新型「日産 スカイライン」を公道で試乗チェック! プロパイロット2.0など技術の日産の結晶はいかに?

日産 スカイライン 2019 宮越孝政

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各自動車メーカーは、レベル4(=高度運転自動化)の実現に向けて様々な研究やアプローチを行っています。そんな中、日産は他社に先駆けて高速道路同一車線内でのハンズオフを可能にしたプロパイロット2.0を開発し、改良型スカイラインに搭載してデビューしました。すでに、ハンドルを握っていれば、同一車線を走行可能なプロパイロットは実用化されていますが、果たして2.0とどれほどの違いがあるのでしょう?というわけで、新型 スカイライン ハイブリッド プロパイロット2.0に試乗して、その進化のほどを確かめてみました。

文・斎藤聡/写真・宮越孝政

斎藤 聡|さいとう さとし

モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。

斎藤 聡
Chapter
インフィニティ改め、日産 スカイライン"復活"
進化した"ダイレクトアダプティブステアリング"によって走りの良さに磨きがかかった「スカイライン」
ハンズオフが可能な”プロパイロット2.0”は"想像以上"の出来の良さを示す
400Rがベース?日産スカイライン400R スプリントコンセプトとは?また、トヨタの伊藤大輔さんも2020年の意気込みを語る!

インフィニティ改め、日産 スカイライン"復活"

スカイラインが復活しました。なんて書くと、たかがマイナーチェンジでずいぶん大げさな…と思われるかもしれませんが、スカイラインは今回の改良型の発表に合わせて、インフィニティ色を消して「日産スカイライン」を強く意識させるものになっています。外観では日産の顔として定着しているVシェイプモーションを採用し、エンブレもインフィニティから日産に変更。リヤテールレンズのデザインも日産伝統の丸目4灯をモチーフにしたものに変わっています。

そして、かつてのスカイラインがその時代の最先端技術を採用し進化してきたように、今回の改良版でも世界初の先進運転支援技術である「プロパイロット2.0」を搭載しました。
搭載するエンジンは、ダイムラー製の2Lターボは廃止し、3L V6ターボと3.5L V6エンジンベースのハイブリッドが用意されています。3L V6ターボは304馬力/400N・m、3.5L+ハイブリッドは306馬力/350N・mに68馬力/290N・mのモーター出力が加わります。
さらに加えてスカイラインは、3L V6ターボに405馬力を発揮する高性能版400Rというモデルも用意されています。スポーツセダンとしてのキャラクタ-を強く押し出した今回の変更と言えそうです。
そしてもう一つ。この試乗のテーマであり、新しいスカイラインの最大ともいえるトピックスが、プロパイロット2.0というハンズオフ運転。手放しで高速道路の同一車線を走ることができる機能です。もちろんいくつかの条件はありますが、いよいよ自動運転に向けたドライブアシスト制御が、高速道路でのという但し書きは付きますが、レベル3に到達。つまり手放しで高速道路を走ることができるようになったのです。

スカイラインは、スポーツセダンとしてキャラクターを復活させただけでなく最新のインテリジェントモビリティでもあるわけです。

進化した"ダイレクトアダプティブステアリング"によって走りの良さに磨きがかかった「スカイライン」

今回試乗したのはプロパイロット2.0を搭載した3.5Lのハイブリッドモデルです。ちなみにプロパイロット2.0はハイブリッドにのみ搭載されています。

高速道路での単一車線ハンズオフ走行機能を他社に先駆けて搭載することができたのは、3D高精度地図データと360°センシングを用いて正確な位置認識ができるようになったこと。それからハンドルが機械的にステアリングユニットから切り離されているダイレクトアダプティブステアリングが、重要な要素となっています。

さて、ハイブリッドの乗り味ですが、ハイブリットシステムを〔エンジン→クラッチ→モーター→クラッチ→ミッション〕という順にレイアウトすることで、2つのクラッチの断続の組み合わせによって、エンジン+モーター、エンジン、モーターと様々な駆動方式で、走らせることができます。しかもそのつなぎ目がシームレスで、まったくと言っていいほど違和感がありません。
デビュー当時は手応えが乏しかったダイレクトアダプティブステアリングも、毎年改良を重ねて進化していました。通常のドライブでは、言われなければそれとわからないくらい自然な操舵感に仕上がっています。

