MINI 3代目ミニ 3ドア(F56型)の前期と後期の違いを徹底解説! デザイン・性能ともに進化を遂げている?
更新日:2024.09.09
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今回は、ミニ 3ドア(F56型)のモデルチェンジ前後の違いについて紹介していきます。
初代MINI(いわゆるクラシックミニ)は1959年に登場しましたが、BMCからBMWになった際に世代数がリセットされ、現在は3代目となりました。モデルチェンジするたびに変わった部分もあれば、変わらない良さもあります。
どこが変わり、どこが受け継がれたのか?脈々と受け継がれるMINIの魂と、時代に合わせて変わる良さを紹介していきましょう。
初代MINI(いわゆるクラシックミニ)は1959年に登場しましたが、BMCからBMWになった際に世代数がリセットされ、現在は3代目となりました。モデルチェンジするたびに変わった部分もあれば、変わらない良さもあります。
どこが変わり、どこが受け継がれたのか?脈々と受け継がれるMINIの魂と、時代に合わせて変わる良さを紹介していきましょう。
ミニ 3ドア(F56型)はどんなクルマ?
モデルチェンジ前後の違いについて語る前に、まずはミニ自体について解説していきます。
はじめて登場したのは、1959年のこと。当時の人々を驚かせたのは、まずボディのコンパクトさです。それでいて居住性が保たれており、足元の空間等が外見からは想像できないほどに確保されていました。
それは、BMCが掲げた人中心の設計という思想に理由があります。当然ですが、クルマは人が座る乗り物です。人を運ぶものであるからには、人が快適に利用できなければなりません。そこでまず人が快適に座れることを優先し、人の周囲を取り囲む空間がどれだけあれば良いのかを考えたうえで、シートやインテリア(内装)をデザインします。
それを取り囲むようにしてボディやエクステリア(外装)のデザインをする、というような考え方です。
人を中心としてボディ形状を考えた結果、小径タイヤを車体の四隅に追いやるように配置しています。これが、今日まで受け継がれている「ゴーカート・フィーリング」という独自の走行感覚につながっているんです。
転機となったのが、1994年、BMWがローバーを傘下におさめたことです。この影響でBMCのミニは2000年に生産終了となりました。
それが2000年に復活したのが、現在のBMWによる"MINI"です。
おおまかなミニの歴史は以上の通りですが、BMWのミニも3代目になって久しいと言えます。それでは、モデルチェンジ前後で何が変わったのでしょうか? デザイン、スペックなどそれぞれ詳しく見ていきましょう。
はじめて登場したのは、1959年のこと。当時の人々を驚かせたのは、まずボディのコンパクトさです。それでいて居住性が保たれており、足元の空間等が外見からは想像できないほどに確保されていました。
それは、BMCが掲げた人中心の設計という思想に理由があります。当然ですが、クルマは人が座る乗り物です。人を運ぶものであるからには、人が快適に利用できなければなりません。そこでまず人が快適に座れることを優先し、人の周囲を取り囲む空間がどれだけあれば良いのかを考えたうえで、シートやインテリア(内装)をデザインします。
それを取り囲むようにしてボディやエクステリア(外装)のデザインをする、というような考え方です。
人を中心としてボディ形状を考えた結果、小径タイヤを車体の四隅に追いやるように配置しています。これが、今日まで受け継がれている「ゴーカート・フィーリング」という独自の走行感覚につながっているんです。
転機となったのが、1994年、BMWがローバーを傘下におさめたことです。この影響でBMCのミニは2000年に生産終了となりました。
それが2000年に復活したのが、現在のBMWによる"MINI"です。
おおまかなミニの歴史は以上の通りですが、BMWのミニも3代目になって久しいと言えます。それでは、モデルチェンジ前後で何が変わったのでしょうか? デザイン、スペックなどそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ミニ 3ドア(F56型)と先代のデザインの違い
