日産 セレナ(C27型) e-POWERの乗り味を試乗レビュー【プロ徹底解説】

日産 セレナ e-POWER ハイウェイスターV(C27)

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スムーズな加速と優れた燃費性能を両立したパワートレイン”e-POWER”を搭載し、ミニバン販売台数No.1に輝いた日産 セレナ(C27型)。

発売以来、何度かのマイナーチェンジを行い、安全性能にも磨きを掛けています。

ここでは、2020年に安全性能の改良を受けた最新モデルの人気グレード、e-POWER ハイウェイスターにプロが試乗して良い点と改善点を探ります。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
出遅れたセレナを救ったe-POWERの存在
モーター特有の加速と静かさがセレナ e-POWERの魅力
高めの車両販売価格が気になる

出遅れたセレナを救ったe-POWERの存在

日産、トヨタ、ホンダの三つ巴となっている激戦の2リッタークラスミニバン。それぞれのデビュー年度は、トヨタのノア/ヴォクシー/エスクァイアが2014年、そしてホンダ ステップワゴンの2015年に対し、日産 セレナは2016年と、もっとも後発のモデルとなります。

そのためライバル車を徹底的に研究し、広い室内空間、デュアルバックドアなどライバルを凌ぐ使い勝手と魅力で市場に打って出ました。ところが、当初よりハイブリッド車を設定したライバルに対し、セレナは,2.0Lのスマートシンプルハイブリッド車しかなく、その点で若干のマイナスがありました。

しかし2018年2月、エンジンで発電を行いモーターを駆動して走行するシリーズハイブリッドのe-POWERを追加

発進時から最大トルクを発生するe-POWERは、乗車人数によって重量の変動がおおきなミニバンにはとても有効なシステムで、多人数乗車となってもスムーズな加速が味わえるのが特徴。セレナの販売台数増に大きく貢献しました。

モーター特有の加速と静かさがセレナ e-POWERの魅力

今回試乗したセレナは、エアロパーツをまとった売れ筋のe-POWER ハイウェイスターVで、車両本体価格は358万2700円です。

ハイウェイスター専用に味付けされたサスペンションとオプションの16インチタイヤの乗り味は、非常にフラットで安定感が高いのが特徴です。

試乗は、1人もしくは2人乗車でしたが、低回転から325Nmという大トルクを発生するモーターにより、非常にスムーズな加速を実現しています。アクセルペダルの踏み具合によってモーターの回生力も制御できるので、ガソリン車から乗り換えても不自然さは感じられません。

さらに魅力なのは高い静粛性です。電力を発生させるために1.2Lエンジンを搭載していますが、一般的なガソリン車とは異なり、エンジン音の車内への侵入はかなり抑えられており、1列目と2列目はもちろん、1列目と3列目の会話も自然に行うことができます。

試乗したハイウェイスターはスポーティさを押し出したグレードで、乗り味はスッキリしていて無駄な動きが少ないのが特徴です。前後、左右の揺れも少ないため、セカンドシートに乗るお子さんや3列目に座る人も快適に移動できます。

プロパイロットは制御がどんどんと進化しており、初期モデルで見られたぎこちない動きは解消され、まるで熟練のドライバーが操っているかのようなフィーリングになっています。ペダルを踏む必要もなく、ロングドライブ時のドライバーの疲労軽減には相当なメリットがあるでしょう。

その他にも運転支援システムが充実していて、駐車などもサポートしてくれるので、ママの普段使いにも活躍してくれます。

さらに広い室内空間やデュアルバックドア、多彩なシートアレンジなど高い利便性は、さすがは激戦のミニバンのなかでも、ベストセラーカーと言われる実力です。

高めの車両販売価格が気になる

e-POWERによる優れた走行&燃費性能。そしてプロパイロットをはじめとした充実した運転支援システムなどストロングポイントの多いセレナですが、そのぶん車両本体価格が高いことが気になりました。

今回試乗したe-POWER ハイウェイスターVで、車両本体価格358万2,700円。これにオプションのナビレコツインモニターパックやセーフティパックAを追加すると約430万円で、諸費用を含めると約450万円。この金額になると、上のクラスのモデルも狙うことが可能です。

ライバル車と比べると装備は充実しているものの、割高感は拭えません。売れ筋のモデルでも総支払額400万円以下になれば、もっと競争力は高くなると思います。
良い商品は価格が高くても売れるものです。現行型セレナはライバル車と比べると価格面で割高感はありますが、商品力の高さをユーザーが見極めて順調な販売を続けているということでしょう。

e-POWERの陰にすっかりと隠れしまいましたが、2.0Lのスマートシンプルハイブリッドの高いコストパフォーマンスは、e-POWERが高いと感じる人におすすめ。十分に充実したカーライフを送れるはずです。
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