【プロ解説】マツダ2を徹底評価…良い点や悪い点などを試乗レビュー!

マツダ 2

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デミオから車名変更した際に、より上質な走行性能を目指して、シャシーまで改良を加えたマツダ2。

パワートレインに変更はありませんが、環境性能や燃費性能を向上させるなど余念がありません。

デミオからマツダ2に進化して、小さな高級車という目標はクリアできたのでしょうか?

試乗して確認してみました。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
良い点
悪い点

良い点

今回試乗したのは、2020年12月に登場した特別仕様車、XDブラックトーンエディションの4WD車車両本体価格は228万5000円です。

このモデルはXD プロアクティブをベースに、クロスブラック塗装のフロントグリルとドアミラー。

メッキが使用されたロアバンパー加飾(フロント/リア)、185/60R16タイヤ+ブラックメタリック塗装のアルミホイール、シャークフィンアンテナやレッドステッチを施したシート、シルバー/ダークレッドのエアコンルーバーベゼル。さらに本革巻のステアリング/シフトノブ/パーキングブレーキとパドルシフトを装備。

運転支援機能はスマート・ブレーキ・サポート[前方検知機能](SBS)/マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)/レーンキープ・アシスト・システム(LAS)を標準装備したお買い得グレードです。

試乗車にはオプション装備のCD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)4万4000円。

360°ビューモニター+フロントパーキングセンサー(センター/コーナー)と自動防眩ルームミラー6万500円。

そしてALH(アダプティブLEDヘッドライト)パッケージ4万9500円が装着されていました。
マツダ2は搭載するエンジンでキャラクターが大きく変わります。

1.5Lガソリンエンジン搭載車は、コンパクトカーらしい軽快な走りが特徴です。

一方、試乗した1.5Lディーゼルターボエンジン搭載車は、安定感が高くロングドライブを得意とするグランドツアラーです。

なかなか国産コンパクトカーで、ロングドライブを得意とするモデルはありませんが、試乗したマツダ2 XDブラックトーンエディション4WD車はロングドライブでもラクラクこなすポテンシャルを感じます。

それは、クルマの基本設計として、ペダル位置からこだわったボディ設計がなされていること。サスペンションシステムを進化させていること。

さらに、スムーズで効果的な車両挙動を実現するG-ベクタリングコントロール(GVC)を採用していること。

こういった技術がどんどんと重なってコンパクトカーながら高級車に匹敵する、走る・曲がる・止まるというクルマの基本性能の質を上げているのです。
ボディの小さなコンパクトカーは大きな高級車に比べるとホイールベースが短くなり、走行安定性は悪くなる傾向があります。

しかし、マツダ2はそういったデメリットを様々な技術を投入することで、クリアしています。

高額なクルマだけでなく、マツダ2のようなコンパクトカーにでも最新技術を惜しみなく投入するというマツダの真摯な企業姿勢は非常に好感がもてます。

そういった積み重ねで、マツダ2は国産車だけでなく、輸入車を含めたコンパクトカーの中でもトップレベルの走行性能を実現しているのです。
特に1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンと6速ATの相性は素晴らしいです。軽くアクセルペダルを踏めば、ガソリン車と勘違いするほどタイムラグなく加速してくれます。

特に高速道路などで、MRCCを使用していて、追い越し加速や先行車がいなくなってからの再加速はディーゼルターボらしいスムーズな加速を味わうことができます。

国産コンパクトカーとしては、合成皮革のシートを採用するなど上質さをアピールしているマツダ2。

トルクたっぷりのディーゼルエンジンと、高いシャシー性能による走りは小さな高級車に相応しい実力です。

悪い点

国産コンパクトカーの中で、トップレベルの走行性能を誇るマツダ2。

改善点として挙げるとすれば、運転支援システムの充実です。

ディーゼルエンジンを搭載した最上級グレードのXD Lパッケージはアダプティブクルーズコントロールまで全部付きとなっています。

しかし、ライバルのフィットやヤリスといったモデルはすべて標準装備となっています。

ベースがデミオということもあり、モデルが古いという点を考慮しても、こういった充実した運転支援システムはグレードによる差はなくしてもらいたいと思います。
新サスペンションや車両制御のG-ベクタリングコントロール(GVC)の採用によって、マツダ2は従来より無駄な動きが減ってフラットな乗り心地となっています。

短いホールベースのコンパクトカーの場合、なかなかフラットな乗り味を実現するのは難しいのですが、揺れの収束も早くリアシートに乗っていても不快な揺れをいなしてくれます。

コンパクトカーでもロングドライブする機会が多いという人にはベストバイのモデルと言えるでしょう。

ただ運転支援機能がグレードによって異なるので、その点は注意してください。
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