3代目ミニ 3ドア(F56型)の先代のデザインは、BMC時代のミニを思わせるレトロなものとなっています。大きく丸いフロントライトに、半円とも楕円とも言えるような独特なグリル形状が印象的です。1959年に発売された当初も、このような丸みを帯びたライトと半円型のグリル形状をしていました。
どことなくクラシックカーのようなデザインが、マニア心をくすぐるのではないでしょうか。
どのクルマにも似たことが言えますが、特定の車種の往年のファンは原点回帰を求める傾向があります。原理主義的な考え方ではあるものの、やはり各々の心の中にある「あの頃のクルマ」「あの頃のミニ」というのは、何物にも代えがたいものでしょう。
BMC時代も世代ごとにデザインが変わっているものの、大まかには上述のような特徴を備えています。多くの世代のファンにとっての原典ともなる、ファン向けのデザインだと言えるのではないでしょうか。
一方、3代目ミニ 3ドア(F56型)は、少し雰囲気が変わっています。丸々としたライト形状は引き継いでいるものの、ライトの見た目自体が変わっているのです。現代的なLEDが印象的で、光が輪のように輪郭を形作っています。白く光る円の中心にライトが見えるその様は、まるで人の眼球のようです。
グリルは半円というより楕円に近くなり、グリルの周囲にはヒゲのような太い線が入っているように見えます。
さらに、アッパーグリルとロアグリルがひと枠のフレームで囲まれている一体型となっているのも、先代から変わった点です。先代は2つのフレームで囲まれ、完全に分けられていました。フレームの線ももう少し細いように感じられます。
アッパーグリルとロアグリルの中央にある横桟も、先代より太くなっているようです。全体的に線が太くなって輪郭がハッキリしたことにより、レトロ風でありながらも現代チックな印象を与えてくれます。
原典の要素も入れつつ、新しくするという難しいデザインです。
どことなくクラシックカーのようなデザインが、マニア心をくすぐるのではないでしょうか。
どのクルマにも似たことが言えますが、特定の車種の往年のファンは原点回帰を求める傾向があります。原理主義的な考え方ではあるものの、やはり各々の心の中にある「あの頃のクルマ」「あの頃のミニ」というのは、何物にも代えがたいものでしょう。
BMC時代も世代ごとにデザインが変わっているものの、大まかには上述のような特徴を備えています。多くの世代のファンにとっての原典ともなる、ファン向けのデザインだと言えるのではないでしょうか。
一方、3代目ミニ 3ドア(F56型)は、少し雰囲気が変わっています。丸々としたライト形状は引き継いでいるものの、ライトの見た目自体が変わっているのです。現代的なLEDが印象的で、光が輪のように輪郭を形作っています。白く光る円の中心にライトが見えるその様は、まるで人の眼球のようです。
グリルは半円というより楕円に近くなり、グリルの周囲にはヒゲのような太い線が入っているように見えます。
さらに、アッパーグリルとロアグリルがひと枠のフレームで囲まれている一体型となっているのも、先代から変わった点です。先代は2つのフレームで囲まれ、完全に分けられていました。フレームの線ももう少し細いように感じられます。
アッパーグリルとロアグリルの中央にある横桟も、先代より太くなっているようです。全体的に線が太くなって輪郭がハッキリしたことにより、レトロ風でありながらも現代チックな印象を与えてくれます。
原典の要素も入れつつ、新しくするという難しいデザインです。
ミニ 3ドア(F56型)と先代のスペックの違い
先代のミニは、最高出力88kW(120ps)/6,000rpm、最大トルク160Nm/4,250rpmの1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載していました。
トルクが大きく、比較的高回転域から力を発揮するタイプとなっています。最高出力は日常使いでは過不足無くといったところでしょうが、ミニにスポーティさを求める人には少し物足りない性能です。JC08モード燃費は16.8km/Lとなっています。
今度は、先代「クーパーS」を見てみましょう。
最高出力は128kW(175ps)/5,500rpm、最大トルク240Nm/1,600~5,000rpmの1.6L直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載しています。JC08燃費は14.4km/Lです。通常のミニとは打って変わって、スポーツタイプらしさが出ていると言えるでしょう。
