自家用車を4ナンバー化して節税する方法とポイント | 2025年最新版

後部座席 リアシート ミニバン

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車の維持費、毎年高くて悩んでいませんか? 自動車税や車検代などのコストを少しでも抑えたい…そんな節約志向のあなたに朗報です。

実は、お持ちの自家用車を「4ナンバー(小型貨物車)」に登録変更することで、税金面で大きなメリットを得られる可能性があります。乗用車を貨物登録に変更して節税する裏技が、近年じわじわと注目されているのです。

CARPRIME編集部

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Chapter
「4ナンバー」とは?小型貨物車の基本知識
なぜ4ナンバーにすると節税になるのか?(税金・保険料の仕組み)
自動車税(種別割)の計算方法の違い
重量税の優遇
自賠責保険料の違い
4ナンバー化でどれだけ節約?実際の年間コスト比較モデル
4ナンバー化の条件と車種選びの注意点
① 車両サイズと排気量
② 荷室スペースの確保
③ 車種ごとの注意点
④ その他の改造点
4ナンバー化の手続きと必要書類(構造変更の方法)
構造変更検査とは?
手続きの流れ
構造変更のタイミング
4ナンバー化した車を戻すことは可能?
どんな人におすすめ?4ナンバー化が向いている利用例
少人数&荷物が多いユーザー
アウトドア・キャンプ好き
副業や自営業で配送・運搬がある人
車中泊仕様や簡易キャンピングカーにしたい人
4ナンバー化の注意点とデメリット
乗車定員が減る
毎年車検が必要
乗り心地・快適性の低下
リセールバリューの低下
まとめ:節約上手には魅力的!

「4ナンバー」とは?小型貨物車の基本知識

軽トラック

軽トラック

「4ナンバー車」とは、ナンバープレートの分類番号(上3桁)が「4」で始まる自動車のことです。この「4」は国土交通省の分類上小型貨物自動車を示しており、一般的にはバンやトラックなど小型の貨物車両を指します。

一方、同じ小型でも乗用目的の自家用車「5」や「7」のナンバーが付き(いわゆる5ナンバー車)、大型の乗用車「3」ナンバー、より大きな貨物車「1」ナンバーになります。

つまり、ナンバーの数字でその車が「人を運ぶ乗用車」なのか「荷物を運ぶ貨物車」なのかが一目で分かるのです。

小型貨物車(4ナンバー車)の定義は、小型乗用車(5ナンバー車)と同様に車体のサイズエンジン排気量に制限があります。

具体的には 全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下、排気量2,000cc以下 という範囲内であることが条件です。この範囲を超えると小型ではなくなり、4ナンバーでは登録できません。

さらに貨物車である4ナンバー車には荷室(ラゲッジルーム)スペースに関する規定もあります。例えば、荷物を積む床面積が1㎡以上確保されていること、かつ荷物積載部分の広さが(運転席・助手席を除く)座席部分よりも大きいことが求められます。

要するに、人より荷物を優先する構造でなければ4ナンバーの貨物車とは認められないのです。

以上のように荷物優先の設計になるため、小型貨物車は限られた車体サイズの中で荷室を広く取っているケースが多く、乗用車と比べて後部座席の足元スペースが狭いモデルが多いという特徴もあります。

シートの作り自体も荷室利用を優先しており、乗員の快適性は二の次になりがちです。こうした違いを踏まえ、次章からはなぜ4ナンバー化すると節税になるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

なぜ4ナンバーにすると節税になるのか?(税金・保険料の仕組み)

乗用車を4ナンバー化する最大のメリットは税金が安くなる点です。では、なぜ貨物登録にするとそんなに維持費が変わるのでしょうか? 主な理由は以下の3つです。

自動車税(種別割)の計算方法の違い

自家用乗用車の自動車税はエンジン排気量に応じて課税されますが、4ナンバーの貨物車は最大積載量(積める荷物の重さ)で税額が決まります。

小型貨物の場合、エンジンが大きくても積載量が小さければ税額は低めに抑えられます

そのため同じ1.5Lクラスの車でも、貨物登録にすれば年額1万円以下(約8,000~9,000円)の自動車税で済むケースもあります。これは乗用5ナンバー車の最安税額よりも低く、排気量ベース課税の乗用車に比べて大幅にお得です。

