エコで省エネのハイブリッドとはどんな車?…じつはエコじゃない環境配慮!?事実3つ
更新日:2024.09.09
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地球温暖化抑制のために自動車の排出ガスによる大気汚染を抑える、といった目的で、環境省からも推奨されている「エコドライブ」や「エコカー」。燃費の改善もできるため、お財布に優しい(=エコ)とも言われますが、本当に”エコカーだからエコ”、”エコドライブすればエコ”と言って良いのでしょうか?
文・吉川賢一
文・吉川賢一
エコカーは、環境に優しいエコではない!?
「エコカー」の代表といえるハイブリッド車は、ガソリン車に比べて燃費に優れ、エコカー減税や補助金でお得に購入ができます。
しかしながら、同クラスのガソリン車と比べると、車両本体価格には大きな開きがあり、その差を燃料代で埋めるためには、10年ほど乗り続けなければならないようです。これでは、お財布に優しい(=エコ)クルマとはいえませんよね。
また電気モーターや動力用のバッテリーを装備することで、重量は100kg近く(EVだと約200~300kg)重くなります。環境省がエコドライブをすすめるなかで、「100kgの荷物を載せて走ると3%燃費が悪化するので不要な荷物はおろそう」と啓蒙する一方で、重量が重たくなるエコカーを奨めているのには、どこか矛盾のようなものを感じてしまいます。
他にも、大きなニッケル水素バッテリーやリチウムイオンバッテリーは、バッテリーの生産に多くのエネルギーが必要な上、廃棄処理も難しいのが現状です。各自動車メーカーも、使用済の動力用バッテリーのリサイクルに力を入れてはいますが、まだまだ十分とはいえません。
さらに、廃車となったハイブリッド車からの廃棄物には、再利用しにくい材料も多く、処理場では不適切な焼却によるダイオキシン類の発生や、 汚水の流出も不安視されています。環境に負荷のない廃棄技術が整っていないまま、ハイブリッド車を売り出してしまったことには、疑問を感じずにはいられません。
しかしながら、同クラスのガソリン車と比べると、車両本体価格には大きな開きがあり、その差を燃料代で埋めるためには、10年ほど乗り続けなければならないようです。これでは、お財布に優しい(=エコ)クルマとはいえませんよね。
また電気モーターや動力用のバッテリーを装備することで、重量は100kg近く(EVだと約200~300kg)重くなります。環境省がエコドライブをすすめるなかで、「100kgの荷物を載せて走ると3%燃費が悪化するので不要な荷物はおろそう」と啓蒙する一方で、重量が重たくなるエコカーを奨めているのには、どこか矛盾のようなものを感じてしまいます。
他にも、大きなニッケル水素バッテリーやリチウムイオンバッテリーは、バッテリーの生産に多くのエネルギーが必要な上、廃棄処理も難しいのが現状です。各自動車メーカーも、使用済の動力用バッテリーのリサイクルに力を入れてはいますが、まだまだ十分とはいえません。
さらに、廃車となったハイブリッド車からの廃棄物には、再利用しにくい材料も多く、処理場では不適切な焼却によるダイオキシン類の発生や、 汚水の流出も不安視されています。環境に負荷のない廃棄技術が整っていないまま、ハイブリッド車を売り出してしまったことには、疑問を感じずにはいられません。
停車時のアイドリングストップは、エコ妨害!?
アイドリングストップ機能は、赤信号で停車したとき、人を待っているとき、荷物の積みおろしのときなどに、燃料消費をとめるメリットがあります。データによると、5分間のアイドリングストップで、CO2を160g削減でき、約10円の節約になるそうです。
しかし、アイドリングストップ機能が逆効果となってしまうケースもあるのです。それは、停止と発進を頻繁に繰り返すような渋滞の場面。エンジンの再始動時は、瞬間的にガソリンを消費するので、エンジン再始動をして、ちょっと進んで、エンジン停止して、を繰り返すようなシーンだと、かえってアイドリングストップがエコ運転の邪魔となってしまうこともあるのです。
しかし、アイドリングストップ機能が逆効果となってしまうケースもあるのです。それは、停止と発進を頻繁に繰り返すような渋滞の場面。エンジンの再始動時は、瞬間的にガソリンを消費するので、エンジン再始動をして、ちょっと進んで、エンジン停止して、を繰り返すようなシーンだと、かえってアイドリングストップがエコ運転の邪魔となってしまうこともあるのです。
ふんわりアクセルは誰のためのエコ?
もうひとつ、環境省の奨める「ふんわりアクセル e-スタート」にも、疑問があります。趣旨は、スタート直後に20km/hまで5秒間かけてゆっくりと発進しましょう、というものです。
ところが、右折矢印の出る交差点などでふんわりアクセルを実行すると、10台右折できるところが8台しか通過できないということが起こります。
つまり、1台がふんわりアクセルで燃費を稼ぐ一方、後続の9台、10台目は信号で引っかかり燃費が悪化。交通社会全体でとらえると、むしろ逆効果となりえます。このように、場合によっては、交通の流れに合わせて、力強い加速をしたほうが良いこともあるのです。
ところが、右折矢印の出る交差点などでふんわりアクセルを実行すると、10台右折できるところが8台しか通過できないということが起こります。
つまり、1台がふんわりアクセルで燃費を稼ぐ一方、後続の9台、10台目は信号で引っかかり燃費が悪化。交通社会全体でとらえると、むしろ逆効果となりえます。このように、場合によっては、交通の流れに合わせて、力強い加速をしたほうが良いこともあるのです。
環境やお財布に優しいとされるエコカーやエコドライブですが、じつはエコではない部分や、むしろ逆効果となってしまうことがあります。エコドライブは、時と場合を考えて実行しましょう。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。