中古車なのにほとんど新車?!「新古車」のメリット・デメリットを解説

新古車

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中古車販売店などでよく耳にする「新古車」という用語。

新車とも中古車とも違うというのは何となくわかるのですが、実際はどんなクルマなのかをよく知らないユーザーもいるのではないでしょうか。

実は、「新古車」は正式な名称ではありませんが、この記事では「新古車」と表記します。

今回は、「新古車」の正しい呼び方やその特徴、購入する際のメリット・デメリットなどを詳しく掘り下げていきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
「新古車」の定義とは?
「新古車」のメリットは?
「新古車」のデメリットは?
新古車を購入できるところは?

「新古車」の定義とは?

「新古車」の正式名称は「登録済み未使用車」です。ナンバー登録(軽自動車の場合は届出)はされておりナンバーが付いているものの、まだ使用されていないクルマのことです。

一度登録をしているので中古車と同じ扱いになりますが、車両コンディションとしては登録の手続きをしただけのため、まっさらの新車と変わりません

「新古車」は前オーナーが短期間で手放したという場合は少なく、ほとんどが自動車ディーラー名義で登録されています。

「新古車」が生まれる理由は様々ありますが、新車としてさばききれないクルマを登録しておくという場合が多いです。

そのため「新古車」は、新車同様のクルマを安く購入したい方にとってメリットが大きく、名義変更手続きが簡単な軽自動車の「新古車」は人気があります。

また、一般社団法人自動車公正取引協議会が定める自動車公正競争規約の中で、中古自動車でないような誤認を招く表現として「新古車」が例示されているのです。

つまり「新古車」という表記は、購入者にあたかも新車であるかのように誤解されかねないともいえます。

「新古車」のメリットは?

次に、新車や中古車を選ばずあえて「新古車」を買う際のメリットを見ていきましょう。

最大のメリットは、新車同様のクルマを新車よりも安い価格で購入できるという点です。新車製造からディーラーまで運送される際、多少は自走しなければならないため車両情報では数十km走行と表記されているものも、実際のコンディションは新車そのものなのです。

また、「新古車」は既に完成した車両なので、納期が早いというのもメリットのひとつです。人気車種の場合、新型が出た当初は特に、注文から納車まで大幅に時間を要することが珍しくなく、モデルによっては半年待ちや1年待ちというものもあります。

「新古車」の場合は一般の中古車と同様の手続き・日数で購入することができ、人気車種をいち早くお披露目できるという点を魅力に感じる方もいるのではないでしょうか。

さらに、「新古車」は登録済みの車両でありながら登録から数ヶ月しか経っていないものもあり、次回車検までは十分な期間が残っているため、税制面の恩恵もあります。

1つ目は、車検ごとに支払う義務がある自動車重量税が、購入時にはかからないことです。新車で購入する場合は、次回車検までの3年分の額を登録時に納めなければいけませんが、「新古車」では支払い済みの状態なので、改めて納税する必要がありません。

2つ目は、4月1日以降の購入の場合、当該年度の自動車税を支払わなくてもよい場合があるという点です。登録の際、ディーラーなどの前所有者が既に納めていることがその理由ですが、年度末など名義変更の日付によっては恩恵を受けられないこともあり、前ユーザーが税の還付を受けている場合も同様です。

「新古車」のデメリットは?

良いことずくめのような「新古車」ですが、既に車両が完成しているという特徴ゆえデメリットとなる点もあります。

新車を注文する場合は、ボディカラーやグレードなどを自由に選ぶことができます。一方、「新古車」の場合は全グレードを網羅しているわけではなく選択肢が限られてしまい、必ずしも希望を100%叶えるものがないこともあるのです。

また、装備できるオプションが限られるというのも、「新古車」のもつ欠点です。特に生産ラインで装着されるメーカーオプションが選べない、というのは最大のデメリットになります。自分の欲しいオプションが装備されているか、メーカーオプションの代わりにディーラーオプションで対応可能か、あらかじめ確認しておく必要があるのです。

「新古車」として登録されるものの中には、いわゆる人気車種もあります。納期の長い人気車が「新古車」として出回った場合、新車の納品を待つよりも「新古車」に飛びつく方も少なくありません。その場合、価格面のメリットはなくなり、場合によってはプレミア価格がつくこともあるのです。

「新古車」はこれらの特徴があるため、クルマ選びにこだわりをもつ方にとってあまり適した選択肢ではないかもしれません。

新古車を購入できるところは?

「新古車」はどんな店舗で購入することができるのか、考えられる選択肢をいくつか取り上げてみましょう。

「新古車」として流通するものの多くが、ディーラーで自社登録した車両です。そのためディーラーには必ずといっていいほど「新古車」があると考えて良いでしょう。また、厳密な意味での「新古車」ではありませんが、試乗車として使っていたものを販売することもあります。こちらもきちんとメンテナンスされているため状態は良好です。

このように、「新古車」はもちろんディーラーで購入できますが、「新古車」を販売する店舗は他にもあります。

例えば、最近店舗数が増えてきている新古車専門店は文字通り「新古車」だけを取り扱う販売店ですが、中でも軽自動車の「新古車」を専門にしているところが多いようです。これらの専門店は、業者オークションやディーラーからの買い付けなどでまとまった在庫を確保しているので、比較しながら「新古車」を買うこともできます。

もちろん、一般的な中古車販売店で「新古車」を取り扱う場合もあり、中古車情報サイトなどで検索すると、様々なモデルの「新古車」が確認できます。

ただし多くの場合、人気車種を販売しているので価格面のメリットは見込めないでしょう。
「新古車」について、様々な角度からその特徴を紹介してきました。

価格面や納期など「新古車」のメリットは大きいですが、分類としてはあくまで中古車のため、まっさらの新車を買う感覚ではかえって後悔することにもなりかねません。

「新古車」の購入を検討する際はそのメリットとデメリットをきちんと見極め、納得のいくクルマ選びができるようにしておきたいところです。
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