クラクションの音程が車種によって違うのはなぜ?仕組みや適切な使い方を解説!

クラクションの音が車種によって違うのはなぜ?

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国産車や輸入車、モデルなどの違いによってクラクションの音は異なっています。このことに疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

ではなぜ、クラクションの音に違いが生まれるのでしょうか。今回は、その音の秘密から法律のことまで、クラクションに関する豆知識をご紹介します。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
クラクションの音程は仕組みによって異なる
クラクションも保安基準を満たす必要がある
クラクションは正しく使うのがポイント!

クラクションの音程は仕組みによって異なる

クラクションの音が車種によって異なるのはなぜか?答えは単純で、クラクションの構造そのものが異なるからです。クラクションの音を発生させる原理は、中で音を共鳴させ、大きくして外に聞こえるようにするというものですが、この構造の違いによって音に違いが出ているのです。

クラクションの構造には大きく分けて2つのタイプがあり、平型渦巻き型に分かれます。平型は音を共鳴させるためにレゾネーターと呼ばれる板を使い、渦巻き型はカーリングと呼ばれる管で行うのが特徴です。

平型と渦巻き型、それぞれにメリットとデメリットが存在しており、平型は省コストかつ省スペース、しかし音が機械的で安っぽくなりがちです。そのため、価格が安い大衆車に多く装着されています。

一方渦巻き型は鳴らす音に重厚感や高級感があり、音質自体をチューニングすることも可能ですが、高コストかつ設置スペースを確保しやすい、それなりに大型の車種にしか取り付けられないというデメリットがあります。

海外メーカーのモデルや国産のセダン、いわゆる高級車のクラクションがなんとなく「良い音」だと感じるのはこの辺りに起因しているのです。

クラクションも保安基準を満たす必要がある

内部の構造によって音が異なるクラクション。実は、このクラクションも車検の際にチェックされる項目であることをご存じでしょうか。

クラクションは正式名称を警音器と呼び、道路運送車両の保安基準43条によって明確に基準が定められています。

どのような基準かといえば、連続して鳴らすことが可能で、音の大きさが均一で一定であること。そして、7メートル前でクラクションの音を聞いた時に112デシベル以下87デシベル以上でなくてはならないのです。

しかし、逆を言えばこの保安基準に適していれば、クラクションのカスタマイズも可能ということです。現在は、大手のカー用品チェーン店に行けばクラクションの部品を単体でも購入できるほか、車種によってはオプションに設定されている場合もあります。

愛車のクラクションが安っぽい音で気になるという方は、車検に対応する範囲で見えない部分にまでこだわってみるのもいいかもしれません。

クラクションは正しく使うのがポイント!

クラクションの音や仕様は112デシベル以下87デシベル以上と、保安基準によって厳しく定められているとご紹介しました。

これは実際にどれ位の大きさなのでしょうか。120デシベルは飛行機のエンジン付近の音の大きさで、90デシベルが犬の鳴き声を間近で聴いた音というと、車のクラクションはかなり大きな音であることが分かるのではないでしょうか。

それもそのはず、本来クラクションは危険を回避するために使用するものだからです。クラクションの使い方は道路交通法の第54条にて定められており、違反すれば警音器吹鳴義務違反・警音器使用制限違反といういずれかの罪に問われる場合もあります。

特に、昨今社会問題ともなっているあおり運転の増加によって、警音器使用制限違反についてはこれまでとは比較にならないほど重い罰則が課せられる可能性があります。

これは、令和2年の6月末に施工されたあおり運転を取り締まるための法律によるもので、これまでは違反点数無しの反則金3,000円という内容でしたが、最長5年の懲役または最大100万円以下の罰金、違反点数最大35点で免許取り消しにまで厳罰化されています。

クラクションの使い方1つでトラブルになるケースも後を絶たないため、正しい知識を持ってクラクションを使わなければなりません。
クラクションが車種によって音が変わる理由は、車種によって構造が違うからという明確な理由がありました。

クラクション本体自体は普段余り目にすることはありませんが、自動車を構成する部品として非常に重要な役割を持っています。

基本的な構造や保安基準をしっかり満たしていればカスタマイズも可能であり、正しく使えば人命すら守ってくれる重要な部品です。

国産車や輸入車、モデルの違いによってクラクションがどの様な音を奏でるのか、聞き比べてみるのも面白いかもしれません。

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