トヨタ 30系アルファードの良い点や欠点などを試乗レビュー【プロ徹底解説】

トヨタ アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ

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登場から6年が経過しても、月平均7,000台以上を販売しているモンスター級人気トヨタ アルファード

見た目の圧倒的な存在感だけでなく、走行性能や快適性、さらにエントリークラスに比較的買いやすい価格設定のガソリン車を用意していることなど、人気の理由はいくつもあります。

そんなアルファードの上級グレードにあたるハイブリッド エグゼクティブラウンジを試乗。人気のミニバンに死角はあるのでしょうか。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
高級車の乗り心地を実現したアルファード
ハイブリッドのもたらす静粛性が快適性のカギ
見当たらない改善点

高級車の乗り心地を実現したアルファード

2020年の年間新車販売台数で、ミニバンでは第1位、乗用車全体でも5位となる9万748台という売り上げを記録したトヨタ アルファード。国産Lサイズミニバンで圧倒的なシェアをほこるだけでなく、2020年はもっとも売れたミニバンにも輝きました。

そのアルファードの人気の秘訣を探るべく、試乗に引っ張り出したのは、ハイブリッドモデルの最上級グレードにあたるエグゼクティブラウンジ(車両本体価格759万9000円)です。

2015年にモデルチェンジを受けた現行型アルファードは、プラットフォームを一新し、リアサスペンションは従来のトーションビーム式から新開発のダブルウィッシュボーン式へ変更。
ボディは、ドア開口部やカウルまわりの結合部を重点的に、約200カ所のスポット増し打ちともに、構造用接着剤を使いパネル部を面で結合することで、ボディ剛性のアップと振動の減衰特性を向上。さらに、ダッシュパネル、エンジンルーム、ボディ骨格内に制振材や吸音・遮音材を効果的に配置することで室内の静粛性を高めています。

またフロアには、高剛性リアサスペンションメンバーの追加と、取り付け部周辺に操安ブレースを設定し、ボディの変形を抑制するとともに、アンダーボディのサイドメンバーをストレートラダー構造としフロア面ねじれ剛性を確保するなど、新時代の高級車にふさわしい性能を実現させるための工夫がいくつも施されていました

ハイブリッドのもたらす静粛性が快適性のカギ

試乗車は、さらに2017年のマイナーチェンジで構造用接着剤の適応範囲拡大や高剛性ガラス接着剤によりボディ剛性を高めたモデルです。

搭載される2.5Lハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)のシステム合計出力は145kW(197ps)。車両重量2,240kgというヘビー級のエグゼクティブラウンジをストレスなく、静かに加速させます

大きく背高なボディにもかかわらず、カーブを曲がるときのクルマのロールは少なく、電子制御4WDのE-Fourの効果もあって不安感など微塵もありません。加速、減速時の揺れも少なく、つねにフラットな乗り心地を実現しています。

ハイブリッド化による室内の静粛性はまさに新時代の高級車に相応しいもので、2列目のエグゼクティブシートに座った乗員との会話もはずみます。

オットマンを装備したセカンドシートは床下の振動の発生も抑えられており、旅客機のファーストクラス的な最高の快適さを実現。サードシートについても、大人の男性が座っても余裕のスペースが確保されています。床面からの不快な振動も少なく、長距離移動によるストレスもないでしょう。

また、これだけ大きなボディですが、風切り音などもおさえられているのは特筆にあたいするポイントです。

運転支援システムも充実しており、アダプティブクルーズコントロール+レーントレーシングアシストによって、高速道路でのドライバーの負担は相当量軽減されるでしょう。

見当たらない改善点

これだけ大ヒットしているモデルに改善するポイントは正直言って見当たりません。あえて重箱の隅をつつくのであれば、運転支援システムをさらにアップデートして、レクサスLSやMIRAIと同等まで高性能化してもらいたいところです。
ヒットする商品にはそれなりの理由があるものですが、アルファードは王者の風格といえる完成度で、ライバルの付け入る隙のないことが特徴です。

登場から6年が経過しているにもかかわらず、高い商品力と、古さを感じさせないデザイン、静粛性の高い室内などなど、ライバルとの差は、ドライビングシートよりもセカンドシート以後に現れています。家族のための1台として、検討してみてはいかがでしょう?
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