なぜ、サスペンションは変更すると良いの?【三歩目:サスペンション編】

車高を低くしてスタイリングをカッコよくしたり、ハンドリングを向上するためのサスペンション交換は、チューニングの定番メニューのひとつ。しかし最近は、ミニバンのユーザーを中心に、乗り心地を求めてサスペンションチューニングする人も増えていると言います。初心者向けチューニング入門講座の3回目は、そんなサスペンションチューンについてお伝えしましょう。

文・工藤貴宏/写真・宮越孝政

Chapter
サスペンションを交換する理由とは?
なぜノーマルより乗り心地は良くなるの?
チューニングメーカーのサスペンションは、ノーマルとどこが違うのか?
減衰力調整のメリットは?

サスペンションを交換する理由とは?

HKS(メーカーお尋ね記事)宮越孝政

サスペンションチューニングの基本メニューは、サスペンション構成部品のうちダンパー(ショックアブソーバー)とバネ(スプリング)を交換することですが、どうしてダンパーとバネを交換する必要があるのでしょうか?

HKS近藤さん:サスペンション交換の大きな目的としてハンドリングの改善があります。

ただし、理由はそれだけではありません。多くのクルマは車高を落とせば見た目がカッコよくなりますし、サスペンションを交換することで乗り心地が良くなるクルマもあります。

HKS プリウス

つまり、サスペンションチューンの多くは、オーナーがノーマルに感じている不満を解消するためにおこなうものという位置付けです。

かつて、サスペンションチューニングといえばより硬いサスペンションにするのが常識でした。だからチューニングすると乗り心地が悪くなるのは当たり前だったのです。

しかし、昨今の公道走行も考えたタイプは、昔ほど乗り心地を悪くしないのがトレンド。ミニバン用などでは、ノーマルよりも乗り心地が向上するサスペンションキットも存在するのです。

純正サスペンションのどこが不満で、どんな部分を変更したいのか?スタイル?走り?など、そういった不満点を洗い出し、目指す方向を決めることがサスペンションチューニングのはじめの一歩といえるでしょう。

なぜノーマルより乗り心地は良くなるの?

HKS

写真:和田 清志

ところで、ノーマルよりも乗り心地が良くなるのはどうしてなのでしょうか?

HKS近藤さん:純正(ノーマル)のサスペンションを作るのにあたって存在する、いくつかの制約が影響していると思います。

メーカーでは、スペースやコストといった制約により、理想的な仕上がりにできないこともあるでしょう。しかし、弊社などのサスペンションキットは、そのあたりの制約が少ないのでより狙い通りの乗り味に仕上げられています。

HKS S660 和田 清志

写真:和田 清志

そのいっぽうで、シビックType R用などは、尖ったサスペンションキットだけをラインナップしています。これはノーマルのサスペンションもスポーツ走行を想定したセッティングがなされており、これを交換する人はよりハードなタイムアタックなどをおこなうユーザーであろうという想定でセットアップをおこないました。

チューニングメーカーのサスペンションは、ノーマルとどこが違うのか?

HKS ハイパーマックスG (アルファード) 今井さん

写真:和田 清志

それでは、チューニングとして交換するサスペンションは純正品とどう違うのでしょうか?

HKS近藤さん:まず異なるのが、バネやダンパーの硬さです。その硬さの設定が変わることで、走りの味付けの違いを生むだけでなく、チューニングパーツメーカーが販売するサスペンションキットの多くは、車高が落とせるような作りになっています。

車高を落とすことで重心を低くして安定性が上がりますし、見た目もカッコよくなるからですね。また、キットによっては車高調整もできます。

HKS ALTO

車高調整がおこなえるメリットはどこにあるのでしょうか?

HKS近藤さん:一般的に、クルマは車高を低くすると、重心が下がってコーナリング性能が高まります。車高調整式なら、車高を上げたり下げたり調整することでクルマの挙動やハンドリングをセッティングできるようになります。

また前後の重量バランスを変化させ、走りの性能を高めることもできますし、車高も自分の好みで調整できるのです。

減衰力調整のメリットは?

HKS(メーカーお尋ね記事)宮越孝政

では、減衰力調整式ダンパーのメリットはどこにあるのでしょう。

HKS近藤さん:減衰力(ダンパーの硬さ)を任意に変更できるタイプなら、走りの味付けの幅がさらに広がります。走るステージや好みに応じて、ロールのしかたが調整できます。

たとえば普段はしなやかにして乗り心地を重視し、サーキットでは硬めにしてハンドリングをシャープにするという状況に合わせた使い分けが可能です。

では、減衰力調整式ダンパーのメリットはどこにあるのでしょう。

HKS近藤さん:減衰力(ダンパーの硬さ)を任意に変更できるタイプなら、走りの味付けの幅がさらに広がります。走るステージや好みに応じて、ロールのしかたが調整できます。

たとえば普段はしなやかにして乗り心地を重視し、サーキットでは硬めにしてハンドリングをシャープにするという状況に合わせた使い分けが可能です。

サスペンションチューニングは、エンジン以上に「どんなクルマにしたいのか」という“チューニングの目的”が商品選びで重要になってきます。それをしっかりと考えて、その目的に合った商品を探し出すことが成功する近道といえるでしょう。

次回は、いよいよ、チューニングの醍醐味とも言える、コンピュータ&タービン編をお送りします。

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏|くどう たかひろ