ホンダの全車種を紹介!(1948年~1980年)
更新日:2024.09.09
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日本の自動車メーカーには戦前までルーツを辿れる企業が少なくありません。そんな中、ホンダは戦後に設立された企業であり、創設者である本田宗一郎氏が技術者であったことからエンジン技術に優れ、「エンジンのホンダ」と呼ばれることもあります。ホンダはどのようにして現在の姿となっていったのか、その歴史を当時の乗用車を中心に紹介します。
文・PBKK
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ホンダのはじまり
宗一郎氏は、自転車屋を営んでいた父・本田儀平氏の影響から、幼い頃からものづくりに興味のある人物だったと言われています。30代に入った1937年にはピストンリングを製造する会社を設立し、試行錯誤を経てトヨタや、のちのスバルとなる中島飛行機にも部品を納入していました。
その後、太平洋戦争の勃発と終結を経て宗一郎氏は自転車の補助動力にエンジンを搭載することを思いつき、原動機付自転車を発売。これが人気となり1958年にロングセラーバイク「スーパーカブ」が登場します。
そして1959年にアメリカ進出、1960年には自由な発想で研究開発を実現するために、ホンダから研究開発機能を独立させた技術研究所を設立するなど、自動車製造の基盤が確立されていきました。
その後、太平洋戦争の勃発と終結を経て宗一郎氏は自転車の補助動力にエンジンを搭載することを思いつき、原動機付自転車を発売。これが人気となり1958年にロングセラーバイク「スーパーカブ」が登場します。
そして1959年にアメリカ進出、1960年には自由な発想で研究開発を実現するために、ホンダから研究開発機能を独立させた技術研究所を設立するなど、自動車製造の基盤が確立されていきました。
ホンダ S500(1963年)
ホンダ S500は、ホンダが戦後に初めて製造した小型スポーツカーです。戦後、各自動車メーカーからは実用的なクルマが数多く登場しましたが、ホンダはバイクで培った技術を元に開発を進めました。
S500は「S360」というコンセプトモデルを洗練したクルマでしたが、ロングノーズ・ショートデッキなどの特徴は踏襲されており、当初からスポーツカーとしてつくられていたことがわかります。
S500は「S360」というコンセプトモデルを洗練したクルマでしたが、ロングノーズ・ショートデッキなどの特徴は踏襲されており、当初からスポーツカーとしてつくられていたことがわかります。
ホンダ S600(1964年)
S500の排気量を拡大し、後継車として登場したクルマがS600です。排気量0.6Lのエンジンは1Lあたり94PSを発揮するハイパワーユニットとなり、当時の鈴鹿サーキットで開催されたレースで優勝するなど、エンジンのホンダを印象づけたクルマでした。
ホンダ S800(1966年)
レースで活躍したS600のさらなるハイチューンモデルとして発売されたのがS800です。エンジン排気量は0.8Lまで拡大され、最高速度はS600より20km/h以上高い、165km/hを記録したとも言われています。
プロトタイプのS360から続く「Sシリーズ」はどれも高出力なエンジンを搭載し、S800とS600にはレースに必要なボディの剛性を高めたクーペモデルも設定されていました。
プロトタイプのS360から続く「Sシリーズ」はどれも高出力なエンジンを搭載し、S800とS600にはレースに必要なボディの剛性を高めたクーペモデルも設定されていました。
ホンダ N360(1967年)
ホンダは1963年に軽商用車のT360を発売。小型車ではスポーティーなSシリーズをラインナップしていましたが、実用的な軽乗用車がありませんでした。そこで1967年に登場したのがホンダ N360です。
N360は、のちに続くホンダの軽自動ファミリカー「Nシリーズ」の基礎ともされ、1969年には「N II360」1970年には「N III360」へとフルモデルチェンジし、多くのファミリー層に支持されるクルマとなりました。
N360は、のちに続くホンダの軽自動ファミリカー「Nシリーズ」の基礎ともされ、1969年には「N II360」1970年には「N III360」へとフルモデルチェンジし、多くのファミリー層に支持されるクルマとなりました。
ホンダ 1300(1969年)
T360やN360により軽自動車で人気を集めたホンダは、小型乗用車市場への参入を図ります。そこで開発されたクルマがホンダ 1300でした。
宗一郎氏の意見から、当時としては珍しくなりつつあった空冷エンジンを搭載していましたが、複雑な構造で高コストだったことや、エンジンの影響で車体の重量バランスが悪化するなど設計上の課題が多いクルマだったとされています。
