2代目スズキ ハスラーは自然吸気とターボで排気量が違うって知ってました?

スズキ ハスラー Jスタイル ターボ 2020年

同じ直列3気筒ながら自然吸気とターボという2種類のエンジンを搭載する2代目スズキ ハスラー(MR52S/MR92S型)。ターボエンジンは先代の改良版ですが、自然吸気エンジンとそれに組み合わされるミッションは新開発のものが採用されました。ここでは、現行型ハスラーに搭載されているパワートレイン、トランスミッションそして4WDシステムについてプロが解説します。

文・写真/萩原 文博

Chapter
エンジンは自然吸気とターボで排気量が異なる
2代目のミッションは新開発のCVTのみ
4WDはさまざまな機能で雪道でも強さを発揮

エンジンは自然吸気とターボで排気量が異なる

現行型となる2代目スズキ ハスラーに搭載されるエンジンは、ターボがR06A型、自然吸気がR06D型という2種類が用意されました

自然吸気エンジンのR06D型は657cc、ターボのR06A型は658ccと排気量が異なります。スペックは、自然吸気(R06D型)が最高出力36kW(49ps)/6,500rpm、最大トルク58Nm/5,000rpm、ターボ(R06A型)が最高出力47kW(64ps)/6,000rpm、最大トルク98Nm/3,000rpmというもの。

どちらのエンジンにもISGと呼ばれるモーター機能付き発電機が搭載され、加速時にはモーターがエンジンをアシストし、スムーズな加速と燃費向上を実現。とくにターボエンジンは、大人4人が乗ってもパワフルな走りと優れた燃費性能を両立しています。

いっぽう新開発のR06D型自然吸気エンジンは、高い熱効率を実現するために、スズキの軽自動車では初となるデュアルインジェクションシステムとクールドEGRを採用。このデュアルインジェクションシステムとは、1気筒あたり2つのインジェクターで燃料を微粒子化することで、混合気を均一化させ燃焼効率を高める技術。いっぽうのクールドEGRは排出するガスを冷却し、燃焼室に再循環させることで、従来型よりEGRガスを導入し燃焼温度を抑えることができる技術です。

さらに急速燃焼や高圧縮比によって、高い環境性能を実現しました。

その結果、WLTCモードで23.4~25.0km/Lという軽自動車でもトップレベルの燃費性能を達成しています。ちなみにターボ車のWLTCモード燃費は、20.8~22.6km/Lとなっています

2代目のミッションは新開発のCVTのみ

先代では、マニュアルミッション車も用意されていたハスラーですが、2代目に進化するにあたりトランスミッションは、すべて新開発のCVTに置き換わりました。

新開発のCVTは、オイルポンプの仕事量低減を実現した2ポートオイルポンプをはじめ、フリクションを低減した高効率ベルト。さらにエンジンの低回転域の大きな回転変動を吸収できるトルクコンバーター低剛性ダンパーを採用など、静粛性、燃費性能の向上に貢献しています。

またターボ車にはエンジンとCVTの制御変更に加えて、モーターアシストのトルクをアップさせ、力強い加速性能を実現するパワーモードを搭載しています。

4WDはさまざまな機能で雪道でも強さを発揮

現行型ハスラーは全モデルに2WD(FF)車と、通常走行時では前輪に駆動力を配分し、滑りやすい雪道などでは前後輪に最適に駆動力を配分する4WD車を用意しています。

この4WD車には、雪道やアイスバーンでタイヤの空転を抑えるスノーモードをはじめ、ぬかるみなど滑りやすい路面で片輪が空転した場合に、空転が発生したタイヤのブレーキ制御を行い、空転していないタイヤに駆動力を集中させて発進をサポートするグリップコントロール

急な下り坂で、ブレーキペダルを踏まなくても自動的に車速を7km/hにコントロールするヒルディセントコントロールなどを装備し、どんな路面状況でも高い走行安定性を発揮します。

マイルドハイブリッドシステムを採用し、軽自動車でもトップレベルの燃費性能を実現した2代目ハスラー。

クロスオーバーモデルとして4WDシステムも本格的なものに近づいており、“なんちゃってSUV”とはいわせない実力を備えています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博