最大トルクが240Nmとなり、低回転からパワーを出してクルマを引っ張ってくれます。高回転域になるとターボの本領発揮、加速力を遺憾なく発揮してくれるでしょう。
一方、現行型の「クーパー」は最高出力100kW(136ps)/4,500rpm、最大トルク220Nm/1,480~4,100rpmの1.5L3気筒DOHCツインパワーターボエンジンを搭載しています。JC08燃費は18.0km/Lです。
スタンダードな「クーパー」の時点で、既にスポーティな走りができるようになっています。ターボエンジンを標準搭載にしたことにより、低回転域からパワーで引っ張り、中~高回転域で加速性能を十分に発揮するというシームレスな加速感が生まれました。それでいて燃費が先代より向上しています。
それでは、「クーパーS」を見てみましょう。
「クーパーS」は、最高出力141kW(192ps)/5,000rpm、最大トルク280Nm/1,350^4,600rpmの4気筒DOHCツインパワーターボエンジンを搭載しています。JC08燃費は16.6km/Lです。
気筒数が増え、最高出力・最大トルクともに向上しています。その分燃費は控えめであるものの、先代の「クーパーS」とほぼ同等です。
このように比較してみると、ミニの進化がよくわかります。
初代から燃費性能が向上した2代目、2代目から走行性能・燃費性能ともに向上した3代目。
代替わりのたびにしっかり進化していることと、進化に方向性を持たせていることがわかるのではないでしょうか。
特に燃費に関しては、時代とともに性能向上が求められてきた部分です。先代が出た2007年あたりは、特に燃費・環境性能の高いクルマが人気になっていました。
2010年代の後半頃からは原点回帰的にクルマとしての走る楽しさや利便性を求める声が上がりつつ、燃費も大事という認識が広がってきています。
BMWのMINIというシリーズは、時代に適応しているということです。
トルクが大きく、比較的高回転域から力を発揮するタイプとなっています。最高出力は日常使いでは過不足無くといったところでしょうが、ミニにスポーティさを求める人には少し物足りない性能です。JC08モード燃費は16.8km/Lとなっています。
今度は、先代「クーパーS」を見てみましょう。
最高出力は128kW(175ps)/5,500rpm、最大トルク240Nm/1,600~5,000rpmの1.6L直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載しています。JC08燃費は14.4km/Lです。通常のミニとは打って変わって、スポーツタイプらしさが出ていると言えるでしょう。
最大トルクが240Nmとなり、低回転からパワーを出してクルマを引っ張ってくれます。高回転域になるとターボの本領発揮、加速力を遺憾なく発揮してくれるでしょう。
一方、現行型の「クーパー」は最高出力100kW(136ps)/4,500rpm、最大トルク220Nm/1,480~4,100rpmの1.5L3気筒DOHCツインパワーターボエンジンを搭載しています。JC08燃費は18.0km/Lです。
スタンダードな「クーパー」の時点で、既にスポーティな走りができるようになっています。ターボエンジンを標準搭載にしたことにより、低回転域からパワーで引っ張り、中~高回転域で加速性能を十分に発揮するというシームレスな加速感が生まれました。それでいて燃費が先代より向上しています。
それでは、「クーパーS」を見てみましょう。
「クーパーS」は、最高出力141kW(192ps)/5,000rpm、最大トルク280Nm/1,350^4,600rpmの4気筒DOHCツインパワーターボエンジンを搭載しています。JC08燃費は16.6km/Lです。
気筒数が増え、最高出力・最大トルクともに向上しています。その分燃費は控えめであるものの、先代の「クーパーS」とほぼ同等です。
このように比較してみると、ミニの進化がよくわかります。
初代から燃費性能が向上した2代目、2代目から走行性能・燃費性能ともに向上した3代目。
代替わりのたびにしっかり進化していることと、進化に方向性を持たせていることがわかるのではないでしょうか。
特に燃費に関しては、時代とともに性能向上が求められてきた部分です。先代が出た2007年あたりは、特に燃費・環境性能の高いクルマが人気になっていました。
