「RB26DETT」や「1LR-GUE」など…平成に誕生した名エンジン6選

平成ももうすぐで終わり…平成が始まったころはバブル絶頂期で、今でも根強いファンを持つ車種が多く誕生しました。そんな日本自動車業界的には「イケイケ」な時代でスタートした平成。約30年間の時代の移り変わりと共に、様々な車種が登場し、そして様々なエンジンが搭載されました。今回はそんな平成の車たちを支えたエンジンをご紹介!もしかすると純粋なガソリンエンジンがこれほど誕生するのは平成時代が最後になるかもしれません。

文・西川昇吾

Chapter
ミニバンからスポーツカーまで何でもござれ「2GR系エンジン」
日本車初の500馬力超え「1LR-GUE」
これぞ高回転型エンジン「F20C」
平成最後のロータリー「13B-MSP(レネシス)」
税金よりレースでの勝利を求めた「RB26DETT」
日本車唯一のV12エンジン「1GZ-FE」

ミニバンからスポーツカーまで何でもござれ「2GR系エンジン」

最初にご紹介するのはトヨタの3.5リッターV6エンジンの2GR。2003年末に12代目クラウン、通称ゼロクラウンに2GR-FSE型が搭載されて登場しました。

その後マークXやレクサスのIS350、GS350などに搭載され、横置き設計の2GR-FE型が3.5リッターモデルのエスティマやハリアー、変わったところだとブレイドマスターなどに搭載されました。

さらに、イギリスのスポーツカーの名門「ロータス」は280馬力の2GR-FEエンジンにスーパーチャージャを組み合わせて350馬力にパワーアップし、エヴォーラやエキシージに搭載しています。現行モデルでもまだまだ現役な2GR系は、次の年号でも使用されていくことでしょう。

日本車初の500馬力超え「1LR-GUE」

レクサス LFA

1LR-GUEというエンジン型式を聞いてピンとくる方はエンジンマニアな方ではないでしょうか?このエンジンはレクサスLFA専用エンジンで、自然吸気の4.8リッターV10は560馬力を発生。これは日本車市場初めての500馬力超えとなりました(2009年デビュー当時)。

一基につき一人のエキスパートが組み立てをし、各部品の加工法も精度を高めるための対応を専用に行う…という開発は勿論生産もコスト度外視のエンジン。

ドライサンプ方式の採用でオイル容量は17リッター、各気筒独立した10連スロットル、エンジン単体で(エンジンAssy)900万円程…と、端的に特徴を上げるだけでもこのエンジンの特殊性が分かると思います。

これぞ高回転型エンジン「F20C」

1999年にホンダにとって久々のFRとして登場したS2000。そのS2000前期型に搭載されたF20Cのレブリミット9000回転に設定されており、市販車としては超高回転型なユニットになります。

その超高回転型ユニットは自然吸気の2リッターエンジンながら250馬力を発生。レシプロ自然吸気エンジンでリッター当たり125馬力という数値は、現代の水準から見ても世界トップクラスです。

「低速トルクがなくて、街中で乗りづらい」なんて声も聞こえるかもしれませんが、高回転のVTECゾーンに入ればそんな理屈が吹き飛ぶエンジンです。

平成最後のロータリー「13B-MSP(レネシス)」

マツダ RX-8 レネシス 2008

続いて紹介するのは、残念ながら平成最後のロータリーエンジンとなってしまった13B-MSPです。

RX-8に搭載されたこのエンジンはマツダが世界に誇る唯一無二のロータリーエンジンで、先代RX-7に搭載された13B-REWの単純なNA版ではなく、サイド排気ポートを市販で初めて採用しています。

コンパクトでハイパワーなロータリーエンジンらしく1.3リッターながら250馬力を発生しています(前期型カタログ値)。最大パワー発生回転数は8500回転、レブリミットは9000回転からとこちらも高回転型ユニットとなっており、ひとたびアクセルを踏み込めばロータリーエンジンのネガティブな面などどうでも良くなり「回したくなる!」そんなエンジンです。

税金よりレースでの勝利を求めた「RB26DETT」

RB26DETTエンジン 1989年

平成の幕開けと共に久々の復活をした日産スカイラインGT-R。280馬力という自主規制いっぱいのハイパワーを生み出すのはレースに勝つために開発されたRB26DETTです。第二世代GT-RはRB26DETT世代とも言えます。

グループA規定で行われていた全日本ツーリングカー選手権で勝利するために開発されたため、過給機係数を考慮した結果2.6リッターという中途半端な排気量となっています。600馬力にも平気で耐えられるように開発されたエンジンは、チューニングベースとしても数多く使用されました。

ベースとなるエンジンがあったとはいえ、レースのために新たな型式のエンジンを開発するあたりも、2.6リッターというほぼ2.5リッターなのに3リッターと同じ税金を払わなければいけない車種が人気となったあたりも、日本のバブルの凄さを感じます。

日本車唯一のV12エンジン「1GZ-FE」

最後にご紹介するのは1997年デビューの2代目センチュリーに搭載された1GZ-FEです。センチュリー専用設計となるこのエンジンは、2018年のフルモデルチェンジでセンチュリーがV8エンジンとなってしまったため、後にも先にも日本車唯一のV12エンジンとなりました(2019年2月現在)。

5リッターのV12エンジンは280馬力と当時の自主規制に合わせた出力となっており、あまりハイパワーな印象は持たれないかもしれません。しかしこのエンジンの面白いところは圧縮天然ガス(CNG)仕様がラインナップされているところでしょう。これは官公庁での使用を想定したものですが、天然ガス仕様のV12は世界的にみてもかなり珍しいでしょう。