ウォッシャー液を自作する方法|メリット・デメリットと安全なレシピ【夏用・冬用】

ウォッシャー液の選び方ポイント1_CarMe

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ウォッシャー液はカー用品店で数百円程度で販売されていますが、使用頻度がそれほど高くないため「いちいち買うのが面倒」と感じる人も多く、自作で代用できないかと考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに水と台所用洗剤など身近な材料でウォッシャー液を作れれば便利ですが、本当に安全に使えるのでしょうか。

本記事では、そんなウォッシャー液の基本知識から自作する方法、さらにメリット・デメリット、安全に作るための注意点や季節別(夏用・冬用)のレシピまで紹介していきます。自作に興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。

CarMe編集部

新車・自動車ニュースのWEBマガジン「CarMe[カーミー]」を運営。
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CarMe編集部
Chapter
ウォッシャー液とは?基本知識
自作ウォッシャー液のメリット・デメリット
メリット
デメリット
自作ウォッシャー液の材料とレシピ(夏用・冬用)
実際の作り方と手順
自作時の注意点・安全対策
よくある質問Q&A
Q1: ウォッシャー液がないとき、水だけ入れても平気ですか?
Q2: 自作ウォッシャー液を使って車に悪影響はありませんか?
まとめとおすすめの使い方

ウォッシャー液とは?基本知識

ウォッシャー液とは、その名の通り自動車のフロントガラスについたホコリや泥、虫の死骸などの汚れを洗い落とすための洗浄液です。走行中にガラスが汚れて視界が悪くなったとき、ウォッシャー液を噴射してワイパーで拭き取ることでクリアな視界を確保できます。

また、ウォッシャー液にはワイパー作動時の摩擦を減らし、ガラスを傷つけないようにする役割もあります。乾いた状態でワイパーを動かすと、砂埃によってフロントガラスに細かな傷がついてしまう恐れがあるため、必ず液を出してから拭き取るようにしましょう。

市販のウォッシャー液は、水にアルコール(エタノールやメタノール)と界面活性剤(洗浄成分)を加えたものが主成分となっています。製品によっては撥水効果を高めるシリコーン系のコーティング剤や、冬季に凍結しにくくするためのエチレングリコール(不凍剤)などが含まれる場合もあります。

なお、カー用品店では原液を水で薄めて使う希釈タイプとそのまま使えるストレートタイプのウォッシャー液が販売されています。用途に応じて、油膜を落としやすいタイプや撥水効果付き、寒冷地用(低温でも凍らない)など様々な種類が選べます。ただし「面倒だから」と水道水のみをタンクに入れるのは避けましょう

水だけでは冬場に凍ってしまったり汚れ落ちが悪くなる可能性があり、ウォッシャー液を使うことが推奨されています。

自作ウォッシャー液のメリット・デメリット

メリット

  • コストを抑えられる
身近な材料で代用できれば市販品を買う費用を節約できます。ただし市販のウォッシャー液も1本数百円程度(ノーマルタイプで約200円)と安価なため、大幅な節約になるとは言い難いでしょう。

  • すぐ作れる・切らさない
ストックを用意していなくても、手元に材料があれば必要なときにすぐ作って補充できます。いざ使おうとしたら液が空だった、という緊急時にも役立ちます。

  • 必要な分だけ作れる
市販品は2Lボトルなど大量ですが、自作なら使い切れる分量だけ調整でき、保管スペースや古くなる心配も少なくなります。

デメリット

  • 配合を誤るリスク
成分の割合を間違えると十分に汚れが落ちず視界不良になったり、濃すぎて泡だらけになればワイパー操作に支障が出る恐れがあります。濃度調整に失敗すると最悪ウォッシャーポンプやノズルの故障につながる可能性もあります。

  • 洗浄力が劣る場合がある
市販品は油膜落としや撥水など各種効果が付与されていますが、自作液は基本的に水と洗剤だけなので、頑固な汚れへの効果は劣ることがあります。

  • 詰まり・シミの恐れ
洗剤を入れすぎると泡や粘度の影響で配管が目詰まりしたり、ガラスに洗剤成分が残って白いシミになるケースも考えられます。

  • 冬場に凍結する
自作液に不凍成分を十分入れていないと、寒い地域や真冬の屋外駐車でタンク内やノズルの液が凍結し、出なくなる恐れがあります。

  • 雑菌が繁殖する
水道水を使った場合などはタンク内でコケやカビが発生し、悪臭や目詰まりの原因になる可能性があります。

  • 手間と自己責任
自分で材料を揃えて調合する手間がかかり、万一トラブルが起きても自己責任となります。市販品は低価格で簡単に入手できるため、そうしたリスクを負ってまで自作するメリットは薄いという指摘もあります。

自作ウォッシャー液の材料とレシピ(夏用・冬用)

