【プロ解説】三菱アウトランダーPHEVのエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!

国産SUVで唯一のPHEVモデルである三菱アウトランダーPHEV。ここでは、搭載されているパワートレインについて紹介しましょう。2012年12月に登場した現行型アウトランダーPHEVは2018年8月の大幅改良でPHEVが大幅に変更されており、2種類のパワートレインが存在しています。今回は、三菱アウトランダーPHEVの前期型と後期型それぞれのパワートレーンについて解説します。

文/写真・萩原文博

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三菱アウトランダーPHEV(前期型)のエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!
三菱アウトランダーPHEV(前期型)の4WDシステム(S-AWC)等を徹底解説!!
三菱アウトランダーPHEV(l後期型)のエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!
三菱アウトランダーPHEV(後期型)の4WDシステム(S-AWC)等を徹底解説!!

三菱アウトランダーPHEV(前期型)のエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!

まずは、アウトランダーPHEVに搭載されているプラグインハイブリッドEVシステム(以下PHEVシステム)の特徴を紹介し、前期、後期型の違いを解説します。 アウトランダーPHEVに搭載されているPHEVシステムは長距離移動の頻度が多い、中型乗用車クラス以上のカテゴリ向けに開発されたシステムです。

バッテリー、モーターなど主要コンポーネントの常時を常時モニタリングし、エンジン、ツインモーター4WD、回生ブレーキ、エアコンなどの空調システムなども統合制御し、低燃費かつ快適・安心な走行を可能としています。

PHEVを構成するコンポーネンツは最高出力118PS、最大トルク188Nmを発生する2L直列4気筒MIVECエンジンをはじめ、最高出力82PS、最大トルク137Nm(フロント)/195Nm(リア)を発生する永久磁石式動機型モーターを前後に一基ずつ搭載しています。

さらに、走行モードなどに応じて、エンジンの動力により発電し、駆動用バッテリーに充電するジェネレーター、80個の電池セルを直列接続して総電圧300V、総電力量12kwhを発生するリチウムイオン電池を採用した駆動用バッテリー。

そして、フロント/リアのトランスアクスルには、複雑な変速機構を必要としないモーターの特性を活かし、シンプルな1段固定式の減速機構を組み込んでいます。

また、フロントのトランスアクスルにはクラッチを内蔵し、高速走行時にはエンジンを主体として走行するパラレルモードへの切り換えを行います。JC08モード燃費で、60.2km/LのEV走行が可能で、ハイブリッド燃料消費率も18.6km/Lという優れた燃費性能を発揮します。

三菱アウトランダーPHEV(前期型)の4WDシステム(S-AWC)等を徹底解説!!

駆動方式は、前輪はモーター&エンジン、後輪はモーターでそれぞれ独立して駆動させる「ツインモーター4WD」を採用しました。

従来の4WDシステムと比べて、レスポンスが良く、きめ細やかな制御やフリクションロスの低減を実現しています。また、前後輪の駆動力制御と左右輪のブレーキ制御を組み合わせて、ドライバーの操作に忠実なハンドリングと圧倒的な走行安定性を実現する車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用。

通常走行時の「NORMAL」と走破性を高める「LOCK」という2つのモードをスイッチ操作で選択可能としています。これが前期型のPHEVシステムとなります。 

三菱アウトランダーPHEV(l後期型)のエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!

続いては、2018年8月に大幅改良された後期型のPHEVシステムの紹介です。この大幅改良では新設計された駆動用バッテリーとエンジンを搭載し、モーターやジェネレーターの出力を向上させるなどPHEVシステムの主要構成部品のうち約9割のコンポーネントを改良しました。

まず、搭載されているエンジンは従来の2Lから最高出力128PS、最大トルク199Nmを発生する2.4L直列4気筒へと排気量を拡大。

さらに高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化することで、低回転域における効率の良い発電を可能としました。

また、エンジン発電時のエンジン回転数の低減や発電量を適正化。さらにエアクリーナーやメインマフラーを改良するなど、エンジンからの発生音を低減させています。

搭載するエンジンの排気量アップに加えて、駆動用バッテリー容量を前期型の12kWhから13.8kWhに増大させることで、最高出力を10%向上。

さらにリアモーター出力を約12%、ジェネレーター出力も約10%アップさせることによりEV走行の満充電時の航続走行距離が65kmまで延長しています。

また、ハイブリッド燃料消費率はJC08モード燃費で18.6km/L(WLTCモード16.4km/L)と排気量がアップしているにも関わらず、燃費性能はキープされています。

三菱アウトランダーPHEV(後期型)の4WDシステム(S-AWC)等を徹底解説!!

車両運動統合制御システム「S-AWC」も進化しました。従来の「NORMAL」「LOCK」モードに加えて、様々な路面状況や運転状況にきめ細かく対尾婦するために、「SNOW」「SPORT」モードを追加

「SNOW」モードでは、氷雪路のような滑りやすい路面での安定性とコントロール性を高め、「SPORT」モードでは換装舗装路などでのスポーツドライビングをより楽しめるようにアクセルレスポンスと旋回性を向上させています。

前期型でも評判の高かったアウトランダーのPHEVシステムですが、大幅改良によって進化したPHEVシステムは走行性能を向上させつつEV走行による航続走行距離を延長するなど魅力が高まっています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