トヨタ ヤリスクロスとライバルを比較【プロ徹底解説】

トヨタ 新型ヤリスクロス

トヨタのコンパクトSUV、ヤリスクロスは、充実したパワートレイン、最新の安全技術、わかりやすいグレード構成などもあって、2020年8月の販売開始から好調な販売が続いています。

こうなるとほぼ一強状態ですが、ここではヤリスクロスのライバルとして、日産の新しいSUV、キックスを遡上にあげてみました。

文・写真/萩原 文博

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デビュー時期も近いニューモデル同士
ひと回り大きいボディの日産 キックス
トヨタ ヤリスクロスはここが魅力
日産 キックスはここが魅力

デビュー時期も近いニューモデル同士

トヨタ ヤリスクロスのライバルとしてピックアップしたのは、日産キックスです。

販売開始時期は、キックスが2020年6月、ヤリスクロス2020年8月、パワートレインはハイブリッド車をともに用意し、車両本体価格をハイブリッド同士で比べると、ヤリスクロス ハイブリッドの上級グレードにあたるZ(2WD)が258万4000円で、キックスのXが275万9900円となっています。

この価格差は、どんなところにあるのでしょうか?それではヤリスクロスとキックスを比較してみましょう。

ひと回り大きいボディの日産 キックス

まず、人気を比べてみましょう。原稿を執筆している直近の2021年3月の新車販売台数は、ヤリスクロスが1万2,890台で、国内のSUVカテゴリーではNo.1の販売台数。いっぽうのキックスは4,801台と、かなりの差ですが、これにはパワートレインを日本で完成し、生産国のタイに送って車両が完成、そこから輸入されるという日産の事情が関係しているのかもしれません。

ボディサイズは、ヤリスクロスが全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,590mm。キックスは、全長4,290mm×全幅1,760mm×全高1,610mmで、全長で110mm、全高で20mmほどキックスのほうがうわ回っています。

クルマの取り回しの目安となる最小回転半径は、ヤリスクロスの5.3mに対してキックスは5.1mなので、狭い場所での取り回しに関してはキックスに分があります

室内の広さは、ヤリスクロスが室内長1,845mm×室内幅1,430mm×室内高1,205mm。キックスは室内長1,920mm×室内幅1,420mm×室内高1,250mmと、ボディサイズに比例して大きく広くなっています。

搭載されているパワートレインはヤリスクロスが、1.5L直列3気筒ガソリンエンジンと、1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は全グレードで2WD(FF)と4WDが設定されています。

いっぽうのキックスは、e-POWERと呼ばれる1.2L直列3気筒エンジンで発電した電力を使用しモーターを駆動させて走行するシリーズハイブリッドで、駆動方式も2WD(FF)のみです。

運転支援システムは、ヤリスクロスはトヨタセーフティセンスを核としてインテリジェントクリアランスソナーを採用し、車両全方位の安全を監視していますが、ブラインドスポットモニターがオプション設定

キックスは、プロパイロットをはじめ、最新の運転支援システムが充実しています。ヤリスクロスとキックスの価格差はこの運転支援システムの機能差ということもできるでしょう。
コネクティングサービスはほぼ互角といえる内容です。

トヨタ ヤリスクロスはここが魅力

ヤリスクロスとキックスを比較してみて、ヤリスクロスは、パワートレイン、駆動方式、グレードがそれぞれ2〜3種類用意されているので、ユーザーの懐事情、生活環境にあわせて選択肢があることは魅力です。

キックスは、オーテックバージョンがあるものの、基本的にモノグレードです。エントリー価格では、ヤリスクロスがガソリン車の廉価版を用意していることもあって179万8,000円と、キックスの275万9,900円にくらべるとかなり安価に感じます。

ヤリスクロスをハイブリッド車に絞っても228万4,000円からで、キックスの価格だと4WD車にも手が届いてしまいます。

また、燃費性能もWLTCモードでヤリスクロスのハイブリッド車は27.8~30.8km/L。対してキックスは21.6km/Lとかなり差が開いています。

ヤリスクロスが優れているのはシートアレンジの多彩さです。上級グレードの後席は4:2:4の分割可倒式ですし、背もたれを倒すとフラットな床の広大なラゲッジスペースが現れます。

キックスも6:4の分割可倒式を採用しているものの、リアシートを畳んでも荷室との段差ができてしまいます。積載量は互角といえますが、使い勝手の良さはハンズフリーパワーバックドアを装着できるヤリスクロスが上といえるでしょう。

日産 キックスはここが魅力

対してキックスの魅力は、エンジンを発電のみに使うシステムによってモーターによる発進加速の鋭さと高い静粛性が担保されているところです。低回転から最大トルクの260Nmを発生するモーターによって、キビキビとした走りを味わえます。

また室内空間はヤリスクロスに比べて広く居住性は上、さらに最小回転半径が5.1mと取り回ししやすいのも魅力です。

とはいえ、なんと言ってもキックスの魅力は、日産の運転支援システム「プロパイロット」を標準装備していることです。これは高速道路でアクセル、ステアリング、ブレーキを制御してサポートし、ドライバーの負担を軽減するシステムです。

ヤリスクロスの運転支援システムも不足はないのですが、プロパイロットはキックスのアドバンテージになっています。

日産独自の電動パワートレイン、e-POWERを搭載しているキックス。プロパイロットという高度な運転支援システムを搭載するなど実力は高いクルマです。

いっぽうヤリスクロスは、高い走行性能&燃費性能を両立し、多彩なパワートレイン、駆動方式、グレードを用意するなど、幅広いユーザーニーズに応える体制も人気に拍車を掛けているのでしょうね。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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