スズキ 初代パレット(MK21S型)のリヤシートの使い勝手はいかに

スズキ 初代パレットのリヤシートについて触れる前に、モデルの概要をご紹介します。

2008年にスズキから軽スーパーハイトワゴンとして、初代パレットが登場しました。2021年時点では高い市民権を得ている同ジャンルの軽乗用車で、全高1,745mmというルーフの高いボディと、それにより実現している広々とした車内スペースが大きな特徴です。

車内高を広くとることで着座位置を高くすることができるため、前方の視界が良好になるとともに前後スペースに余裕も出ます。リヤシートでもそれを感じることができ、身長のある乗員が乗車しても、以前の軽自動車では考えられないほど足元にはゆとりがあります。

また初代パレットは両側スライドドアを採用しており、乗降時の高い安全性や荷物の積み下ろしのしやすさにもつながっています。

初代パレットのパワートレインとしては直列3気筒658ccのK6A型エンジンが搭載されており、日常ユースに便利な自然吸気エンジンと、高速道路などで真価を発揮するターボエンジンが、グレードにより使い分けられていました。

また駆動方式はFF(前輪駆動)と4WD(4輪駆動)から選ぶことができましたが、初期型の一部を除きトランスミッションは伝達効率に優れるCVTのみがラインアップされていました。

初代パレットは2013年に生産を終了し、後継モデルであるスペーシアにその役割を譲りました。

スズキ 初代パレットは乗員の居住性を追求したスーパーハイトワゴンとして、乗員が快適に過ごすための工夫や装備が充実しています。その想いはリヤシートにも現れていますが、リヤシートは車全体のパッケージングの恩恵を高く受けています。

初代パレットは全長3,395mm×1,475mm×全高1,745mmという、高さ以外は軽自動車規格いっぱいのサイズです。その中に室内長2,070mm×室内幅1,280mm×室内高1365mmという、広々とした乗車スペースが広がります。

このタイプの車種に共通する特徴ですが、ルーフを高くすることで特に上下方向のゆとりが大きくなるため、頭上のスペースに大きなゆとりができます。また一般的なハッチバックタイプの軽自動車よりヒップポイントも高くなることで、見晴らしのよさによる高い開放感も初代パレットのポイントです。

初代パレットは、後述するようにシートのアレンジ機能も豊富です。もちろんファーストカーに多用される現代の軽自動車としての高い質も特徴にひとつで、シート自体のつくりにもこだわりが見られ、優れた乗り心地を実現させています。

それではスズキ 初代パレットのリヤシートについて、ラゲッジルーム(荷室)としての機能性やアレンジパターンを紹介します。

初代パレットのリヤシートには、一般的な乗用車と同様の分割可倒式シートが採用されています。必要に応じてシートバックを倒せばラゲッジルームを拡大することができるため、乗車人数や積載する荷物の量に対応することが可能です。

シートは分割で倒せるため、リヤシートに1人だけ乗車するときも、乗車スペースをしっかりと確保しながらラゲッジルームを広げることもできます。荷物の量を工夫すれば、ちょっとしたレジャー用途にも対応できるのです。

また初代パレットのリヤシートには、前後スライドの機能もついています。これもまた、乗員の体格や荷物の量に応じたアレンジが可能で、特にフル乗車する際は乗員に不自由な思いをさせることなく、ラゲッジルームを確保することもできます。

さらに初代パレットでは、ダイブダウンシートを採用しているという特徴もあります。リヤシートを沈み込ませて収納することでフロア高の低いフラットなラゲッジルームが出現し、荷物の積み下ろしがいっそう楽になるのです。

スズキ 初代パレットは、現代の軽自動車に要求される性能としてマルチユースに対応できるモデルです。一方様々なシーンで活躍できるからといって各々の性能に妥協はなく、リヤシートのつくりや実用性にもその特徴が現れています。

その実用性はリヤシートのアレンジ機能を使いこなすことでさらに高まり、日々のショッピングや休日のドライブなどがますます楽しみになるでしょう。

初代パレットは既に生産を終えており、その長所は中古車でしか味わえないのは残念なところです。しかし今なら、比較的コンディションのいい駐車を手頃な価格で購入できるチャンスです。初代パレットの魅力を体感したい人は、すぐにでも中古車販売店に向かいましょう。

※ 2021年3月現在