ホンダ 10代目シビックの特別仕様車「タイプR・リミテッドエディション」を解説|標準仕様車との違いは?(FC/FK型)

ホンダ 10代目シビック

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今回は、ホンダ 10代目シビック(FC/FK型)の特別仕様車について紹介していきます。

シビックと言えばハッチバックとセダンを思い浮かべる人がいるでしょうが、特別仕様車のベースとなっているのは、スポーツタイプの「タイプR」というモデルです。一般的なシビック・ハッチバックやセダンとは異なる特徴を持っています。

そんな「タイプR」の特徴や、特別仕様車「タイプR・リミテッドエディション」の特徴を紹介していきましょう。

文/吉田 恒道

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
ホンダ 10代目シビックってどんなクルマ?
ホンダ 10代目シビック「タイプR」とはどういうモデルなのか
ホンダ 10代目シビックの特別仕様車「タイプR・リミテッドエディション」とは?
ホンダ 10代目シビックの特別仕様車のエクステリア
ホンダ 10代目シビックの特別仕様車のインテリア
ホンダ 10代目シビックの特別仕様車の主要装備
ホンダ 10代目シビックの特別仕様車はとことんスポーティ!

ホンダ 10代目シビックってどんなクルマ?

ホンダ シビックは、1972年7月にデビューしたクルマです。

軽自動車「N360」の成功をきっかけに、より四輪車市場に強く打って出るためのモデルでした。

日本国内だけでなく、海外市場も視野に入れられており、現在も北米を中心として海外で根強い人気があるクルマです。

日本国内ではすっかり懐かしいクルマになってしまいましたが、海外の一部地域では未だに「ホンダと言えばシビック」と言われています。

シビックが愛されてきた理由は、さまざまです。

まず、デザイン。シンプルながらに洗練されたシルエットやフェイスが印象的で、時代に合わせたデザインにしている点も好印象です。

続いて、走りの楽しさ。シビックは環境性能の高さと走行性能の高さを両立させたクルマとして、昔から人気があります。環境性能が高くなったのは1973年12月、独自の抵抗が陰人を積んだ「CVCC」を発表して以降のことです。同時にエンジンが1.2Lから1.5Lになり、走りの楽しさもアップしました。
また、人中心に設計されており室内空間が広々としているように感じるところもシビックの魅力です。

シビックは、ホンダのクルマづくりの特徴が全て盛り込まれているようなクルマだと言えるのではないでしょうか。やはり、シビックはホンダの代名詞だと言わざるを得ません。

ホンダ 10代目シビック「タイプR」とはどういうモデルなのか

ホンダ シビック「タイプR」は、シビックのスポーツモデルに位置するクルマです。スポーツモデルが持て囃されていた1970年代。スポーツモデル需要に対応するため、1974年に「シビック1200RS」というモデルがラインナップに加わりました。この流れに続いているのが、「タイプR」です。

「タイプR」の初代は、1997年8月22日6代目シビックとなっています。当時のエンジンは136kW/8,200rpmのB16B型となっており、スマートに走るところから支持されていました。
10代目シビックにラインナップされている「タイプR」は、5世代目となっています。

2017年1月13日の東京オートサロン2017で、セダンやハッチバックと一緒に日本初披露されました。

実はこれまでの「タイプR」は、ノーマルのシビックをベースとして後付で性能強化を行うというものだったのです。

しかし、第5世代目は設計段階からノーマルのシビックと「タイプR」とを同時開発しており、後付では無くなっています。

それでも互いに歩み寄るように、ノーマル車の走行性能もレベルアップし、「タイプR」の実用性もアップしたという形になっているのです。

ホンダ 10代目シビックの特別仕様車「タイプR・リミテッドエディション」とは?

ホンダ シビック特別仕様車「タイプR・リミテッドエディション」は、10代目シビックの「タイプR」販売終了に先駆けて発売された限定生産モデルです。

国内200台限定で販売され、即日完売という結果になりました。欲しかったけど買えなかった、という人も少なからずいるのではないでしょうか。

通常の「タイプR」と比べて軽量化されています。

鍛造アルミホイールに加え、防音材などを中心として徹底的に軽くしてあるのです。主な項目は、ルーフライニング防音材、リアインサイドパネル防音材、ダッシュボードアウター防音材、フロントフェンダーエンクロージャーとなっています。

さらに、専用のホイール&タイヤが履かされています。

BBS社と共同開発した、専用20インチ鍛造アルミホイールです。20インチは、日本のクルマとしてはとても大きいサイズだと言えます。日本車は18インチあれば、大きい方でしょう。

