鉄仮面や水中メガネなど…クルマの面白い愛称5選

鉄仮面:日産 スカイライン(6代目)

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クルマはカローラやノートといった正式な名称があります。しかし人気の高いクルマはAE86やR32のように車両の型式で呼ばれることも多いです。

今回紹介する5台は正式な名称や型式ではなく、まったくクルマに関係のない“愛称”で呼ばれるクルマとその由来を紹介します。

文・萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
鉄仮面:日産 スカイライン(6代目)
ブルドッグ:ホンダ シティターボⅡ(初代)
ダルマ:トヨタ セリカ(初代)
水中メガネ:ホンダ Z(初代)
てんとう虫:スバル 360

鉄仮面:日産 スカイライン(6代目)

昭和40年代生まれの筆者が、クルマの愛称で真っ先に思いつくのが6代目日産 スカイライン後期型の“鉄仮面”です。過去に所有したこともあります。

1981年〜85年に販売された6代目スカイラインは俳優そしてレーシングドライバーのポール・ニューマンをTV-CFに起用したことで、当初ニューマンスカイラインと呼ばれていました。

そのラインアップの中にRSと呼ばれるスポーティモデルを設定。前期型は西部警察の特装車として活躍しました。1983年のマイナーチェンジで後期型となり、内外装が変更されスポーティモデルのRSは薄型のヘッドランプ、グリルレスのフロントマスクとなり、「鉄仮面」と呼ばれました。

このRSをベースとしたレーシングカーで日産はワークスによるレース活動に復帰します。ハイパフォーマンスながら、GT-Rと名乗れなかったモデルとして現在でも人気が高いモデルです。

ブルドッグ:ホンダ シティターボⅡ(初代)

全高1,470mmというトールボーイスタイルと呼ばれたボディ形状によって、コンパクトカーながら、広い室内空間を実現したのが、1981年に登場したホンダ シティです。

当時この革新的なパッケージにより、大ヒット。その後シティはオープンカーのカブリオレやハイルーフ仕様のマンハッタンルーフを追加します。そして1982年に過給器のターボを装着したスポーティモデル、シティターボを追加。

さらに、1983年10月にはシティターボにインタークーラーを装着し、戦闘力をアップしたシティターボⅡが登場します。

このシティターボⅡの愛称がブルドッグです。丸目の愛嬌あるフロントマスクが由来かと思いますが、当時のシティターボⅡのTV-CFにメタル製のプロテクターを装着したブルドッグが登場しており、このCMキャラクターが愛称の由来と言えます。

現在の軽自動車と変わらない全長3,420mmのボディに最高出力110psを発生するパワフルな1.2Lエンジンを搭載。その走行性能の高さにより、ワンメイクレースも行われました。もしかすると、タイプRのルーツかもしれませんね。

ダルマ:トヨタ セリカ(初代)

トヨタ スープラが17年振りに復活することで、賑やかになっていますが、トヨタのスペシャリティカーのパイオニアといえば、セリカです。初代セリカは1970年に登場しました。ラリーをはじめモータースポーツのベース車両として歴代モデルが活躍しました。

初代セリカは2ドアクーペとリフトバックと呼ばれる3ドアハッチバックが設定されていますが、"ダルマ"と呼ばれるのは2ドアクーペのみ。

スポーティなセリカがダルマとはなかなか結びづらいですが、ボディがダルマのようにふくよかだったこと。そしてスラントノーズのフロントマスクを正面から見ると、メッキバンパーがダルマのヒゲに見えたからとも言われています。

セリカはその後、流面形と呼ばれた4代目のセリカGT-FOURが映画『私をスキーに連れてって』でゲレンデを激走し、大人気となりました。

水中メガネ:ホンダ Z(初代)

現在、軽自動車の販売台数トップをひた走るホンダ N-BOX。そのルーツがホンダ N360です。

このN360をベースにスペシャリティカーとして仕立てられたのが初代Z360、水中メガネという愛称で親しまれたクルマです。

1970年に発売されたZ360はクーペスタイルの外観デザインを採用しつつ、大人4人が乗れるキャビンスペースを確保していました。水中メガネという愛称の由来となったのはリアウィンドウの形状です。

ルーフを後方まで伸ばしたため、ガラスハッチの部分が斜めにカットされています。そのガラスハッチに黒くて太い樹脂製の枠が装着され、その形が当時の水中メガネに似ていたことが由来となっています。

リアウィンドウの形状も特徴ですが、まるで航空機のようなコックピットも多くの人を魅了しています。

現在、ホンダはホンダジェットを販売しており、当時から航空機製作にかけるエンジニアの想いを感じることができます。

てんとう虫:スバル 360

1958年に現在のSUBARU当時の富士重工業が大衆車とし日本初の軽自動車として発売したのが、テントウ虫の愛称で親しまれているスバル 360です。

中島飛行機がルーツであるSUBARUは航空機技術を応用したモノコック構造や素材など斬新なアイデアによってコンパクトなボディながら大人4人が乗れる軽自動車を開発に成功。愛称のテントウ虫はフォルクスワーゲン タイプIのビートルとの対比やそのコンパクトにまとめられたデザインが由来となっています。

日本にモータリゼーションを根付かせた大衆車であるスバル 360が国産車初の愛称で呼ばれたクルマかもしえません。このスバル 360は機械遺産として当時の優れた技術力が高く評価されています。

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