スモークフィルムって何?車検に通るの?特徴や貼れる位置などを詳しく紹介

スモークフィルム

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外から車内が見えにくくなる効果をもち、クルマを彩るファッション要素もあるため、黒やグレーなどのスモークフィルムをクルマのウインドウに貼る方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、貼ってはいけない箇所が定められており、違反すると罰則も課せられます。

今回は、スモークフィルムの特徴や貼れる位置など、適法で有効な使い方を詳しく紹介していきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
スモークフィルムとは?
スモークフィルムを貼っていい場所・ダメな場所をチェック!
スモークフィルムが違反になる基準や理由・その罰則は?
フロントガラスにスモークフィルムの機能をもたせるためには?

スモークフィルムとは?

スモークフィルムはカーフィルムのひとつですが、その見え方によってさまざまな種類があります。今回紹介するスモークフィルムは、黒やグレーなどダークトーンのカラーフィルムのことです。

スモークフィルムを貼ると、外から車内はほとんど見えず、車内から外を見たときも通常より暗く見えるという特徴があるので、プライバシー保護や車上荒らしの防止に役立ちます。

その他のメリットとしてはドレスアップ効果もあり、クルマにちょいワルなアクセントを付け加えられるのです。

スモークフィルムのほか、外からは鏡のように反射して見えるミラーフィルムや、色のついたカラーフィルムに加え、もちろん無色のフィルムもあります。

スモークフィルムを貼っていい場所・ダメな場所をチェック!

車内でスモークフィルムを貼っていい場所として、リアガラスやリアのサイドガラスがあり、基本的にフロントガラスやフロントのサイドガラスには、スモークフィルムを貼ることができません。

リアガラスやリアのサイドガラスにスモークフィルムを貼っている車両は多く見かけられ、輸入車では特に、フィルムでなくガラス自体にティンテッドガラスを採用しているモデルもあります。

フロントでもカーフィルムを貼ること自体を禁止されているわけではなく、可視光線透過率が70%以上でなければ貼ってはいけない、ということなのです。

フィルムそのものの透過率だけでなく、ガラスに貼った状態で基準をクリアする必要があるほか、70%に満たない場合はフィルム自体が透明でも貼ることはできず、そのままでは車検に通らないので注意しましょう。

スモークフィルムが違反になる基準や理由・その罰則は?

ではどうして、スモークフィルムが違反になるのでしょうか。

道路運送車両法では、自動車の保守安全を定めるため整備不良や不正改造を定義しており、補足する政令や規則とあわせ基準が明記されています。

そのひとつである道路運送車両の保安基準の細目第195条第3項で、フロントウインドウについては

・一 透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。
・二 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること。

と規定されています。ここでいう運転者とは、その車両の運転者のみならず、他の車両の運転者も意味すると解釈されています。

一については、商品ごとに違いはあるものの、多くのスモークフィルムが30%以下という低い透過率のため、70%には大きく及ばず基準には該当しません。また、一見光の透過率が高そうなものでもスモークフィルムは車外から真っ黒にしか見えないので、車内のドライバーの視界が確保できたとしても、他車の運転手の視界は確保できないため二に該当しません。

この2つの基準に合致しないため、ほぼ全てのスモークフィルムが違反になるのです。したがって、フロントウインドウやフロントのサイドガラスにスモークフィルムを貼っている車両は不正改造車として整備命令が出されます。

これに従わない場合、6カ月以下の懲役、または20万円以下の罰金などの刑事罰を受けることになります。

フロントガラスにスモークフィルムの機能をもたせるためには?

スモークフィルムがもつメリットのひとつとして、日差しを遮る役割があります。

太陽光の強弱と紫外線の強弱に関連はありませんが、スモークフィルムを選ぶユーザーは、日差しだけでなく日焼けを気にする方もいるのではないでしょうか。最近の新型車こそガラスにUV・IRカット機能を備えるグレードが多数を占めていますが、既存の車種や廉価グレードでは装備されていないことも多いです。

日差し自体は抑えられなくても、UV・IRカット機能を付ける方法はないのでしょうか。保安基準では70%以上の透過率が求められているスモークフィルムですが、言い方を変えれば「70%以上の透過率が確保されるフィルムなら禁止されない」ということです。

実際、70%以上の透過率がある透明なフィルムでUV・IRカット機能がついているものも市販されています。

ここで気を付けたいのが、透過率の考え方です。前述のとおり、フィルム単体の透過率ではなく「ガラスに貼り付けた際の透過率」が70%以上でなければなりません。

したがって、フロントガラスの通過率によっては基準の70%をクリアできない場合もあるため、購入の際あらかじめ販売店や車検場などで適否を確認しておくと良いでしょう。
スモークフィルムをはじめとしたカーフィルムを貼るクルマは多く見かけますが、その多くはリアガラスなどに貼っている車両であり、フロントウインドウにフィルムを貼るクルマはごくわずかです。

車検には一定の基準がありますが、最終的な判断は検査を行う検査員なので、フロント部分のフィルムを剥がすように指導する検査員もおり、適法か違法かギリギリの判断になるともいえるのがカーフィルムなのです。

車検ごとに危ない橋を渡りたくないユーザーは、無理にスモークフィルムやカーフィルムを貼らず、リアだけに貼ることを考えてみると良いかもしれません。

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