そのうえ、ハイグリップタイヤの「ミシュラン パイロットスーツCup2」を採用しています。これはサーキットで優れた性能を発揮してくれるものです。これにより、走りがさらに好戦的で楽しくなっています。ホイールとタイヤが変わるだけで、走り心地は大きく変わるのです。

ホンダ 10代目シビックの特別仕様車のエクステリア

ホンダ シビック特別仕様車「タイプR リミテッドエディション」は、エクステリア(外装)もベース車から変更されています。

まず目を引くのが、ボディカラーです。サンライトイエロー㈼という名前になっています。サンライトイエローは、「タイプR」にとっての伝統色です。これを特別仕様車のボディカラーとするのは、ファンの心に寄り添った結果だと言えるでしょう。

さらに、ルーフとドアミラー、エアインテークにはブラックの専用塗装が施されています。サンライトイエローだけではなく黒が随所に使われることにより、メリハリが生まれている良いカラーリングです。

フロントライトの吊り目がかった形状を含めたフロントマスクとこのカラーリングが合わさると、まるで好戦的なスズメバチのよう。好戦的なシビックのイメージにはぴったりではないでしょうか。

リアは威嚇しているオオスズメバチのようなデザインです。フロントとリアとで二面性があるように感じるのも、「タイプR リミテッドエディション」の面白いところでしょう。

左にはCIVICのロゴ、右にはTYPE Rのロゴがあります。

ホンダ 10代目シビックの特別仕様車のインテリア

ホンダ シビック特別仕様車「タイプR リミテッドエディション」のエクステリアは黄色が目立つ印象がありましたが、インテリア(内装)は赤と黒が目立ちます。

ステアリングホイールはタイプR専用のアルカンターラ製です。内側に赤地が使われており、外側に黒地が使われているのが印象的。赤と黒の組み合わせがあると、スポーティさが強調されるという効果があります。

フロントシート(前席)は、バケットタイプのHonda TYPE Rシートです。背もたれが固定式でホールド性が高いものを、バケットシートと呼びます。競技用の自動車の多くに装着されるもので、スポーツモデルの特別仕様車といえども市販車で標準搭載されるのは少し珍しいです。

体をガッチリとホールドしてくれるので、コーナリング時に横Gがかかっても安心。加速Gがかかっても、体に負担がかかりづらくなっています。

カラーリングは、赤を基調としつつサポート部に黒を使用するスポーティな組み合わせです。

ホンダ 10代目シビックの特別仕様車の主要装備

ホンダ シビック特別仕様車「タイプR リミテッドエディション」には、さまざまな装備があります。

まず、シフトノブは新開発のアルミ製です。ティアドロップ形となっており、握りやすさと高級感があります。

排気に関しては大流量トリプルエキゾーストシステムが採用され、見た目も少し派手です。大流量なのでしっかりと排気され、見た目にも実用にも効果が大きい装備となっています。

フロントグリルは大型のもので威圧的ですが、冷却性能を高める効果もあるようです。このように、デザイン性と実用性とがうまく噛み合っているのも「タイプR リミテッドエディション」の魅力だと言えるでしょう。

さらに、Honda SENSINGを標準装備しています。

アダプティブクルーズコントロール(ACC)があり、ブレーキとアクセル操作を肩代わりしてくれるので高速道路の走行が楽です。安全運転のため、周囲の状況確認に集中することができるのも良いところ。

他にも車線維持支援システム、先行車発疹お知らせ機能、歩行者自己低減ステアリングなどさまざまな先進安全装備が搭載されています。

ホンダ 10代目シビックの特別仕様車はとことんスポーティ!

ホンダ シビック特別仕様車「タイプR リミテッドエディション」は、とにもかくにもスポーティさを追求したモデルです。

エンジンは最高出力235kW(320PS)/6,500rpm、最大トルク400Nm/2,500~4.500rpmの2.0L VTEC TURBOエンジンという本気っぷり。ブレーキはBrembo社製2ピースディスクブレーキで制動性を高め、SPORTモードよりも走りを楽しみやすくなる+Rモードまで搭載しています。

それでいて燃費性能が13.0km/Lというのが、良いところです。走行性能が高いのはもちろん、環境性能も悪くなりすぎないようにおさえられています。
ホンダ シビックはあまりにも本気なのでレース用と錯覚してしまいそうですが、一般車のスポーツモデルという立ち位置を崩していないのが好印象です。

エクステリア・インテリアから走行性能、装備にいたるまで全てが特別。すでに販売終了していますが、中古市場に出回るようになればチェックしてみてはいかがでしょうか。

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