プロが日産 セレナを歴史とともに徹底解説!!

日産 セレナ e-POWER ハイウェイスターV(C27)

初代のバネットセレナから25年以上、世代交代を繰り返しながら生産されてきた日産の2リッタークラスミニバン、セレナ。日本独自の5ナンバーサイズにこだわりながら、広さと快適性をどのように進化させてきたのか?振り返ってみましょう。

文/萩原 文博

Chapter
まだエンジンが運転席の下にあった初代セレナ
ミニバン専用プラットフォームで大きく進化した2代目
プラットフォームをルノーと共同開発
室内がより大きく快適になった4代目
安全&動力性能に磨きをかけた5代目(現行モデル)

まだエンジンが運転席の下にあった初代セレナ

初代セレナ(C23型)は、ワンボックス車のバネットコーチの後継車として、1991年にデビューしたバネットセレナです。運転席下にエンジンをレイアウトしながら、フロントノーズも持ったセミキャブオーバー車でした。

1.6Lと2.0Lの直列4気筒ガソリン、2.0Lの直列4気筒ディーゼル(1993年まで販売)、2.0Lディーゼルターボの4種類のエンジンに、組み合わされるミッションは5速MTと4速ATがありました。

このバネットセレナの特徴は、当時、日産社内で展開されていた「901運動」により、ワンボックスでありながらリアサスペンションにマルチリンクを採用(一部グレードのみ)したり、最上級グレードには四輪操舵のスーパーHICASやビスカス式LSDを採用するなど、高いハンドリングと走行安定性を実現していたことでした。

1994年5月、車名からバネットが取れ、セレナに変更されました。

1997年1月のマイナーチェンジでは、外観デザインの変更に加えて、2、3列目シートにマルチスライドシートを採用し、多彩なシートアレンジが可能に。は、ディーゼルターボが新しくなるとともに、1.6Lガソリンは廃止されるなど整理が行われました。

そのいっぽうで、特別仕様車として発売されていた“ハイウェイスター”がカタログモデルとして設定され、エアロパーツ付きミニバンのルーツとなっています。

ミニバン専用プラットフォームで大きく進化した2代目

2代目のセレナ(C24型)は1999年に登場し、2005年まで販売されました。

先代モデルのC23型はビジネスモデルと共用のプラットフォームでしたが、2代目ではワゴン専用車として開発された低床プラットフォームへと刷新され、駆動方式もFR(後輪駆動)からFF(前輪駆動)に変更されました。

低床化により室内空間も拡大された2代目は、ミニバンとして初めて両側スライドドアを採用。さらにシフトレバーもコラム式に変更され、前席から後席だけでなく、前席間のウォークスルーも可能となるなど利便性が向上しています。

FFの駆動方式を採用したこの2代目セレナが現在のセレナのルーツと呼べるモデルです。

モデル体系は標準モデルとエアロパーツを装着したハイウェイスターの2系統。パワートレインは2.0L直列4気筒ガソリンエンジンと2.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの2種類。組み合わされるミッションは全車CVTでした。

2000年6月は、室内高を105mm高めたハイルーフ車を一部グレードに追加設定。2001年12月のマイナーチェンジでは、内外装デザインの変更に、両側リモコンオートスライドドア機構の追加で利便性を向上。

2.5Lディーゼルを廃止し、かわりに2.5L直列4気筒ガソリンエンジンを追加。2.0LガソリンエンジンはQR20DE型に変更されました。

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熟成の度合いを高めた3代目以降

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博