【プロ解説】マツダ2のエンジンやミッション等のスペックを徹底解説!!

マツダ 2

マツダ2は1.5 Lという同じ排気量の、ガソリンエンジンとディーゼルターボエンジンを搭載しています。

特にディーゼルエンジンは、国産コンパクトカーの中でマツダ2が唯一搭載しているパワートレインです。

ここでは、搭載されている2種類のエンジンをはじめ、トランスミッションそして4WDについて紹介します。

文・写真/萩原 文博

Chapter
エンジンのスペックを紹介
トランスミッションを紹介
システムについて紹介

エンジンのスペックを紹介

マツダ2には1.5L直列4気筒のガソリンエンジンとディーゼルターボエンジンの2種類のエンジンが搭載されています。

まずは、スカイアクティブ-Gと呼ばれる1.5L直列4気筒ガソリンエンジンから紹介しましょう。

最高出力110ps、最大トルク142Nmを発生する1.5L直列4気筒ガソリンエンジン(15MBを除く)は、高圧縮によって軽快なパフォーマンスと優れた燃費性能を発揮する高効率直噴ガソリンエンジンとなっています。

エンジン内部のピストンスカートの面形状の最適化、ピストンリング形状の最適化などにより、機械抵抗を低減。

さらに、温度マネジメントに冷却水制御システムを採用し、早期昇温を図ることにより、燃焼に寄与しない燃料を削減しています。

ピストン頭部形状の最適化や燃料の多段噴射により、燃効率が向上しノッキングを抑制。

また、新型インジェクターによる高い燃圧での微粒子化噴霧を行い、シリンダー壁面への無駄な燃料の付着を防ぎ効率のいい燃焼を実現しています。

これらにより燃費性能の向上とともに、排出ガス中の微粒子物質の大幅削減という結果をもたらしました。

走行面では全域でトルク向上を果たし、クルマと一体となった躍動感あふれる走行フィールを発揮します。

さらに、2021年6月に一部改良を行い、一部グレードに搭載するガソリンエンジンは、独自技術の斜め渦燃焼を投入し、圧縮比を12からに14に高め、環境性能を向上。

燃費はWLTCモードで従来のガソリンエンジンから最大6.8%向上。

さらに、e-スカイアクティブXで培ったエンジン制御技術を採用し、アクセル操作に対するクルマの応答性とコントロール性が向上しています。

一方、最高出力105ps、最大トルク250Nmを発生するスカイアクティブ-Dと呼ばれる1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、250N·m(AT車)という2.5Lガソリンエンジン並の力強いトルクと優れた低燃費を実現した、1.5Lディーゼルエンジンです。

ひとあし先に登場したスカイアクティブ-D 2.2の理想の燃焼特性を継承。

全回転域でのリニアでトルクフルな走りと高い燃費性能、優れた着火性と冷間始動性、静粛性などの特長を引き継いでいます。

また高価な後処理システムを搭載せずにNOx(窒素酸化物)やPM(スス)の排出量を大幅に低減できる、優れた環境性能も実現しているのが特徴です。

スカイアクティブ-D 1.5では、小排気量エンジンが避けて通れない壁面からの冷却損失の増大という問題を克服するため、段付の形状としたエッグシェイプピストン、ソレノイド式の高分散噴霧インジェクターなど、小排気量エンジン用に進化させた技術を採用。

さらに、燃焼室と燃料噴射システムを新開発し、同時に圧縮比は14.8に最適化しました。

その上で小型のシングルターボチャージャーの採用などにより、徹底した高効率化と軽量化を実現しています。

さらに、マツダ2ではクルマが減速する際に放出する運動エネルギーを利用して発電を行い、電気として回収・再利用するシステム「i-ELOOP」を採用しました。

これは、エネルギーを瞬時に大量に蓄え、効率的に取り出して使用できる電気二重層キャパシターと、12~25V可変電圧式の減速エネルギー回生用オルタネーターを用いて、減速時のエネルギーでヘッドランプ、エアコン等の電装品を動かす電気を補うマツダ独自のシステムです。

