メルセデス・ベンツ 新型EクラスクーペとEクラスカブリオレを徹底解説!

Eクラス クーペ

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2020年9月10日より、マイナーチェンジとなったメルセデス・ベンツの新型「Eクラス」が発売開始となりました。そして、約1か月後となる10月5日には、同じようにマイナーチェンジとなった新型「Eクラスクーペ」と「Eクラスカブリオレ」が登場します。今回は、「Eクラスクーペ」と「Eクラスカブリオレ」は、どんなクルマなのかを試乗をあわせて紹介します。

文:鈴木ケンイチ/写真:鈴木ケンイチ、メルセデス・ベンツ ジャパン

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
メルセデス・ベンツ 新型EクラスクーペとEクラスカブリオレは、Eクラスセダンと全く別物
日本初採用のARナビゲーションを新型EクラスクーペとEクラスカブリオレには備わる
ドライブを優雅な気分にさせるエレガントなクルマ。それが新型EクラスクーペとEクラスカブリオレ
最大トルクは1800回転で370Nmという力を魅せる新型EクラスクーペとEクラスカブリオレ

メルセデス・ベンツ 新型EクラスクーペとEクラスカブリオレは、Eクラスセダンと全く別物

現在、発売されている「Eクラス」は、2016年から発売されている10世代目となる「Eクラス」です。基本となるのはセダンとステーションワゴンで、EクラスクーペとEクラスカブリオレは、その派生モデルとなります。

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレは、派生モデルとは言いますが、実のところ、基本となるEクラスセダン/Eクラスステーションワゴンに対して、クーペ/カブリオレの違いは意外と多岐に渡ります。

まず、ホイールベースからして違いますし、ボディの外側はフロントのフェンダーからドア、ルーフ、トランクまで別物。つまり、メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレのボディはすべて違っているのです。
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラス カブリオレは、Eクラスセダン/Eクラスステーションワゴンの2940mmというホイールベースに対して、Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレは2875mmと65mmも短いのです。

全長もEクラスセダン4940mm/Eクラスステーションワゴン4955mmに対して、Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレは4845mmと100mmほども短くなっています。

ちなみに全高はメルセデス・ベンツ 新型Eクラスセダン/Eクラスステーションワゴンの1465mmに対して、メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレは1430mmと35mm低くなっています。つまりボディサイズは、一回り短くて低くなっているのです。

ちなみに、メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレのボディを横から見るとEクラスセダン/Eクラスステーションワゴンにあるドアハンドルのあたりにプレスラインが、Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレには存在しません。

そのためフロントのフェンダーの形状も異なります。また、サイドミラーの生え方も違っています。
Eクラスカブリオレ
Eクラスクーペ
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレは、ドアは形が違うだけでなく、Eクラスクーペ/Eクラスステーションワゴンは窓枠のないサッシュレス。これも大きな違いとなります。また、トランクの容量もまったく違います。

540リッターもあるEクラスセダンに対して、Eクラスクーペは405リットル、Eクラスカブリオレは360リットル(オープン時は幌を収納するので285リットルになります)。
Eクラスクーペ
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレのインテリアも実は違っています。MBUXという最新システムの採用はすべてのEクラスで共通ですが、センターコンソールに並ぶルーバーのデザインが異なります。また、ドアの内張のデザインも違いますし、シートもクーペ/カブリオレは4座仕様となります。

今回のメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラス カブリオレのマイナーチェンジで変更になったのは主に次の4点。「エクステリアデザインを変更」「ステアリングホイールを新世代の物に変更」「AR(拡張現実)機能を備えるBMUXの採用」「先進運転支援システムのアップデート」となります。
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレのエクステリアの変更は、ヘッドライトとグリル。ヘッドライトは上下方向に薄く、わずかに切れ上がるデザインとなっています。

グリルは底辺の広い台形になり、グリル内のクロームの意匠がより強調されています。

日本初採用のARナビゲーションを新型EクラスクーペとEクラスカブリオレには備わる

新世代のステアリングホイールは、真ん中にあるエアバッグ部が小さくなり、そこから3本のツインスポークが左右と下方向に伸びています。
Eクラスクーペ
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/EクラスカブリオレのMBUXは、メルセデス・ベンツが全車種に採用を広げている新世代のインフォテイメントシステムです。2つの12.3インチのワイドスクリーンを標準とし、メーター表示などをすべてデジタル化し、さらに「ハイ、メルセデス!」の掛け声で起動する対話式の音声操作機能を備えます。