重量税の優遇

車検時に支払う自動車重量税も、貨物車は乗用車に比べて税率が低く設定されています。

車両重量あたりの課税額が抑えられているため、同じ重さの車でも貨物登録なら重量税は半額程度になることもあります。

加えて、4ナンバー車は新車時以外毎年車検を行うため1年ごとに重量税を支払いますが、逆に言えば1回あたりの納税額は小さく分割されるイメージです。結果として年単位で見ても乗用車より安価に抑えられます。

自賠責保険料の違い

4ナンバー車は車検が毎年のため自賠責保険(強制保険)12ヶ月分ずつ加入します。その分、1年あたりの保険料は乗用車より若干割高になる傾向があります。

たとえば自家用乗用車が2年で約17,650円(年あたり約8,800円)なのに対し、貨物車は1年ごとで約11,500円程度(※2025年度)です。しかしこの差は数千円程度で、自動車税や重量税の減額幅と比べれば小さいものです。
以上のように4ナンバー化すると自動車税と重量税が圧倒的に安くなり、保険料の増加分を差し引いてもトータルの維持費は大幅に下がります。次章では、実際にどのくらい節約できるのか具体的な金額モデルを見てみましょう。

4ナンバー化でどれだけ節約?実際の年間コスト比較モデル

では実際にどれくらいお得になるのか、モデルケースで比較してみましょう。

参考として、排気量1.5L・車重約1.45トンの自家用車(5ナンバー相当)を貨物登録に変更した場合の年間コストを計算します。
  • 乗用車(5ナンバー)として乗る場合
自動車税:約34,500円、重量税:約12,300円(年換算)、自賠責保険料:約10,000円(年換算)。
合計:約56,800円

  • 貨物車(4ナンバー)に変更する場合
自動車税:約8,800円、重量税:約6,600円(※年あたり)、自賠責保険料:約14,280円(12ヶ月分)。
合計:約29,680円

ご覧のとおり、4ナンバー化することで年間約27,000円ものコスト削減になります。割合にすると維持費がほぼ半分以下に下がる計算です。

たった年間数万円と思うかもしれませんが、5年乗れば累計で十数万円、10年なら数十万円規模の節約です。節約好きな方にとって、これは見逃せないメリットと言えるでしょう。

上記はあくまでモデルケースです。実際の税額は車両のエンジンや重量、初年度登録年(経年車重課税の有無)などで異なります。また、任意保険の保険料も車種や用途区分によって変動する場合があります。

4ナンバー化の条件と車種選びの注意点

① 車両サイズと排気量

ベースとなる車が全長4.7m・全幅1.7m・全高2.0m以内、排気量2.0L以下でなければ小型貨物(4ナンバー)として登録できません。

例えば車体が大きすぎるSUVやエンジン排気量が大きい車は、貨物用途でも1ナンバー(普通貨物)扱いになってしまいます。お手持ちの車がこのサイズ要件を満たしているか、まずチェックしましょう。

② 荷室スペースの確保

荷物を積むためのスペース(荷室)の広さが十分であることが絶対条件です。具体的には、荷室の床面積が1平方メートル以上あり、かつ荷室の広さが座席部分(運転席・助手席除く)よりも大きいことが求められます。

そのため、多くの場合は後部座席を取り外す格納する改造が必要になります。特に一般的な2列シート車(セダンやハッチバックなど)はリアシートを丸ごと外し、ミニバンなど3列シート車なら3列目シートを撤去するのが一般的です。

こうして座席定員を減らしてでも荷室スペースを稼ぐことが、4ナンバー化のポイントになります。

③ 車種ごとの注意点

車種によっては物理的に4ナンバーの条件を満たせない場合もあります。例えばセダンやクーペ型の車はトランクが独立しており荷室面積が小さいため、たとえ後席を取り外しても1㎡の平床面積を確保するのは困難です。

ハッチバックやステーションワゴン、ミニバンなど荷室と座席空間がつながっている車種が4ナンバー化の現実的な候補になります。

また、5人乗り→2人乗りに定員を減らすことになる点にも注意が必要です。貨物登録のためには「人を乗せる」用途をある程度犠牲にしなければならず、もとの乗用車としての利便性が損なわれる可能性が高い点は覚えておきましょう。

④ その他の改造点

車種によっては、単に座席を外すだけでなく仕切り板の設置や床板張りなどの加工が必要になるケースもあります。荷室の床面が凸凹している場合は平らな板を敷いて面積を稼ぐ、といった工夫をしている例もあります。

