HKSが展望する次の時代

アヘッド HKSが展望する次の時代

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ボクがまだ自動車雑誌の編集者として駆け出しの頃だった。HKS製のターボチャージャーを装着したスターレットに乗り、当時の国産スポーツカーの華、スカイラインやセリカ、サバンナをスタートダッシュであっさりと置き去りにした。遡ること30年以上前の話である。

text:桂伸一 [aheadアーカイブス vol.115 2012年6月号]
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HKSが展望する次の時代

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▶︎4月22日に開催された『HKSプレミアムディin FUJI SPEEDWAY』でお披露目された、大型トラック用天然ガスエンジン。9.8ℓディーゼルエンジンをベースに開発したものだ。エンジン出力はディーゼルエンジンと同等を誇るという。右の写真はHKSの技術で320㎞/hオーバーの最高速を出したR35GT-R。www.hks-power.co.jp/


クルマの世界には性能を引き上げる〝チューニング〟というアフターマーケットパーツの世界が存在する。この世界は、クルマの性能をアップするだけに留まらず、ある意味で文化を創造してきたのである。

なかでもHKSは、市販車にターボチャージャーが搭載される以前の40年も前からターボを使うチューニングを行なってきた老舗のチューニングメーカーだ。その名は、日本だけでなく世界中に広く知れ渡っている。富士スピードウェイで開催された『HKSプレミアムデイ』はHKSの商品を扱うチューニングショップのクルマが一堂に会して行なわれた。

様々なチューニング車両の展示を初め、HKSが新たに制作した1000psというとんでもないスペックを持つR35GT|Rによる320㎞/hオーバーの最高速挑戦、トヨタ86/スバルBRZによるドリフトのお披露目走行などで盛り上がりを見せた。

「我々の現場はサーキットを初めとしたアスファルトの上です。さまざまな国のそれぞれの道路と深い関わりを持って商売をしてきました」。挨拶をする長谷川浩之代表も歯切れがいい。しかし、その挨拶の中で意外だったのは、「実は10年ほど前から次の時代はEVではなく天然ガスの時代が来るのではないかと開発を進めてきました」。と紹介された50tを牽引できる大型トラック用天然ガスエンジンだ。

「このエンジンは、タイで正式に認可を受け、日の目を見ることができました。これもアフターマーケットの世界でHKSを支持してくれた多くのショップ、チューナー、ファンの方々のお陰です」。というものだ。

HKSは、ゼロから開発したターボチャージャーを自動車メーカーに納入するまでに成長した経験がある。水上でもHKS製のスーパーチャージャーが世界で8万台以上使われ、さらに伸び続けている。超軽量飛行機の分野でもHKSは2000時間メンテナンスフリーとして世界スタンダードを越えているのだ。航空機はトラブルが即シリアスな結果に結びつく。

その世界を相手に絶対に壊れないトラブルを起こさない信頼がHKSには課せられている。『HKSプレミアムデイ』における1000psのR35GT|Rの存在も出力に耐えるエンジン、ミッション、クラッチを公の場で実践、証明して見せていたのだ。
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