【プロ解説】三菱 エクリプスクロスを徹底評価!良い点や欠点などを試乗レビュー

三菱 エクリプスクロスPHEV

2.2Lディーゼルターボエンジンに変えて、PHEVを追加したエクリプスクロス。

国産SUVの中でPHEVは貴重な存在です。

定評のあるS-AWCによる高い走行性能はPHEVとなってどのように進化しているのか。

試乗して確認してみました。

文・写真/萩原 文博

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試乗車概要
三菱 エクリプスクロスPHEVの良い点
三菱 エクリプスクロスPHEVの改善点

試乗車概要

三菱はコンパクトSUVのRVR、ミドルサイズSUVのアウトランダー/アウトランダーPHEVというSUVラインアップを用意しています。

ここにクーペフォルムSUVのエクリプスクロスを追加しました。

デビュー当初は1.5Lのダウンサイジングターボだけでしたが、2.2L直列4気筒ディーゼルターボ+8速ATというパワートレインを追加。

これまで国産メーカーではマツダしか設定していなかったディーゼルターボエンジンを搭載したSUVとして注目を集めました。

そして、2020年のマイナーチェンジで、ディーゼルターボを廃止する一方でアウトランダーPHEV譲りのPHEVシステムを搭載したエクリプスクロスPHEVを追加しました。

個人的には3つのパワートレインを用意していたほうが、ユーザーの選択肢が広がるのではと思いますが、販売台数の規模そして、今後の電動化シフトを考えると1.5LターボエンジンとPHEVの2本立てというのは納得できます。

今回試乗したのは、エクリプスクロスPHEVの最上級グレードのPです。

車両本体価格447万7,000円です。

三菱 エクリプスクロスPHEVの良い点

エクリプスクロスにはガソリン車、ディーゼル車、PHEVとすべてのパワートレインに試乗していますが、共通しているのは、ハンドリングの良さと操縦安定性の高さです。

4WD車に搭載されている車両運動統合制御システム「S-AWC」の効果は絶大です。

ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現するシステムで、オート・スノー・グラベルの3つの走行モードを設定しています。

オートモードでカーブを曲がった時でもリアタイヤの安定感が抜群で、思ったとおりのラインをトレースできるのが特徴です。

さらにPHEVは制御が高精度となり、ドライバーのハンドル操作に反応し、安定感のある車両挙動で走行します。

この気持ち良いハンドリングは国産だけでなく、輸入車を含めてもミドルサイズSUVの中ではトップレベルの実力です。

前後に2つのモーターを搭載したツインモーター4WD PHEVシステムの加速フィールは抜群です。

しかもS-AWCによって駆動力を最適に配分するため、より上質な乗り心地と優れた操縦安定性を両立。さらに高い静粛性も実現しています。

背の高いSUVながら、ボディのふらつきなどを抑えていて、まるでスポーツカーに乗っているような感覚です。

運転支援システムの性能は及第点ですが、価格帯そしてまだ登場して半年のモデルとしては物足りないです。

現在のクルマ選びは走行性能の高さに加えて、安全装備の充実度も大きなポイントとなってくるので、この点は気になるところです。

現在、国産ミドルサイズSUVでPHEVを用意しているのはトヨタRAV4とこのエクリプスクロスだけ。

注目度はRAV4ですが、走行性能面ではエクリプスクロスは一歩の引けを取らないどころか互角以上の実力を備えたモデルだと思っています。

三菱 エクリプスクロスPHEVの改善点

エクリプスクロスPHEVのツインモーター4WDシステムが生み出す安定感の高い走行性能やモーターを積極的に使用するPHEVシステムは文句なしです。

改善点を挙げるのであれば、運転支援システムです。

三菱車で最も充実した運転支援システムを搭載しているのが、軽自動車のeKワゴンやeKスペースというのはいただけません。

機能の数そして性能もさらに向上してもらえると、国産ミドルサイズSUVの中でもより多くの人に認知してもらえると思います。

1.5Lターボやディーゼル車でもエクリプスクロスの高い走行安定性は魅力でしたが、より緻密な制御を行えるPHEVとなりエクリプスクロスPHEVの走りの質感はさらに向上しています。

高いハンドリング性能に加えて、リアの路面追従性能の高さそして乗り心地の良さは後席に座る人へのホスピタリティの高さに繋がります。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博