それに新たに追加されたAR(拡張現実)ナビゲーション機能とは、車両前方をカメラで撮影し、その画像を進行すべき方向の指示とあわせてカーナビゲーション画面に映し出すというもの。

交差点などの分岐で、進むべき方向を分かりやすくするのが目的です。こうした機能がクルマに採用されるのは日本では初となります。
Eクラスカブリオレ
最後の先進運転支援機能のアップデートは、「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付き)」の追加です。

これは交差点を右折しようとしたときに、対向の直進車との衝突の危険がある場合、車速10㎞/h以下であれば自動でブレーキを作動させるもの。大きな事故になりやすい右直事故に対応する最新の機能となります。

また、停車時にドアを開けようとしたときに、後方から近づく歩行者や自転車などを検知し警告する機能も追加されています。

ドライブを優雅な気分にさせるエレガントなクルマ。それが新型EクラスクーペとEクラスカブリオレ

今回試乗した、メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレは、Eクラスクーペでは「E300クーペ スポーツ」(919万円)とEクラスカブリオレでは 「E300カブリオレ スポーツ」(956万円)。どちらも、最高出力258馬力の2リッター直列4気筒ターボエンジンと9速ATが搭載されています。

またメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレの試乗車は本革シートなどを含むエクスクルーシブ・パッケージ(オプション)を装備されていました。
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレの試乗をするためにEクラスクーペとEクラスカブリオレのドライバーズシートに納まって思うのは「なんとなく色気があるなあ」ということです。

実は、試乗の日はEクラスクーペとEクラスカブリオレだけでなく、EクラスセダンとEクラスステーションワゴンのハンドルも握りました。正直、4台のインテリアの違いは、ごくわずかなものでした。

しかし、それでもEクラスクーペとEクラスカブリオレに乗ると、Eクラスセダンとは違う華やいだ気分に浸れます。

乗る前にEクラスクーペとEクラスカブリオレの美しいルーフラインが、知らずのうちに心に働きかけているのかもしれません。

ただし、Bピラーのないサッシュレスのドアというのは、やはり解放感がひと味違います。前後の窓を開ければ、室内ではなく、まるでタープの下の日陰に座っているような気分になれます。

Eクラスクーペであれば、タープの下というところで終わりですが、Eクラスカブリオレは、その先に完全なるオープン走行も体験できます。
フロントウインドウの上にはウインドウディフレクターが備わっていましたので、走行中でも風の巻き込みは非常に少なく、ラジオを聞くのも同乗者との会話も、ごく普通にこなせます。ソフトトップを閉じてしまえば、ほとんどEクラスクーペのような静粛性。

なんて静かなクルマなんだと感心しきり。逆に、メタルの屋根で本来的には静粛性に有利なEクラスクーペの方がエンジンの主張があり、うるさく感じるほどです。

最大トルクは1800回転で370Nmという力を魅せる新型EクラスクーペとEクラスカブリオレ

そしてメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ/Eクラスカブリオレの肝心の走りのキャラクターは、安定感と安心感がたっぷりというもの。つまり、基本はEクラス セダンと同様です。

ですが、最高出力が258馬力もあり、最大トルクは1800回転で370Nmもありますから、足先に力をこめてアクセルを踏み込めば、もちろんスペックに見合ったダッシュ力を見せてくれます。

しかも、ステアリング操作に対するクルマの動きも、EクラスセダンやEクラスステーションワゴンよりもダイレクト感があります。
しかし、そんな底力を備えながらも、クルマ側からはドライバーを急かすようなところはありません。あるのは安心感であり、優雅な気分。
目を三角にして飛ばすのではなく、ゆったりとクルマを走らせ、同乗者との会話や景色を楽しむ。それがEクラスクーペとEクラスカブリオレの本当の使い方ではないでしょうか。

性能を無理やりに見せびらかさずとも、十分にドライバーを満足させる。それだけのエレガントなクルマがEクラスクーペとEクラスカブリオレなのでしょう。
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