  • 精製水(不純物のない水。水道水はカルキやミネラル分があるため避ける)
  • エタノール(アルコール。薬局で買える消毒用エタノールなどを使用)
  • 台所用中性洗剤(食器用洗剤。界面活性剤として少量だけ加える)
※このほか、混合や注入に使う空の容器(2Lペットボトル等)やじょうご(漏斗)も用意しましょう。
季節 精製水の量 エタノールの量 台所用洗剤の量
夏用(暖かい季節) 約2リットル 0〜200ml程度(任意) 5滴前後
冬用(寒冷時) 約1.5リットル 約0.5リットル(全体の25〜30%) 5滴前後
寒冷地など氷点下が厳しい環境では、さらにエタノール割合を増やす(例:水とエタノールを1:1に近づける)か、市販の寒冷地用ウォッシャー液を使用することをおすすめします。

洗剤は数滴で十分で、入れすぎると泡立ちや詰まりの原因になるため注意しましょう(冬季は水が少なくエタノール多めになる分、相対的に洗剤濃度も高くなるので特に入れすぎに注意)。

実際の作り方と手順

  1. 混合液を作る – 容器に精製水とエタノールを計量して入れ、フタをして軽く振り混ぜます(激しく振ると後で洗剤を入れたとき泡立つため注意)。
  2. 洗剤を加える – 混合液に台所用洗剤を1〜5滴垂らし、再度フタをしてゆっくり上下にひっくり返すなどして撹拌します。これでウォッシャー液の完成です。【ポイント】洗剤は本当に数滴でOKです。泡立ちすぎるようなら水やエタノールを追加して薄めましょう。
  3. ボンネットを開ける – 車のボンネット(フード)を開けます。運転席足元などにあるレバーを引き、外側のロックを解除して持ち上げます。
  4. ウォッシャータンクを探す – エンジンルーム内にあるウォッシャー液タンクの補給口キャップを探します。多くの車ではフタにフロントガラスに水を噴射するようなアイコン(絵柄)が描かれているので目印にしてください。
  5. 古い液があれば処理 – タンク内に以前のウォッシャー液が残っている場合は、可能であれば使い切るか抜き取って空にしておきます。異なる種類の液を混ぜないほうが安全なためです(特に市販の撥水タイプなど成分が異なるものと自作液を混合しないようにしましょう)。
  6. タンクに注入 – じょうごを使ってタンクに自作したウォッシャー液をゆっくり注ぎ入れます。一度に入れすぎず、8分目くらいまで入れましょう(満杯まで入れると走行中の揺れであふれる可能性があります)。こぼれた場合は周囲を布で拭き取ってください。
  7. フタを閉めて完了 – タンクが適量まで満たせたらキャップをきちんと閉め、ボンネットも閉じます。最後にウォッシャー液を実際に噴射してワイパーを動かし、正常に出るか、視界がクリアになるかを確認しましょう。

自作時の注意点・安全対策

  • 水道水は使わない
必ず不純物のない精製水を使いましょう。水道水やミネラルウォーターをそのまま入れると、成分をエサに雑菌が繁殖したり、カルキ(塩素)やミネラル分がフィルター目詰まりの原因になります。

  • 洗剤は少なめに
洗剤は入れすぎると泡だらけになって視界が悪化したり、配管に石鹸カスが詰まる原因になります。数滴で十分なため、入れすぎないことが最大のポイントです。

  • 冬場は凍結対策を
寒冷期にはエタノールなどアルコール成分を忘れずに入れてください。アルコール濃度が低いと氷点下で液が凍り、ポンプやノズルを破損する恐れがあります(自作するのが不安な場合、冬だけ市販の不凍タイプを使うのも一つの方法です)。

  • 異種の液を混ぜない
市販の撥水タイプや濃縮タイプなど種類の異なるウォッシャー液は混合しないようにしましょう。製品ごとに成分が違うため、混ぜると化学反応で凝固するケースもあります。種類を変えるときは、できるだけ古い液を使い切るか抜いてタンクを空にしてから入れ替えてください。

よくある質問Q&A

Q1: ウォッシャー液がないとき、水だけ入れても平気ですか?

A: 基本的にはおすすめできません。緊急時に一時的に水で代用することはできますが、水道水には不純物が多く雑菌繁殖や目詰まりの原因になります。また冬場は水だけだとすぐ凍ってしまいます。早めに専用のウォッシャー液を補充しましょう。

Q2: 自作ウォッシャー液を使って車に悪影響はありませんか?

A: 適切に調合していれば大きな悪影響はないと考えられます。ただ、市販品には防錆剤など車に害を与えない添加剤が含まれているため、長期的にはそうした違いで差が出る可能性もあります。気になる場合は無理せず市販品を使いましょう。

まとめとおすすめの使い方

ウォッシャー液は自作することも可能であり、身近な材料で作れればいざというときの対処やちょっとした節約にもなります。しかしメリット・デメリットでも述べたように、コスト面の差は小さく、配合を誤るとトラブルにもつながりかねません。DIYに挑戦する際は本記事の手順や注意点を参考に、自己責任で正しく作業することが大切です。

日頃からウォッシャー液の残量をチェックし、早めに補充しておく習慣をつけましょう。自作に不安がある場合や、真冬の厳寒期など性能が心配な場合は、市販の専用品を使うのも賢明な選択です。目的や季節に合わせて上手にウォッシャー液を使い分け、クリアな視界で安全なドライブを楽しんでください。
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