新型センチュリーにV12エンジンは不採用…国産車とV12エンジンの今後
更新日:2024.09.09
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東京モーターショー2017において、トヨタ センチュリーのプロトモデルが発表になりました。センチュリーと言えば、国産車唯一のショーファードリブンカーで、唯一V型12気筒エンジンを搭載したモデル。ですが、発表された新型に搭載されていたのはV型8気筒+モーターというハイブリッドシステムでした。
2017年東京モーターショーに現れた新型センチュリー
センチュリーのV型12気筒エンジンとは?
そもそもV型エンジンとはどんなものなのでしょうか。V型エンジンはその名の通り、クランクシャフトに繋がれたピストンとコンロッドが、正面から見ると「V」の字に見えることから名付けられました。V6気筒からV12気筒が、自動車用エンジンとしては一般的です。
一方、ほとんどのクルマに搭載されているのは、直列型エンジンです。これはピストンとコンロッドが、まっすぐ縦に並んでいるものです。この並びのことを”バンク”と言い、バンクがどう並んでいるかによって呼び方が変わるわけです。
V型エンジンはピストンが互い違いに配置されているため、直列エンジンに比べるとサイズを小さくすることができます。これにより搭載スペースが小さく済むため、そのぶんのスペースを居住空間やクラッシャブルゾーンなどの安全性のための空間に充てることができるわけです。
また重心が低いのもV型エンジンのメリットのひとつで、それが優れた運動性能や快適な乗り心地に繋がっています。
V型は気筒が多くなるほど、アクセルを踏んだ時のトルク変動が少なくなり、優れたレスポンス、加速性を発揮します。これまでセンチュリーに積まれていた1GZ-FE型5.0L V12エンジンは、まるでモーターのような加速が特徴です。
そのため、加速をしても前後にギクシャクと揺れることがなく、振動も抑えることができます。まさにセンチュリーらしい高級感のある乗り心地を実現しているのです。
ちなみにV12エンジンは、フェイルセーフという点でもメリットを持っています。フェイルセーフとは故障や誤作動の時でも、安全側に制御する性能のことを言います。V12エンジンは片側のバンクが停止しても、もう一方のバンク6気筒だけで動くという特徴を備えており、エンジントラブルに強いというメリットを持っています。
ではV型エンジンのデメリットは? というと、直列エンジンに比べると部品点数が多いため構造が複雑になり、同時に重量が増えてしまいます。これは燃費という点でマイナスになるだけでなく、自動車メーカーとしてはコストの面で厳しくなるのです。
一方、ほとんどのクルマに搭載されているのは、直列型エンジンです。これはピストンとコンロッドが、まっすぐ縦に並んでいるものです。この並びのことを”バンク”と言い、バンクがどう並んでいるかによって呼び方が変わるわけです。
V型エンジンはピストンが互い違いに配置されているため、直列エンジンに比べるとサイズを小さくすることができます。これにより搭載スペースが小さく済むため、そのぶんのスペースを居住空間やクラッシャブルゾーンなどの安全性のための空間に充てることができるわけです。
また重心が低いのもV型エンジンのメリットのひとつで、それが優れた運動性能や快適な乗り心地に繋がっています。
V型は気筒が多くなるほど、アクセルを踏んだ時のトルク変動が少なくなり、優れたレスポンス、加速性を発揮します。これまでセンチュリーに積まれていた1GZ-FE型5.0L V12エンジンは、まるでモーターのような加速が特徴です。
そのため、加速をしても前後にギクシャクと揺れることがなく、振動も抑えることができます。まさにセンチュリーらしい高級感のある乗り心地を実現しているのです。
ちなみにV12エンジンは、フェイルセーフという点でもメリットを持っています。フェイルセーフとは故障や誤作動の時でも、安全側に制御する性能のことを言います。V12エンジンは片側のバンクが停止しても、もう一方のバンク6気筒だけで動くという特徴を備えており、エンジントラブルに強いというメリットを持っています。
ではV型エンジンのデメリットは? というと、直列エンジンに比べると部品点数が多いため構造が複雑になり、同時に重量が増えてしまいます。これは燃費という点でマイナスになるだけでなく、自動車メーカーとしてはコストの面で厳しくなるのです。
V12エンジンを採用する現行モデル
そもそもV型12気筒エンジンを初めて量産したのは、かつてアメリカにあったパッカード社です。
1916年に発売されたツイン・シックスというモデルに搭載されました。ライバルだったキャディラック車がV8エンジンを搭載していたため、と言われています。
V型エンジンは、同じエンジンルームで排気量を増やしたい場合に、気筒数を比較的容易に増やせます。直列エンジンのように、全体のサイズが極端に大きくなることがありません。
また同じ排気量で気筒数が多いと、1気筒あたりの容積が少なく済み、ショートストローク化が可能です。ショートストロークになるとレスポンスが向上し、同時に低振動になるというのが一般的な考え方です。
またV12エンジンは、V6やV8に比べると燃焼サイクルが早いため、排気音が高くなるという特徴があります。この高い排気音が気持ちいいということで、スポーツカーにうってつけという見方もあるのです。