これによりエンジン負荷を軽減できるため、燃費の向上に貢献しています。

トランスミッションを紹介

マツダ2のトランスミッションは、スカイアクティブ-ドライブと呼ばれる6速ATとスカイアクティブ-MTという6速MTを設定しています。

どちらのトランスミッションも大切にしたのは、ドライバーの気持ちにクルマが応えてくれる感覚。

ドライバーのアクセル操作にリニアに反応し、ドライバーの感覚に合った変速タイミング/加速特性を実現しました。

それらにより、ドライバーの思いのままに走りをコントロールでき、クルマとの一体感が高まることで走る楽しさを更に向上させています。

6速ATは、燃費性能に優れ、MTのようなダイレクト感やスムーズで力強い発進・加速性能を実現したオートマチックトランスミッションです。

ガソリンエンジンとディーゼルエンジン用の2タイプの6速ATを設定し、小型・軽量化や抵抗の低減、ロックアップ領域の拡大などにより、燃費性能の向上とともにダイレクト感を強化しています。

また6速AT車は前車に追従するような場面で、ゆっくりとしたアクセルペダル操作を行ったとき、変速したことを感じさせないスムーズな加速を実現するために、適切にシフトダウンタイミングをコントロールし、ドライバーが思い通りの加速を得られるように、新しい制御技術を織り込みました。

また、シフトダウンしながら勢いよく加速するような場面では、ドライバーはしっかりと加速を体感でき、一方助手席の人は不意に身体が大きく振られることがないように、クラッチ油圧や変速時間、変速タイミングなどの微妙なバランス調整を重ね、つながりの良い加速特性を実現しました。

一方の6速MTは、軽快で節度感のあるシフトフィールを実現し、燃費性能にも貢献する軽量・コンパクトな新世代マニュアルトランスミッションです。

シフトリンク機構では、操作系部品を集約してコンパクト化することで軽量化を実現。

また、45mmのショートストロークとすることで、MT車らしい軽快で小気味よいシフトフィールを実現しています。

燃費性能の面では、ディファレンシャル軸にまでオープンタイプのボールベアリングを採用し、軸受けの回転抵抗を最小化。

また、シャフト内には軸内へオイルを供給する機能を持たせたパイプを設定することで、必要部位へ最適な量のオイル供給を可能することで、ユニット内の潤滑オイル量を先低減しています。

さらに、リバース用シンクロを5速用と兼用化して、引きずり抵抗も低減しました。

アクセル操作に対してスロットルのレスポンスを改善することによる応答性の向上と、つながりの良いギアを設定することで、発進から応答良く、リズムの良いシフトアップができるようにしています。

また、緻密なトルクコントロール制御により、加速や変速時の振動も小さく抑え、ドライバーやパッセンジャーの頭部の揺れを抑えることができ、滑らかな加速感が味わえます。

システムについて紹介

マツダ2の駆動方式はFFとi-ACTIVE AWDと呼ばれる4WDを採用しています。

この4WDシステムは、タイヤの動きや路面状況などをリアルタイムにモニターし、スリップ予兆を検知すると、即座にトルクを配分する先進のシステムです。

雨や雪などの滑りやすい路面はもちろん、乾いた路面においても4輪の設置状態に応じて、最適なトルク配分とすることで常にタイヤのグリップ力に余裕を持たせて、スムーズで安定した走りを提供します。

また、4WDシステムは、コンパクトカーの走りに合わせて、より小型・軽量のコンパクトなパワーテイクオフとリアディファレンシャルユニットを新開発。

リングギアのサイズを縮小化するなど従来のシステム比で約20%の軽量化を達成するとともに、オイルの流れをスムーズ化して抵抗を低減させ、燃費性能も向上させています。

2021年6月に行った一部改良で、15MBを除く1.5L直4ガソリンエンジンは圧縮比を高めて燃費と環境性能を向上させています。

さらに、アクセル操作に対するクルマの応答性とコントロール性が向上しました。

多くのグレードで6速MT車を設定するなど、運転する楽しさを味わえるように地味な進化を惜しみなく行うのがマツダという会社の特徴です。

スポーツカーではないマツダ2ですが、国産コンパクトカーの中ではトップレベルの走行性能を備えています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博