また取り外したシートやシートベルト車検に通らないよう確実に撤去することが重要です(ボルトやステーが残っていると減点になる可能性があります)。

改造の程度によっては構造変更ではなく「用途変更」(後述)扱いで済む場合もありますが、どちらにせよ車検場での検査官の判断によります。不安な場合は専門の業者や整備工場に相談すると良いでしょう。

4ナンバー化の手続きと必要書類(構造変更の方法)

「よし、自分の車を4ナンバーにしよう!」と決めたら、次は具体的な手続きです。乗用車を貨物車に変更するには、原則として構造等変更検査(いわゆる構造変更)を受けて車検証の内容を書き換える必要があります。ここからは4ナンバー化の手順と必要書類の概要を説明します。

構造変更検査とは?

構造変更とは、現在の車検証に記載された車両の構造や用途などを変更する際に行う特別な検査です。通常の継続車検よりチェック項目が多く、新たな車両状態で基準に適合しているかを審査します。

乗用車を4ナンバー(小型貨物)に変更する場合も、この構造変更手続きが必要です。具体的には改造後の車両を陸運支局(車検場)に持ち込み、書類審査と実車検査の両方に合格すれば、新たな種別(小型貨物)での車検証が発行されます。

手続きの流れ

1. 改造作業
まず前述の条件を満たすように車両を改造します。後部座席の取り外し床張りなど、自力でできない場合はカスタムに対応した整備工場に依頼しましょう。改造内容によっては強度計算書などの資料作成が必要になることもあります。


2. 必要書類の準備
構造変更申請に必要な書類を揃えます。主なものは「変更登録申請書(OCR用紙)」「現在の車検証」「自動車検査票」「改造箇所の概要を示す書類」「自動車損害賠償責任保険証明書」などです。

予備検査場で最大積載量を測定し、その証明書を提出するケースもあります。事前に最寄りの陸運局に問い合わせて必要書類を確認しておくと安心です。


3. 構造変更検査の受検
書類審査が通ったら、車両を陸運支局に持ち込んで検査を受けます。当日は重量計測や外観・寸法の確認、保安基準に適合しているかのチェックなどが行われます。

陸運局によっては検査官の裁量で合否が左右されることもあるため、不安な場合は改造に詳しい業者に同行・代行してもらうのが無難でしょう。


4. 車検証の交付・ナンバープレート交換
検査に合格すれば、新たに「小型貨物(4ナンバー)」としての車検証が交付されます。併せてナンバープレートも数字の組み合わせが変わり、「4」で始まる番号のものに交換となります。晴れて4ナンバー化完了です。

構造変更のタイミング

手続き上、現在有効な車検(継続検査証)は一旦打ち切られ、新しく車検を取り直す形になります。

そのため、車検残期間がある状態で構造変更すると従来の車検は無効になり、残り期間分の重量税や自賠責保険料は月割りで一部返金されます(ただし事務手数料等がかかる場合あり)。

逆に車検のタイミングで4ナンバー化するのが最も効率的でしょう。ちょうど車検更新時期にまとめて改造&構造変更を行えば、二度手間にならずスムーズです。

4ナンバー化した車を戻すことは可能?

最後に、一度4ナンバー化した車を元の乗用登録に戻すのは容易ではないと言われています。

構造変更自体は可能ですが、再度座席を取り付けて基準を満たす必要がある上、改造内容によっては元通りの快適な内装に復元するのが難しいケースもあります。

「やっぱり後部座席が必要だから元に戻したい」とならないよう、実施前に十分検討することが大切です。

どんな人におすすめ?4ナンバー化が向いている利用例

少人数&荷物が多いユーザー

普段から運転席と助手席しか使わないような方にとって、後部座席を取っ払って荷室を広げるメリットは大きいです。

たとえば夫婦二人や一人暮らしで車を使う場合、定員が減っても困らない一方、大きな荷物を積めるようになる利点は魅力でしょう。税金も大幅に安くなるため、少人数利用×節約志向の方にはピッタリです。

アウトドア・キャンプ好き

趣味でキャンプ釣りサイクリングなどを楽しむ方にも4ナンバー化はおすすめです。荷物が多く車中泊をすることもあるアウトドア派なら、広い荷室スペースはまさに理想的。

実際、個人で4ナンバーのバンを所有する人はアウトドア目的が多いとも言われています。テントやクーラーボックス、スポーツ用品など嵩張る道具もたっぷり積めて、さらに維持費も安ければ一石二鳥です。