2016年にセンチュリーが生産を中止してから、国産車では乗用車、バス、トラックすべてのカテゴリーにおいて、V12エンジンを搭載しているモデルはありません。一方、海外モデルではV12エンジンを搭載しているものがまだあります。
メルセデスベンツのSクラスやフェラリーのF12ベルリネッタ、FFなどです。こうしたモデルは、V12の官能的なフィーリングにこだわっているためですが、じつはV12は徐々に姿を消す運命にあるエンジンなのです。
1916年に発売されたツイン・シックスというモデルに搭載されました。ライバルだったキャディラック車がV8エンジンを搭載していたため、と言われています。
V型エンジンは、同じエンジンルームで排気量を増やしたい場合に、気筒数を比較的容易に増やせます。直列エンジンのように、全体のサイズが極端に大きくなることがありません。
また同じ排気量で気筒数が多いと、1気筒あたりの容積が少なく済み、ショートストローク化が可能です。ショートストロークになるとレスポンスが向上し、同時に低振動になるというのが一般的な考え方です。
またV12エンジンは、V6やV8に比べると燃焼サイクルが早いため、排気音が高くなるという特徴があります。この高い排気音が気持ちいいということで、スポーツカーにうってつけという見方もあるのです。
2016年にセンチュリーが生産を中止してから、国産車では乗用車、バス、トラックすべてのカテゴリーにおいて、V12エンジンを搭載しているモデルはありません。一方、海外モデルではV12エンジンを搭載しているものがまだあります。
メルセデスベンツのSクラスやフェラリーのF12ベルリネッタ、FFなどです。こうしたモデルは、V12の官能的なフィーリングにこだわっているためですが、じつはV12は徐々に姿を消す運命にあるエンジンなのです。
国産車とV12エンジンの今後の関係
かつてはF1マシンにもV12エンジンが搭載されていましたが、V10、V8とどんどん排気量と気筒数が減り、現在では1.6ℓV6ターボエンジン+ハイブリッドシステムがレギュレーションとなっています。21世紀に入ってからは、自動車業界でV12エンジンが徐々にフェードアウトする傾向になっているのです。
いくつかの理由があります。かつてはパワーや静粛性で有利だったV12エンジンですが、テクノロジーの進化のおかげでV6やV8エンジンでも見劣りしない性能を確保することができるようになりました。あわせて、昨今はエコロジー性能が重視されており、大排気量の高級車やスポーツカーと
言えども、燃費や環境性能の悪いクルマは社会的に敬遠されがちとなっています。
さらに安全面の充実度もニーズとして求められており、よりサイズの小さなエンジンを搭載することで、衝突安全性などを向上させることに注力されています。
トヨタも次期センチュリーでは5.0L V12エンジンに代わって、同じ5.0LながらV8+モーターというレクサス LSと同じハイブリッドシステムを採用することを発表しました。
V8エンジンの高出力、高効率化に加えて、モーターアシストという強力な技術が現代にはあるからです。もはやV12が持っていた優れた動力性能や快適性能以上のものを、新世代のハイブリッドシステムが実現しました。
なによりも燃費や環境性能という点で、V12エンジンはハイブリッドシステムにおよぶところではありません。運転手にドライブさせて移動するショーファードリブンカーだからこそ、社会的に環境性能は重要というわけです。
いくつかの理由があります。かつてはパワーや静粛性で有利だったV12エンジンですが、テクノロジーの進化のおかげでV6やV8エンジンでも見劣りしない性能を確保することができるようになりました。あわせて、昨今はエコロジー性能が重視されており、大排気量の高級車やスポーツカーと
言えども、燃費や環境性能の悪いクルマは社会的に敬遠されがちとなっています。
さらに安全面の充実度もニーズとして求められており、よりサイズの小さなエンジンを搭載することで、衝突安全性などを向上させることに注力されています。
トヨタも次期センチュリーでは5.0L V12エンジンに代わって、同じ5.0LながらV8+モーターというレクサス LSと同じハイブリッドシステムを採用することを発表しました。
V8エンジンの高出力、高効率化に加えて、モーターアシストという強力な技術が現代にはあるからです。もはやV12が持っていた優れた動力性能や快適性能以上のものを、新世代のハイブリッドシステムが実現しました。
なによりも燃費や環境性能という点で、V12エンジンはハイブリッドシステムにおよぶところではありません。運転手にドライブさせて移動するショーファードリブンカーだからこそ、社会的に環境性能は重要というわけです。
日本最高峰の自動車、センチュリーが、このように“脱V12”に舵を切った以上、今後国産車にV12エンジンが積まれることはないと言ってもいいでしょう。
それどころか、欧州での2040年までに内燃エンジン全廃宣言を受けて、EV化が加速すると思われます。もしかするとセンチュリーも、遠くない未来に電気自動車になっているかもしれません。
それどころか、欧州での2040年までに内燃エンジン全廃宣言を受けて、EV化が加速すると思われます。もしかするとセンチュリーも、遠くない未来に電気自動車になっているかもしれません。