宗一郎氏の意見から、当時としては珍しくなりつつあった空冷エンジンを搭載していましたが、複雑な構造で高コストだったことや、エンジンの影響で車体の重量バランスが悪化するなど設計上の課題が多いクルマだったとされています。
ホンダ Z(1972年)
N360の3代目である「N III360」をベースにスペシャリティカーとして開発されたのがホンダ Zです。スペシャリティカーらしく、ボディは2ドアクーペであるものの、4人が乗車できるスペースを確保するためにリアガラスが車体後部まで伸びるという特徴的なエクステリア(外装)を備えています。
ホンダ ライフ(1970年)
N360に続くホンダの新たな軽乗用車として登場したクルマがホンダ ライフです。N360では空冷だったエンジンの冷却方式を水冷にするなど、新世代のクルマにふさわしい進化を遂げています。
また、プラットフォームを共用する派生モデルとして、バンタイプの「ライフステップバン」や、ピックアップタイプの「ライフピックアップ」などもラインナップされました。
また、プラットフォームを共用する派生モデルとして、バンタイプの「ライフステップバン」や、ピックアップタイプの「ライフピックアップ」などもラインナップされました。
ホンダ シビック(1972年)
ホンダ シビックは、軽乗用車のライフを拡大させたようなデザインを持ちつつ、CVCCという画期的な排ガス浄化技術を搭載した小型乗用車として登場しました。
当時、主要マーケットだったアメリカにおいてクルマの排気ガスは大きな問題となっていましたが、ホンダはそれに応えるべく低公害・低燃費なCVCCエンジンを開発。これによりアメリカをはじめ国内でもヒット車種となり、現在も続くロングセラーモデルとなりました。
当時、主要マーケットだったアメリカにおいてクルマの排気ガスは大きな問題となっていましたが、ホンダはそれに応えるべく低公害・低燃費なCVCCエンジンを開発。これによりアメリカをはじめ国内でもヒット車種となり、現在も続くロングセラーモデルとなりました。
ホンダ シビック1200RS(1974年)
1972年に発売された初代シビックのスポーツバージョンとしてラインアップに加わったのが、シビック1200RSです。エンジンパワーはシビックの60PSから76PSまで引き上げられ、1.2Lながら最高速度は160km/hに達したとも言われています。
当時はオイルショックの影響から、運輸省からスポーツモデルの認可に厳しい目が向けられていたため「RS」を「ロードセーリング」の略としたという逸話もあります。
当時はオイルショックの影響から、運輸省からスポーツモデルの認可に厳しい目が向けられていたため「RS」を「ロードセーリング」の略としたという逸話もあります。
ホンダ 145クーペ(1972年)
ホンダ 145クーペは、ホンダ 1300のコンセプトを踏襲し、弱点を克服したモデルです。1300で課題だった空冷エンジンを水冷化し、エンジンが軽量化されたことで足回りにも変更が加えられました。1300のマイナーチェンジモデルに分類されることもあり、エクステリアやインテリア(内装)にさまざまな共通点を見ることができます。
ホンダ アコード(1976年)
環境性能や燃費性能でヒットしたホンダ シビックの上級車種として開発されたクルマがアコードです。シビックでも採用されたCVCCエンジンが搭載され、排気量は1.5Lまで拡大。145クーペよりも大きなボディは3ドアハッチバックの他に、翌1977年には4ドアの「アコードサルーン」が追加されました。
ホンダ プレリュード(1978年)
ホンダ プレリュードは1974年に販売終了となった145クーペ以来、約4年ぶりにクーペモデルとして登場したクルマです。国産車としてはじめて電動式サンルーフを採用し、前席を重視した4人乗りの室内空間など、スペシャリティカーの特徴が数多く盛り込まれ、シビックやアコードと同様にCVCCエンジンが搭載されました。
ホンダ シビックカントリー(1980年)
ホンダ シビックは乗用車モデルの他にも商用車モデルの「シビックバン」がラインナップされていました。その車体を用いて開発されたステーションワゴン型の乗用車がシビックカントリーです。
ステーションワゴンらしい広々とした室内空間を持ちつつ、CVCCエンジンによって高い燃費性能を実現し、エクステリアにも個性的な木目調のラインが採用されていました。
ステーションワゴンらしい広々とした室内空間を持ちつつ、CVCCエンジンによって高い燃費性能を実現し、エクステリアにも個性的な木目調のラインが採用されていました。
日本の自動車メーカーは戦前の織機メーカーや財閥などの資本を持つ企業の一部門から発足した会社が少なくありません。そんな中、戦後に本田宗一郎氏の発想力や技術力によって成長を遂げたホンダは、国産車メーカーのなかでは珍しい存在と言えるでしょう。