スズキ ハスラーの歴史。プロによる徹底解説

スズキ ハスラー Jスタイル ターボ 2020年

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軽クロスオーバーカテゴリーを牽引するスズキ ハスラーは、軽自動車販売の主力であるハイトワゴンとSUVを融合させた新しいジャンルのモデルとして、2014年1月に販売が開始されました。

軽ハイトワゴンの特徴である広い室内空間と日常での使いやすさと、アウトドアやスポーツなどのレジャーに活躍するデザイン、轍など起伏のある路面でも高い走破性を発揮する『アクティブなライフスタイルに似合う軽クロスオーバー』がコンセプトでした。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
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ハイトワゴンとSUVを融合させた新しいクロスオーバーとして2014年に登場
キープコンセプトながらクルマとして正常進化した2代目

ハイトワゴンとSUVを融合させた新しいクロスオーバーとして2014年に登場

クルマの骨格であるプラットフォームをワゴンRと共用した初代ハスラーのエクステリア(外観)は、SUV風に仕立てられると同時に、Aピラーを立ててルーフの長さと幅を確保することで、体感的にも視覚的にも広々とした室内空間を実現しました。

細部はメッキガーニッシュで周囲を装飾した丸型のヘッドランプ、シルバー塗装のバンパーガーニッシュを採用したバンパー、黒色のフェンダーアーチモール、サイドスプラッシュガードなどによって、SUVらしさを表現しています。

さらに軽自動車としては大径の15インチのホイールを採用することで実現した、180mm(4WD車は175mm)という最低地上高によって高いラフロード性能を予感させるものでした。

いっぽうインテリア(内装)デザインは、カラーパネルをパイプでつないだインパネ、インパネ同色のカラーパネルを採用したドアトリム、ヘッドランプのデザインと共通したイメージのエアコンルーバーリング、メーターリング、スピーカーリング、黒のシート表皮に車体色に対応した4色(オレンジ、ブルー、ピンク、ホワイト)のシートパイピング(一部グレードを除く)などにより、楽しさを演出しています。

快適装備も充実していて、一部グレードを除いて、運転席シートヒーターやヒーテッドドアミラー、リアヒーターダクトを装備しており寒冷地対策もバッチリです。
搭載エンジンは、658ccの直列3気筒自然吸気とターボ。一部グレードには、エネチャージや新アイドリングストップシステム“エコクール”といったスズキグリーンテクノロジーを採用し、優れた環境性能を実現しました。

組み合わされるミッションは、CVTを中心に自然吸気エンジン車には5速MTも設定。駆動方式は、全グレードに2WDと4WDが用意され、4WD車には滑りやすい急な下り坂で車速を制御するヒルディセントコントロールや、滑りやすい路面での発進時にエンジンやブレーキを効果的に制御するグリップコントロールを搭載していました。

また全車にフロントスタビライザーを採用するとともに、サスペンションのショックアブソーバーの味付けにもこだわり、安定感のあるハンドリングとクロスオーバーらしい乗り味を両立しています

気になる運転支援システムに関しては、CVTを採用するモデル(Aグレードを除く)に衝突被害軽減ブレーキのレーダーブレーキサポートをはじめ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、横滑り防止装置のESPをセットで標準装備していました。
最初のおおきな改良は2015年5月で、自然吸気エンジンのCVT車に搭載されていたエネチャージを、モーターアシストの時間と頻度を高めたSエネジャージに変更するとともに、エンジンの吸排気系などを見直すことで燃費性能を向上。

同年12月にはターボエンジン搭載車にもSエネチャージを搭載し、燃費性能を向上。上級グレードのXとXターボにステレオカメラによる衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備とし、商品力アップを図っています。

キープコンセプトながらクルマとして正常進化した2代目

2代目ハスラーは、2020年1月から販売が開始されました。

『もっと遊べる!もっとワクワク!!もっとアクティブな軽クロスオーバー』を商品コンセプトに開発された2代目は、ロングセラーとなった先代をうわまわる環境性能と魅力が与えられています。

基本のプラットフォームは、ワゴンRからスーパーハイトワゴンのスペーシアに変わり、バックドア、センターピラー、サイドドアは環状骨格構造を形成、スポット溶接部には構造用接着剤を用いるなど、ボディ全体の剛性を向上しました。

また、防音材や遮音材を最適に配置するとともに、こもり音や雨音を低減する高減衰マスチックシーラーを軽自動車で初採用。結果、軽自動車でトップレベルの操縦安定性と乗り心地、そして高い静粛性を実現しています。
エクステリアデザインは、大ヒットした先代のDNAを受け継ぎながら、エンジンフードを持ち上げることで厚みのあるフロントを形成。同時に立てたピラーとロングルーフによるスクエア型の大きなキャビンは、ピラーをボディ同色とし、ピラーの存在をしっかり見せることで、力強く、頑丈なイメージを持たせています。

インテリアは、インパネとドアトリムには、車体色に対応した3色(バーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイト)のカラーパネルを用い、シートは縞鋼板柄のシート表皮に、車体色に対応した3色(バーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイト)のカラーアクセントを採用するなど、“遊び心”を刺激する先進的でワクワクするデザインを採用しました。
搭載するエンジンは先代と同様、自然吸気とターボという構成ですが、自然吸気エンジンは新開発のR06D型に変更されました。

またミッションはCVTのみとなり、全車にマイルドハイブリッドを搭載することで、低速域から中高速域までの実用的な速度域で優れた燃費性能と軽快な走りを実現しています。

運転支援システムは、夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、機能が拡充。ターボ車には、高速道路でのドライバーの負担を軽減する、全車速での追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロール、そして車線逸脱抑制機能を標準装備しています。
初代モデルの大ヒットによって、軽クロスオーバーモデルのハスラーはスズキの軽自動車において、ワゴンR、スペーシアとともに販売台数の3本柱といえるモデルまで成長しました。

人気だけでなく高い実力を兼ね備えたハスラー。2代目ではボディ剛性の向上に、高い走行性能や安全性能に実現により、圧倒的な人気を獲得しています。
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