ザ・ビートルをライバル「BMW ミニ」と徹底比較!リバイバルカー対決

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フォルクスワーゲンタイプ1をモチーフに、現代テイストで仕上げられたザ・ビートルはリバイバルカーと言えるモデルです。

近年はこういったリバイバルカーと言えるモデルは多くのクラスで存在しています。その中からザ・ビートルのライバルといえる存在をピックアップし、徹底比較してみました。

文・西川昇吾


西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
ライバルはBMWミニ
両車のメカニズムをチェック

ライバルはBMWミニ

ザ・ビートルのライバルと言えるモデルはBMWによって現代に復活を遂げたミニと言えます。それぞれリバイバルのモチーフとなったモデルが長期間生産された大衆車という点や、2000年前後に現代に復活した(先代モデルであるニュービートル)といった各種背景も似通っています。

今回はザ・ビートルと年代が近い2013年に発表された3代目ミニと比較、数多くのボディバリエーションを誇るミニの中でも、最もベーシックである3ドアハッチバックを比較対象として選びました。

ザ・ビートル
全長4,285mm全幅1,815mm全高1,495mm
ホイールベース:2,535mm

ミニ
全長3,835mm全幅1,725mm全高1,415mm
ホイールベース:2,495mm
ボディサイズで見るとザ・ビートルの方が大きく造られていることが分かります。これに関してはメカニズム的な理由というよりは、モチーフとなるモデルの基本デザインが影響しているのが理由です。いわばリバイバルカーの宿命と言える点でしょう。

初代ミニ、通称クラシックミニはコンパクトなボディサイズでありながら、大人4人と荷物がしっかりと積めることが求められていました。そのような背景から当時珍しかったFFレイアウトを採用し、スペースの効率化を実現しています。

ザ・ビートルのモチーフとなったタイプ1は大人4人と荷物が積める実用車である点は変わりませんが、設計時期がクラシックミニよりも古く、メンテナンス性に優れた設計を配慮したためRRレイアウトが採用されました。

また、高速走行時の空気抵抗の軽減が求められたのもタイプ1のボディ形状に影響しています。このようなモチーフとなったモデルの基本的な形がボディサイズに影響しているのです。

両車のメカニズムをチェック

リバイバルカーと言っても、両車は走りのメッカとも言えるドイツ生まれのモデルです。カッコだけでなく走りの部分も期待してしまう人もいることでしょう。まずはそれぞれのスペックをベースグレードで比較してみます。

ザ・ビートル
1.2L 4気筒ターボ+7速DSG
最高出力:77kW(105PS)/5,000rpm
最大トルク:175Nm/1,500-4,100rpm
車両重量:1,300kg 

ミニ
1.3L 3気筒ターボ+6速AT
最高出力:100kW(136PS)/4,400rpm
最大トルク:220Nm/1,250-4,300rpm
車両重量:1,200kg

スペック上ではミニの方が1枚上手という結果になりました。これはミニが2013年の登場当時、新開発となるパワーユニットを搭載したというのが大きいでしょう。ザ・ビートルも低回転トルクと燃費性能に優れた直噴ターボのTSIエンジンを搭載していますが、ミニはより低回転トルクを増加させるのに適している3気筒エンジンを採用しています。
ザ・ビートルに軍配が上がるポイントとしてはトランスミッションが挙げられるでしょう。ザ・ビートルはさほどスポーツを意識したモデルではありませんが、ベースグレードでもスポーツカーなどで採用されるデュアルクラッチトランスミッションを採用しています。

伝達ロスが少なく、マニュアル車のようにドライバーの意思を尊重した変速も可能なこのミッションならば、マニュアルモードで楽しく変速することも可能です。
時代に合った新しいモデルはどちらか?という点で言えば間違いなくミニに軍配が上がります。パワーユニットが新世代のものであるほか、先進運転支援システムの装備が充実している点を見るとミニの方が新世代のモデルであることを感じさせます。
 
ザ・ビートルの方が優れている点はトランスミッションでしょう。フォルクスワーゲンのお家芸とも言えるデュアルクラッチトランスミッションは、通常時はオートマチック同様にイージードライブが可能でありながら、ワインディングなどでは素早い変速とダイレクトなドライブフィールを楽しむことが可能です。
リバイバルカーは数多く存在しますが、モチーフとなる祖先がこれほど偉大なモデルなのはこの2車種以外に存在しないでしょう。それぞれ個性が強く、ターゲット層が似通っている訳ではないので、直接的なライバルと言うにはいささか疑問に感じる人もいるかもしれません。

しかし、両車を見比べてみればその偉大なる祖先の個性や特徴も見えてくるものです。そのような点がリバイバルカーの面白いところと言えます。
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