ついに追加されだディーゼルエンジンモデルの、三菱・エクリプスクロス。ディーゼル仕様の走行フィールと荷室の使い勝手をチェックした

気づけば最近の日本の道路はSUVばかり!……というのはちょっと盛りすぎですが、増えていますよねSUV。日本におけるSUVの市場規模はここ5年で2倍に拡大したと聞けば納得です。「日本じゃ売れないから……」といって日本販売をやめたトヨタRAV4が、3年のお休みの後に新型を発売したら「月間の想定販売の8倍の台数を販売」なんていう人気を得ているのも話題になったりしていますね。 そんなSUVのなかでも、日本で売れ筋となっているのが、コンパクトSUV。日産ジュークやホンダ・ヴェゼル、トヨタC-HR、マツダCX-3、そして三菱エクリプスクロスあたりがコンパクトSUVの代表的なモデルでしょう。
文・工藤貴宏/写真・工藤貴宏&CarMe編集部

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溢れんばかりのSUV市場の中からエクリプスクロスを選ぶ理由を探る
エクリプスクロスの実用性はどうか
ディーゼルエンジン仕様のエクリプスクロスは本命

溢れんばかりのSUV市場の中からエクリプスクロスを選ぶ理由を探る

三菱 エクリプスクロスディーゼル 工藤貴宏

どれも魅力的だけど、これだけ魅力あふれるモデルが揃うと「強い特徴」がないと購入対象を1台に決めるのはちょっと大変なのが正直なところですね。クルマ多すぎだよ(笑)デザインで選びたくなるのは、ジュークやC-HR、そしてCX-3でしょうか。ヴェゼルは広い後席や荷室といった実用性が決め手になるでしょうね。で、ここからが今日の本題。さて、三菱エクリプスクロスの魅力がどこでしょうか?ボクが思うに、「実用性」「凝った4WDシステム」そして「ディーゼルエンジンの力強い走り」。そしてそのトータルでの魅力の高さじゃないでしょうかね。

エクリプスクロスの実用性はどうか

三菱 エクリプスクロスディーゼル
三菱 エクリプスクロスディーゼル


まずは実用性からみていきましょう。エクリプスクロスはクーペルック(テールゲートが大きく傾斜したフォルム)だから、実用性はたいしたことがないんじゃない……。と感じている人が多いかもしれませんが、実はそうじゃない。たとえば後席の足元スペースは、ジュークやCH-R、そしてCX-3はデザイン重視の割きりだから論外として、広さ自慢のヴェゼルよりもエクリプスクロスのほうがゆとりがあってクラストップ。これ、意外です。

三菱 エクリプスクロスディーゼル
三菱 エクリプスクロスディーゼル


さらに荷室も……後席を動かすことなく通常にした状態ならヴェゼルに負けているけれど、エクリプスクロスには後席を前後に調整できる「シートスライド」という装備がクラスで唯一備わっているのが強い武器。そのスライド量は200mmあり、シートスライドを前に出せば、後席を畳むことなくクラス最大の広さを実現できるのです。実はけっこう使えるヤツなんですね、エクリプスクロスって。テールゲートが傾斜しているから荷室空間が狭いように見えるけれど、実車で確かめてみると後席背もたれの高さよりも下側はしっかりと広いから、意外に積載量が多い。というわけで、実は見かけによらず後席も荷室も結構使えるのでした。イイじゃないですか。

三菱 エクリプスクロスディーゼル


4WD
システムが凝っているのも、エクリプスクロスの自慢ですね。たしかに雪道で安定感のあるCX-3とか、「トルクベクタリング」という左右後輪に伝わるトルクを積極的に振り分けて舗装路でスムーズなコーナリングを実現するジュークの4WDシステムとか、ライバルには凝った仕掛けを搭載しているモデルもありますが、エクリプスクロスもかなり凝っている。 「AUTO」にしておけば舗装路やウェット路面での安定性を重視しつつ、アクセルを踏み込んで曲がっていくような運転スタイルをとると、4WDシステムが電子制御でそれに応えて鋭く曲がり込んでいくハンドリングを実現。峠道が楽しいと感じるのはそのためです。  

三菱 エクリプスクロスディーゼル 試乗会


ドライバーのスキルによっては、雪道ではカウンターステアを当てるような走りだってできちゃうのは、どれだけ控えめに表現しても“結構楽しい”に尽きます。さらにモードを「SNOW」に切り替えれば滑りやすい路面でも走りが安定するし、「GRAVEL(グラベル)」に切り替えると後輪へも積極的にトルクを送って悪路走破性が向上。モードを切りかえると特性が大きく変わる凝った4WDシステムで、舗装路も滑りやすい路面も悪路もで、シーンを選ばずに時には安定、ときにはドライバーが楽しめる挙動をするのがいいですね。

ディーゼルエンジン仕様のエクリプスクロスは本命

三菱 エクリプスクロスディーゼル

三菱 エクリプスクロスディーゼル
三菱 エクリプスクロスディーゼル


エクリプスクロスのほかにディーゼルエンジンを積むコンパクトSUVといえばCX-3ですが、CX-3のディーゼルエンジンは排気量1.8Lと小さく、効率や燃費を重視したもの(最大トルクは280Nm)。それに比べては排気量の大きなエンジンを積んだエクリプスクロスはみなぎるパワー感が全然違うから、CX-3より断然動力性能に余裕があります。ディーゼルエンジン搭載のライバルに比べるとひときわパワフル、ガソリン車に比べても力強い走り。それがエクリプスクロスのディーゼルなのでした。 この速さを知ると、エクリプスクロスのディーゼルは相当魅力的。元気よく走りたい人にとっては、オススメの選択肢です。

三菱 エクリプスクロスディーゼル 工藤貴宏


ところで、ディーゼルといえばガラガラと耳障りな独特のエンジン音を気にする人もいるかもしれません。確かに、旧型デリカD:5などがかなりうるさく感じました。 しかし新型デリカD:5やエクリプスクロスでは世間水準並みに抑えられ、走り始めてしまえばほとんど気になりません。そのうえ嫌な振動も感じませんでした。
そういう意味でも、ディーゼル車に対して構える必要はないのかなと思います。それよりもガソリン車よりも燃費が伸びるうえに、燃料の軽油はガソリンよりも単価が安いのは魅力ですよね。 実用的で、4WDシステムが機能的で、エンジンは力強く、そして燃費もいい。エクリプスクロスのディーゼルはそんなクルマでした。ウィークポイントは、ガソリン車に比べると価格がちょっと高い(車両価格差は約30万円だけど免税や減税措置により実質差は15万円程度)ことと、価格を抑えられる2WD車が選べないことくらいでしょうか。

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏|くどう たかひろ