スズキ 初代パレット(MK21S型)の欠点は?

スズキ 初代パレット

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今回は、スズキ 初代パレット(MK21S型)の欠点について紹介します。

初代パレットはスズキ初のスーパーハイトワゴンとして、2008年に登場しました。このジャンル全体においても登場は早いほうでしたが、それゆえに先駆者ならではの欠点がどうしても目立ちます。

初代パレットは2012年に生産・販売を完了していますが、欠点の多くは後継モデルのスペーシアを開発する際に改良されています。

初代パレットならではの欠点にはどのようなものがあるのかを詳しく見ていきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
スズキ 初代パレットの非力なエンジン
スズキ 初代パレットのトランスミッション
スズキ 初代パレットの重いボディ

スズキ 初代パレットの非力なエンジン

スズキ 初代パレットの欠点としては、他メーカーのスーパーハイトワゴンよりもエンジンパワーの低い点があります。

K6A型658ccのエンジンは、この時代のスズキ車に幅広く搭載されていたエンジンです。グレードによりNA(自然吸気)エンジンとターボエンジンが使い分けられており、NAエンジンの最大出力は40kW(54PS)/6,500rpmです。

これはほぼ同時期のライバル車である、ホンダ N-BOXの43kW(58PS)/7,300rpmや、ダイハツ タントの43kW(58PS)/7,600rpmをわずかながら下回る数値ですが、絶対的パワーが少ない軽自動車にとっては思った以上に大きな差です。

また初代パレットのターボエンジンは最大出力44kW(60PS)/6,000rpm、2010年以降のモデルでは47kW(64PS)/6,000rpmで、パワーアップ後の出力はライバル車と同様、軽自動車の自主規制枠いっぱいです。

しかし日常ユースの使いやすさに直結する最大トルクは、2010年以降の初代パレットで95Nm(9.7kgm)/3,000rpmなのに対し、N-BOXでは104Nm(10.6kgf・m)/2,600rpm、タントの場合は100Nm(10.2kgm)/3,600rpmと初代パレットを上回ります。

普通に運転する分には違いがわかりにくいですが、荷物の積載量が多いときや高速道路を走行するときなど、ここぞというときにパワーの差は現れます。そうした意味では、初代パレットのエンジンはわずかながら力不足といえるかもしれません。

実際には乗り比べないとわからないかもしれませんが、ライバル車より若干下回るパワーという特徴はあらかじめ知っておきたいところです。

スズキ 初代パレットのトランスミッション

スズキ 初代パレットのもつデメリットとしては、搭載されるトランスミッションもありました。

初代パレットが誕生した2008年時点において、トランスミッションは全グレードで4速ATが用いられていました。翌2009年には、変速ショックが少なく動力の伝達効率にも優れるCVTが搭載されるようになりましたが、2010年まで発売されていた「G」では4速ATのままでした。

2007年から2012年まで発売されていたダイハツ タントのトランスミッションも同様でしたが、タントの場合は登場時点で既にCVT車の設定がありました。またホンダ N-BOXが登場したのは2011年のことでしたが、発売時点から全てCVTが搭載されていました。

CVTと4速ATでは伝達効率にも差があるため、燃費性能も異なります。同じ初代パレットのXグレード・FFモデルでも。4速ATでは20.0km/Lなのに対しCVTでは21.5km/L(いずれもJC08モード)と、CVTの方が明らかに高性能です。

また4速ATは、CVTよりも変速ショックが大きいです。初代パレットのCVTには副変速機がついているため、厳密には変速ショックがあるのですが、ドライバビリティのよさはCVTの方が優れています。

初代パレットの中古車を購入する予定のある人は、できればCVTを搭載した年式やグレードを選んでおきたいところです。

スズキ 初代パレットの重いボディ

スズキ 初代パレットに限らず、軽スーパーハイトワゴンの欠点としては、他ジャンルの軽自動車よりも重いボディという点もあります。

初代パレットは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,735mmというスーパーハイトワゴンタイプのボディです。ルーフが高い分車内スペースが広がる一方、車両はどうしても重くなってしまいます。

また初代パレットでは、リヤの左右両側にスライドドアを採用しています。スライドドアは便利ですが、スライドドアより重いという欠点もあります。

しかし初代パレットのルーフの高さがもたらす広いスペースや高い開放感・見晴らしのよさは、ボディの重さという欠点を補って余りある長所です。絶対的な走行性能や燃費は低くなりますが、初代パレットにユーティリティの高さを求めるユーザーにとっては、あまり気にならない欠点かもしれません。
スズキ 初代パレットには、軽スーパーハイトワゴンの先駆けならではの欠点がありますが、後発のライバル車がその対策をした上で発売されるのは、ある程度仕方のないことといえます。

もちろん同ジャンルに共通する欠点もありますが、日進月歩を続ける軽自動車開発においては、その欠点も日々改良されています。

初代パレットの欠点は後継のスペーシアで改良されていますが、その欠点は現代の軽乗用車において重箱の隅をつつくようなものです。改めて説明を受けたり乗り比べをしたりしない限り、初代パレットの欠点は気にならないかもしれません。

またクルマ選びをする上で、クルマごとの長所や欠点をあらかじめ知っておくことはとても重要です。初代パレットについても様々な角度から特徴をとらえることで、購入するときの満足度もより高くなるでしょう。

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