2010年代の後半頃からは原点回帰的にクルマとしての走る楽しさや利便性を求める声が上がりつつ、燃費も大事という認識が広がってきています。
BMWのMINIというシリーズは、時代に適応しているということです。
ミニ 3ドア(F56型)が先代から引き継いでいるものとは
ミニは、モデルチェンジでデザイン・性能ともに変わっていると語ってきました。しかし、ミニは変わらない良さもあることで人気のクルマです。当然、先代から受け継いでいる部分もあります。
代表的なのは人中心の設計をしていることと、ゴーカートフィーリングという走り心地でしょう。
人中心の設計に関しては、インテリアの足元空間によく表れています。写真を見るだけでもわかるかもしれませんが、シートの下に少し隙間があり、後部座席に座っていても足元が狭くなりすぎないように工夫されているのです。
ゴーカートフィーリングはもともと副産物的なものでしたが、この独特な走行感覚が支持を集めるようになって明らかにメーカーも推してきています。公式のページにも大きく掲げられている、先代からどころかBMC時代の初代からずっと進化しつつ受け継がれている部分です。
それでは、ゴーカートフィーリングとはそもそも何なのでしょうか。
ゴーカートといえば、サーキットを走るクルマのことです。レーシングカーの入門的なカテゴリだと認識していれば、間違いではありません。近年ではレンタルカートといって、郊外等にサーキットを構え一般客が手軽に楽しめるようになっています。
車体にエンジンとシャフトが直結された構造で、サスペンションもありません。タイヤも小さいのでステアリングを少し切れば、クルマの向きが大きく変わります。走ることを優先し、路面を這うようにして軽快かつ爽快に走ることができるのが魅力です。
乗用車とかけ離れた、レーシングカーのような感覚ということ。
小さいボディで室内を広くするというコンセプトから、ミニはトレッドを広く、オーバーハングを小さく、タイヤを小さくしました。そして小さなタイヤが四隅に追いやられるように配置されています。
このように、ミニにはゴーカートとの共通点が多いのです。
偶然生まれたこの楽しい感覚を大事に受け継いでいるのが、MINIの最大の特徴と言っても良いでしょう。
代表的なのは人中心の設計をしていることと、ゴーカートフィーリングという走り心地でしょう。
人中心の設計に関しては、インテリアの足元空間によく表れています。写真を見るだけでもわかるかもしれませんが、シートの下に少し隙間があり、後部座席に座っていても足元が狭くなりすぎないように工夫されているのです。
ゴーカートフィーリングはもともと副産物的なものでしたが、この独特な走行感覚が支持を集めるようになって明らかにメーカーも推してきています。公式のページにも大きく掲げられている、先代からどころかBMC時代の初代からずっと進化しつつ受け継がれている部分です。
それでは、ゴーカートフィーリングとはそもそも何なのでしょうか。
ゴーカートといえば、サーキットを走るクルマのことです。レーシングカーの入門的なカテゴリだと認識していれば、間違いではありません。近年ではレンタルカートといって、郊外等にサーキットを構え一般客が手軽に楽しめるようになっています。
車体にエンジンとシャフトが直結された構造で、サスペンションもありません。タイヤも小さいのでステアリングを少し切れば、クルマの向きが大きく変わります。走ることを優先し、路面を這うようにして軽快かつ爽快に走ることができるのが魅力です。
乗用車とかけ離れた、レーシングカーのような感覚ということ。
小さいボディで室内を広くするというコンセプトから、ミニはトレッドを広く、オーバーハングを小さく、タイヤを小さくしました。そして小さなタイヤが四隅に追いやられるように配置されています。
このように、ミニにはゴーカートとの共通点が多いのです。
偶然生まれたこの楽しい感覚を大事に受け継いでいるのが、MINIの最大の特徴と言っても良いでしょう。
MINIクーパーはモデルチェンジによって姿かたちを細かく変え、スペックも変わっています。変わった部分は変化とも言えますし、進化とも言えるでしょう。
しかし、MINIの根底にある大事な部分はしっかりと受け継いでいっています。
そこが、MINIが愛され続ける理由だと言えるのではないでしょうか。
※2021年7月現在
しかし、MINIの根底にある大事な部分はしっかりと受け継いでいっています。
そこが、MINIが愛され続ける理由だと言えるのではないでしょうか。
※2021年7月現在