未使用車、新古車、未登録、ナンバー落ち…それぞれどういう意味？

未使用車、新古車、未登録、ナンバー落ちなどは、中古車のナンバー登録状況や走行距離の状態を表す業界用語です。各用語をナンバー登録の有無と走行距離の観点で紹介します。

未使用車とは、文字通り使用したことがない車両のこと。製造過程や移送、登録などである程度(数キロ)走行してはいますが、それ以外はまったく使われていません。

登録は多くの場合、ディーラー名義で、ユーザーの手に渡っておらず、試乗車としても使用していないので未使用車と呼ばれるわけです。

未使用車を選ぶメリットは、納車期間の短縮と基本的に新車であることです。デメリットとしてはメーカーオプションやグレード、外装・内装色など仕様がすでに決まっていること。

さらに中古車市場に出回ると極上品となるため、値引きも期待できません。

新古車とは、ナンバー付きで走行距離の短い中古車です。走行距離が短いので新車同然として新古車と呼ばれます。

多くはディーラーの試乗車に使われていた車両ですが、それだけにメンテナンスに抜かりはありません。

メリットは納車期間が短いこと。実際に運転されているので、実用上の問題点がないことが確認されていることです。デメリットは価格が新車と大幅に変わらないのに実質中古車であること、未使用車同様仕様が選べないことです。

会計処理上の問題で新古車は新車ディーラーでは販売されず、ディーラー系中古車店の店頭に並ぶことになります。最新車が新車よりもお得な価格で販売されるということで引き合いは多く、やはり値引き交渉は期待できません。

未登録とは文字通りナンバー登録がされていない車両です。走行も製造と移送時分だけ。いわゆる新車です。

そんな新車をわざわざ未登録車と呼ぶ理由は、新型が発表されたり、年式が変わったりで、ディーラーの店頭で新車として並べると、混同させるためです。新車として販売される時は長期在庫車(長在車)とも呼ばれます。

決算期の在庫調整やモデル落ち時期に、ディーラー系中古車店に並ぶことがあります。

未登録車のメリットは、大幅値引きです。デメリットは仕様を選択できないこと、旧モデルである場合が多いことです。

中古車市場では、それほど値引きが期待できない未登録車ですが、新車としてディーラーのモータープールに長期保管されている状態なら、早く売り切ってしまいたい厄介者。大幅値引きが期待できます。

ナンバー落ちはディーラーの用語です。決算の関係で在庫調整が必要な場合、在庫として保有しておけない商品車両をディーラー名義でナンバー登録して在庫から外し、利益を少しでも多く確定させるために発生します。

ナンバー登録はしてあるけどディーラー名義で、走行距離は事実上0。つまり状態としては未使用車と同じです。

ナンバー落ちという言葉には、自店の販売計画を遂行できなかった悔しさがにじみます。ディーラーが自戒と自虐を込めて未使用車をナンバー落ちと呼んでいたのが、いつしか中古車にも使用されるようになったようです。

いずれも完成車として一度店頭に並んだ車両なので、仕様やボディカラーを選ぶことができないのですが、うまく探せば掘り出し物に出会えるチャンスがあります。中古車購入の際には、アタマに入れておいて損はないでしょう。