一歩先行く、三菱エクリプス クロス

アヘッド 三菱エクリプス クロス

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先進技術という意味で、いつの時代も他社の一歩先行くアイデアと技術力により〝世界初〟を唱えた装備が、過去にどれほどあったことか。
エクリプス クロスで久しぶりに完璧なニューモデルを送り出した三菱自動車は、そういうメーカーである。例えば、いまの時代の主流であるエンジンの〝直噴化技術〟。これを世界に先駆けて1996年に本格量産化したのは三菱だ。…しかし早過ぎた。

text:桂 伸一 [aheadアーカイブス vol.184 2018年3月号]
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一歩先行く、三菱エクリプス クロス

一歩先行く、三菱エクリプス クロス

世界ラリー選手権で王座に輝くランサー・エボリューションで開花させた、〝曲がる4WDシステム〟。

前後輪駆動トルク配分のACD、左右輪間のトルクベクタリング機能のAYC、4輪ブレーキ制御ABS&ASCを組み合せた4WDの車輌運動統合制御システム(=S-AWC(注))は、技術陣羨望の制御だった。

4WDと言えばアウディ、と世界が認めるここの技術者が…「三菱に先を越された」と悔しがることしきり。4WDを積極的に曲げる技術は安全性はもちろん、競技では速さに結びつく。その技術を搭載したエクリプス クロス、氷上雪上性能ではどうか。という試乗会に北海道へ飛んだ。

まずは舗装路で試した印象を言うと、ステアリング操作に対して、わずかに鋭いかなと感じさせる応答性が、曲がるキッカケを作りやすくする。それに対して後輪は、場合によっては内輪が浮く場面もありながら、姿勢を乱さない安定性を披露した。

搭載されるAYCは〝ランエボ〟やアウトランダーのモノとは違い、後輪左右をブレーキ制御で曲げる力、旋回性をサポートする。それが氷雪路では、やはりステア操作で曲げに行く事に対して、その応答性がまずは確かに感じられる。曲がるからこそ、後輪が横方向にスライドするのだが、その変化していく様が手にとるように伝わる限界特性が素晴らしい。

とは言えこれは、姿勢がどうすればどう乱れるかを探る操作をしたことによるもの。通常は、前輪の動きに後輪も追従して姿勢は乱れない。タイヤがグリップ力の限界を迎えると、アンダーステア方向になり、姿勢に極端な変化は起らない安定指向。

エンジンは1.5ℓとベルト駆動のCVTに期待は薄かった。というのもCVTの空転感、滑り感を嫌うためだが、三菱は違った。アクセル操作にこれほどダイレクトな加減速を示すCVTであれば、CVT嫌いを改める必要がありそうだ。一応8速に刻まれて、手動操作をすれば段付き感はあるが、通常走行では無段階変速感のスムーズな走行性が得られるこれは、アリ。

ガソリンエンジンのみ、と言う点が時代的にどうか?! と思うが、1.5ℓ+CVTにまずは納得である。

●エクリプス クロス
車両本体価格:¥2,532,600〜(税込)
エンジン:1.5ℓダウンサイジング直噴ターボエンジン
パワートレイン:8速スポーツモード付CVT
排気量:1,498cc
最高出力:110kW(150ps)/5,500rpm
最大トルク:240Nm(24.5kgm)/2,000〜3,500rpm
駆動方式:4WD
(注)S-AWC(Super All Wheel Control)
「AWC」思想を高次元で具現化する車両運動統合制御システム。4輪の駆動力・制動力の制御を軸とした高度な統合制御により、様々な走行状況で、ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現でき、“誰もが安心して気持ち良くドライブできる”ことを可能としたシステム。
・ACD(Active Center Differential)
・AYC(Active Yaw Control)
・ASC(Active Stability Control)

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商品詳細