走らせた印象は、さすがに306馬力/400Nm+モーターの強力な動力を持ったクルマだけあって、加速は強力。速いだけじゃなく、ドシッとした安定感と安心感があります。無造作にアクセルを踏んでも易々とタイヤが空転してしまうようなことはなく、またその兆候も見られません。

それでいながら、スッキリしたハンドルの効きと、バランスよい旋回感、力強い加速感があります。カーブに向けてハンドルを切り出すと、思いのほか鼻先が軽く、スイッと軽い所作でクルマが向きを変えてくれます。クルマが軽くなったような感触に似ていますが、これはボディ剛性(たぶん)の高さと前後重量配分のバランスの良さからきているのだと思います。モダンなFRセダンの走りといえるものです。

ハンズオフが可能な”プロパイロット2.0”は"想像以上"の出来の良さを示す

ナビをセットして高速道路に入ると、高速道路本線に合流したところでプロパイロット2.0をオン。

驚かされるのは、当たり前のように車線の真ん中を走っていることです。左右への揺らぎはほとんどなく、センサーと高精度地図のマッピングで正確にクルマの位置を制御しているのでしょう。従来あった車線保持機能であるプロパイロットとは別物といっていいほど違いがあります。制御のバックボーンが根本的に違いうのです。

始めはちょっと疑いながら、でもすぐに慣れ、安心して両手放しすることができました。途中、新設のスマートインターができた区間はハンズオフ機能がカットされ、ハンドルに手を添えていることが求められましたが、それ以外はハンズオフのまま。
また全走車に追いついてしまった場合は、車線変更も可能で、その際は、モニターの指示に従ってプロパイロットの上にある車線変更ボタンを押せばOK。ここからはハンドルに手を添えている必要がありますが、ウインカーを自動的に出してくれ、タイヤが積極的に切れてレーンチェンジしてくれます。走行車線に戻る場合も、車線変更のボタンを押すことで同様の操作が自動的に行われます。

ナビに設定した高速出口が近づくと、高速道路を降りるかどうかの確認がモニターに表示され、承認してレーンチェンジのボタンを押すと、自動的にウインカーが出て、分岐を左に出てくれました。
実際にはドライブアシストの領域を超えていないのですが、感覚的には高速道路での運転を半分以上代わりにやってくれているような印象でした。

なかでも、個人的にはダイレクトアダプティブステアリングの存在が、ハンズフリー実現に大きな役割を果たしているように感じました。このステアリングシステムを開発したエンジニアによると、従来のものに比べギヤ比をスローにすることで(以前がクイック過ぎた)グッと制御がやりやすくなったということです。

ダイレクトアクティブステアリングは、ドライバーのハンドルを回す力を必要とせず、モーターのみで駆動されるよう設計されているため、駆動モーターが強力なんです。ハンズフリーにはまさにうってつけ。というか、ハンズフリーのその先にある自動運転まで見据えたステアリングシステムというわけです。試乗して、そんな可能性を強く感じたのでした。

一つ気になったのは、プロパイロット2.0が解除される時のワーニングが平凡なことです。ここまで制御が進み、ドライバーの依存度(精神上)も大きくなるので、もう少し特徴的なワーニング音で注意を促した方がいいのではないかと感じました。
改良型スカイラインのハイブリッドに試乗して感じたのは、間違いなく日産の技術の粋を集めて作り上げたクルマであり、FRセダンとしてみても、前後重量バランスの良さからくる操縦性の良さ、ハイパワーFRらしい安定性と安定感を備えたサスペンションの味付けなど、モダンなFRセダンとしても完成度が高いということです。スポーツセダンとしてのスカイラインを望むなら、3Lターボや400Rを選ぶのが良いと思います。

400Rがベース?日産スカイライン400R スプリントコンセプトとは?また、トヨタの伊藤大輔さんも2020年の意気込みを語る!

第38回目を迎えた、東京オートサロン2020。33万人を超える来場者を記録するなど年々盛り上がりを見せるイベントです。日産ブースからは、ブースの担当者である谷本さんをお招きし、レーシーなエリアとラグジュアリーなエリアについてご説明していただきました。東京オートサロン2020で登場したスカイライン 400R SPRINT CONCEPTも登場しますよ。さらになんと、会場内を探索していたらレーシングドライバーの伊藤大輔さんと遭遇!2020年の豊富を語っていただきました。 また、トヨタの山田貴子さんが作ったスマホホルダー?など面白い商品も登場します!

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