副業や自営業で配送・運搬がある人

最近は個人がネットオークションやフリマアプリで商品を発送したり、知人の引っ越しを手伝ったりと、軽い運送業務を行うケースも増えています。

自営業の方で商品や機材の運搬がある人にも4ナンバー化は有効でしょう。例えばフリーランスのカメラマンが機材車としてワンボックスカーを貨物登録する、といった使い方です。

荷物の積載能力証明として車検証に「最大積載量○○kg」と記載される点も、業務で使うには心強いポイントです。

ただし運送業を本格的に行う場合は営業ナンバー(緑ナンバーや黒ナンバー)が必要になるため、あくまで副業レベル・自家用範囲で荷物運搬が多い人向けと言えます。

車中泊仕様や簡易キャンピングカーにしたい人

最近流行りのバンライフ(車中泊旅)を楽しみたい人にも4ナンバー化はおすすめです。車内にベッドキットを組んだりして簡易キャンピングカー化する際、後部座席を取ってしまった方がレイアウトの自由度が高まります。

どうせ座席を外すなら貨物登録にして税金も安くしてしまおう、という発想です。実際、車中泊愛好者の中にはハイエースやライトエースといったバンを4ナンバーで個人所有する方も少なくありません。趣味と実益を兼ねたカスタムと言えるでしょう。
以上のように、「人より荷物」「快適性よりコスパ」というニーズを持つ方には4ナンバー化がマッチします。一方で、日常的に家族や友人を乗せる機会が多い人、大人数で移動することがある人には向きません。自分のカーライフスタイルに合っているか、ぜひ一度考えてみてください。

4ナンバー化の注意点とデメリット

乗車定員が減る

繰り返しになりますが、貨物登録するには後部座席を使用不可にする必要があるため、多くの場合で定員が2名(運転席+助手席)に減少します。

たとえ2列目シートを残せる車種でも荷室面積の要件上、座席を起こした状態でリクライニングできなくなるなど実質的に快適に座れない場合がほとんどです。

家族やグループでの移動には明らかに不便になるため、「基本は一人か二人しか乗らない」という人以外には大きなハンデとなります。

毎年車検が必要

4ナンバー車(自家用小型貨物)の車検有効期間は新車登録後初回2年、以降は毎年1年ごとです。5ナンバー乗用車(新車3年、以降2年ごと)に比べて検査の頻度が高く、手間も増えます。

その都度ユーザー車検場に持ち込んだり整備工場に依頼したりする必要があり、「車検は2年に一度で十分」という人には煩わしく感じるでしょう。

ただし前述のとおり、毎年の車検でこまめに点検できること自体は車両コンディション維持にプラスとの見方もできます。費用面でも一度に大金がかからず計画的に支出できる利点があります。

とはいえ、時間的な負担は確実に増える点を考慮してください。

乗り心地・快適性の低下

貨物用途優先のため、シートアレンジや内装快適性が犠牲になります。具体的には「シートが減って車内がスカスカ」「後席を潰したため車内が騒音・振動でうるさく感じる」などの変化が起こりえます。

4ナンバー車は商用車ベースが多いことからサスペンションが硬めであったり、遮音・内装が簡素だったりする場合もあります。乗用車としての上質な乗り心地は損なわれる覚悟が必要です。また、任意保険の保険料が乗用車より上がる傾向がある点にも注意しましょう。

保険会社によっては貨物車扱いになることで料率が変わり、わずかに保険料が高くなるケースがあります(すべてではありませんが)。節約した税金分が保険で相殺…なんてことにならないよう、事前に保険会社へ問い合わせておくと安心です。

リセールバリューの低下

改造して貨物登録にした車は、将来手放す際に買い手を選ぶ可能性があります。元に戻せればいいのですが、前述のとおり簡単ではありません。

中古市場では「構造変更歴あり」「定員減少車」として評価が下がるケースも考えられます。特に人気のファミリーカーを4ナンバー化してしまうと、乗用用途で欲しい人には敬遠されるでしょう。

長く乗る前提なら問題ないですが、売却時の価値にも影響しうる点を頭に入れておきましょう。

まとめ:節約上手には魅力的!

自家用車の4ナンバー化について、2025年版の最新情報を交えて解説しました。

「乗せるより運ぶ!」という割り切りができる方にとって、4ナンバー化は年間数万円もの節約につながる魅力的な選択肢です。特に車の維持費を少しでも抑えたい人や、趣味・副業で荷物を運ぶ機会が多い人にはうってつけでしょう。
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