車のバッテリーはアイドリングでも充電される?走らないとダメ?

クルマを点検して「バッテリーが弱っていますよ」と言われたことはないでしょうか。これはバッテリー電圧が下がっている(12.5V以下あたりが目安)という意味で、バッテリーが傷んでいることもあれば、単に充電が足りていないこともあります。

では、後者の充電が足りていないというのは、どういうことでしょう。そもそも、クルマのバッテリーはどのように充電しているのか、ご存知でしょうか。

文・山本 晋也

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アイドリングでも発電するが消費に追いつかないことも
エンジン回転数が上がるほど発電量は増えていく

アイドリングでも発電するが消費に追いつかないことも

バッテリー

主にエンジンルームで見ることができる大きくて重いクルマのバッテリー。通称「鉛バッテリー」と呼ばれているバッテリーはエンジン始動、システム起動時の電力を担うだけでなく、走行中のカーオーディオやヘッドライトなどの電装品への電力供給も行なっています。現代のクルマにはなくてはならないアイテムであり、重要度が上がっているのがバッテリーです。

バッテリーから電気が出ていくだけでは、あっという間にバッテリーはあがってしまいます。そのためエンジン車ではエンジンの補機として「オルタネーター(ジェネレーター)」と呼ばれる発電機を備えており、エンジンがかかっている状態であれば常にバッテリーに充電するような仕組みになっています。

走りながら充電して、そこから電力を利用するという仕組みなのです。この発電機はエンジンとベルトでつながっていることが多く、エンジン回転数によって発電量が変わってくる構造になっています。そのためエンジン回転数が低い、アイドリング状態では発電量は少なめです。

アイドリングでバッテリーからの持ち出しが起きないよう、通常時の最低電力はカバーするような設計になっていますが、空調ファンを勢いよく回していたり、ヘッドライトやフォグライトを点けていたり、ワイパーやデフロスターを使って視界を確保していたりすると発電能力が追い付かなくなります。

たとえば大雪や台風の夜道というのはバッテリーに厳しいシチュエーションです。こうしたときにアイドリング状態で長く停車しているとバッテリーの持ち出しが増えてしまいます。そうなると、いまどきのエンジンはコンピュータ制御ですからエンジンが止まってしまいます。

エンジン回転数が上がるほど発電量は増えていく

パナソニック バッテリー

最近のクルマは、バッテリーの電圧や充電量をチェックして、バッテリーからの持ち出しが増えそうになるとエンジン回転数を自動的に上げて(アイドルアップなどといいます)、発電量を確保するようになっていますが、旧車などではそうした機能がないこともありますから注意が必要です。かつてバッテリー電圧計が標準装備されていたのは、ドライバーが発電量を意識するためという面もあったわけです。

基本的には、それなりのエンジン回転数になるように走らせなければバッテリーは充電できないといえます。ですから、バッテリーの充電が足りていないと指摘されて、ただ駐車場でアイドリングさせているだけではバッテリーは回復しないと考えたほうがいいでしょう。

そもそもアイドリングで放置しておくのは、地域によっては禁止条約に引っかかってしまいますのでNGです。無駄に走らせる必要もありませんが、それなりのペースで遠出をするなどしたほうが、バッテリーに限らずクルマ全体のコンディションが整うことでしょう。