クルマのパーツに印字されているEマークって何?“eマーク“との違いも詳しく解説!

Eマーク

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クルマは数多くの部品によって構成されており、その細かな部品ひとつひとつがパーツを構成しています。

それらの部品には、よく見るブランドロゴをはじめとしてサイズの表記や、パッと見ただけでは意味が分からないものまでさまざま。

そこで今回は、パーツに印字されている“Eマーク“を中心に、マークにはどのような意味があるのか、他にどのようなマークがあるのかを詳しく紹介していきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
クルマのパーツに印字されている“Eマーク“は何を示している?
Eマークとeマークの違いって?
Eマークの他にも多くのマークがある!

クルマのパーツに印字されている“Eマーク“は何を示している?

Eマークとは、国連の欧州経済委員会が提示するECE基準を満たす製品であることを示すマークのことです。製品がこのマークを取得する際は、安全性に優れ、環境基準をクリアし、高い品質を持っていることが求められます。

そのため、主に自動車部品における、ガラスやランプ類、タイヤやブレーキといった保安部品類にEマークが用いられています。

ちなみにこのEマークは、アルファベットの「E」に加え、数字で表記されています。

数字が意味するのは、試験及び認可をした機関が置かれている国に番号を割り当てたもの。1ならドイツ、2ならフランスといった具合で順番に並んでおり、日本は43番に当たります。

また、このEマークが付いている部品は、純正品だけでなくサードパーティー製の製品であっても日本国内における保安基準を満たしていることを意味しているため、車検の際にも別途書類などを提出することなくパスできる品質を保持しています。

ただし、製品自体は保安基準を満たしたEマーク付きの部品であっても、適切に取り付けられていなければならない点には注意が必要でしょう。

Eマークとeマークの違いって?

国連の欧州経済委員会が求める品質を持っている製品であることを示すのがEマークだとご紹介しましたが、実は“イー”の発音は同じでも、異なる表記が異なる「eマーク」も存在するのです。

アルファベット小文字の“e”マークは、EUの加盟国向けにクルマの部品を輸出する際、表示が求められる適合マークのことです。

EU内では、クルマに用いるパーツの流通や品質の確保、環境基準を徹底して守るために欧州加盟国が定める基準を満たした製品であることの認証取得を義務付けているのです。

部品そのものの安全性はもちろんのこと、品質や性能、環境に対して優しい製品であるかを、54もの項目で検査し取得しなければならない厳しい基準となっています。

一度でも認証を受けてeマークを付けた製品はそれだけ安全で高品質であり、EU加盟国内で流通ができるようになるため、市場の活性化にも繋がっています。

日本国内における品質を担保するのがEマークであり、EU加盟国内で認証を受けた製品であることを示すのがeマークという違いがあることをしっかり覚えておくと良いでしょう。

Eマークの他にも多くのマークがある!

クルマを構成する部品には、Eマークやeマークの他にもJISマークISOマークなど多くのマークが付けられています。

これらは、いわゆる部品の規格を表すマークとなっており、工場で生産される工業製品のサイズや形を統一、並びに標準化するためのものです。

JISマークは正式には日本産業規格といい、クルマの部品だけでなく日常生活でよく目にする家電などにも用いられているポピュラーな規格で、国内における国家標準の1つとして用いられています。

また、JISマークと並んで目にする機会が多いISOマークは、スイス・ジュネーブに本部を置いた、民間団体である国際標準化機構の採決によるものです。

このマークは、何か製品やサービスに対して、世界中で同品質かつ同レベルで提供できるようにするための国際基準を示しています。

誰でも一度は目にしたことがあるであろう非常口を示すデザインやカードのサイズも、このISOによって定められたものなのです。
クルマの部品に付いているEマークが表示されている製品を選ぶことで、クルマのメンテナンスだけでなく、ドレスアップをしたい方にとっても安心して品定めができるようになっています。

フロントガラスやリアウィンドウの隅、その他多くの部品に、小さく入れられているEマーク。ちらりと一度見ておくだけでも、厳しい検査を受けてきた部品であることを実感できるのではないでしょうか。

※2021年6月現在

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