイールをはじめ、4万4000円のカラーヘッドアップディスプレイ、6万500円のブラインドスポットモニター、4万9500円のパノラミックビューモニター、11万円のT-Connectナビキット。3万3000円のTV+Apple Carplay+Android Auto、6万3250円のカメラ別体型ドライブレコーダー、3万3000円のETC2.0ユニット、1万1000円のトノカバー、2万3650円のフロアマット(デラックス)を装備し、オプション価格は51万400円となります。

諸費用を含めた乗り出し価格は250万円超となります。
現行型ヤリスは断捨離を行ったコンパクトカーと言えます。これまではフィットのようなユーティリティの高さを追求したコンパクトカーが人気でした。しかし、軽自動車でヒットしているスーパーハイトワゴンと呼ばれるカテゴリーが小型車にも進出しました。

ユーティリティはそういったハイトワゴン系のルーミーに任せて、ヤリスはコンパクトカーらしいハツラツとした走りに特化したコンパクトカーに仕立てることに注力したのでしょう。コンパクトカー向けに新開発されたGA-Bと呼ばれるTNGAプラットフォームを採用。

軽量・高剛性の低重心なボディに高出力・低燃費、さらに小型化した1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンを搭載しています。サスペンションも滑らかな動きにこだわり高い剛性を実現しています。
ここまで心血を注いで走りに特化したヤリス1.5Z 6速MT車の乗り味はどうなのか?というと、軽さが際立った走りが特徴です。搭載する1.5L直3エンジンの最高出力は120psとそれほど目立つ数字ではありません。

しかし、車両重量は1,000kgに抑えています。ギヤ比にもこだわった6速MTとの組み合わせにより、フットワークの軽さをドライバーはダイレクトに感じられます。決してパワフルではないですが、その反面120psを使い切れる楽しさを味わうことができます。

3気筒エンジンらしいパンチの効いた走りはドライバーのスキルに関係なく、操る楽しさを味合わせてくれます。サスペンションはリアサスペンションの接地感の高さが特徴で、ドライバーはハンドルを通じて、リアタイヤがどれくらい仕事をしているのかがわかります。

スポーツ走行する場合は、こういったクルマとドライバーのコンタクトがどれくらい取れるかが重要なことで、ヤリスは非常にコンタクトが取りやすいクルマだと感じました。オプションの185/55R16インチを装着することで、走行安定性が高くなり、旋回性能も高くなっています。

ノーマルの状態でここまで楽しく走れる国産コンパクトカーは貴重な存在だと言えるでしょう。

改善点

今回試乗したのは6速MT車でしたから、それほど気になりませんでしたが、CVT車だとエンジン回転数が上がった時の振動と車内に侵入する音をもう少し抑えられると良いと思います。

3気筒エンジン特有の振動はかなり抑えられていると思いますが、上質感をユーザーに提供するのあれば、もうひと工夫欲しいとことです。
フルラインアップメーカーのトヨタらしく、ユーティリティ重視のユーザーにはルーミーが提案出来るため、ヤリスは思い切って走りの良いコンパクトカーに舵を切っています。

FF車ながら、リアサスペンションに荷重がかかるため安定感の高い走りが味わえます。

この質の高い走りは国産だけでなく、欧州のコンパクトカーに匹敵する実力と言えます。
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