意外と知らない?排気量と馬力の関係を解説

日産 GT-R 2017年モデル

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クルマ好きなら知ってて当然と言われても、意外と知らないかもしれない排気量と馬力の関係。排気量と馬力が相関したり、比例したり、どのような関係があるのでしょうか?
Chapter
排気量の大小で、馬力は変わるのか
排気量は大きいほうが良い
直接的に影響するのは馬力よりトルク
トルクを見れば排気量も見えてくる

排気量の大小で、馬力は変わるのか

「最高出力」という意味での馬力は、エンジンの排気量だけでは決まりません。

ホンダ S2000が搭載していたF20C型VTECエンジンは、最高出力が250psもありましたが、同じ2.0L 4気筒エンジンでも、トヨタ ハイラックスが搭載していた1RZ-Eの最高出力は110psしかありませんでした。

同じ排気量でも”実用エンジンで、必要な性能があればいい”と割り切れば、それほど馬力は追いませんし、”スポーツカー用エンジンとして、とにかく尖った性能を!”と張り切れば、高い馬力を叩き出す。クルマ好きなら、知っている話です。

では排気量と馬力は、まったく関係が無いのでしょうか?

排気量は大きいほうが良い

歴代国産市販車のNAエンジンでは、1998年に発売された日産 パルサー VZ-R N1のSR16VE型が、1.6L最高の200ps。2.0Lは、前述のホンダ S2000のF20C型が250psです。つまり、排気量が大きいほうが、馬力を上げる余地は大きいというわけです。

ただし、それもベースエンジンによるところが大きく、いまではごく稀なケースですが、日産 RB26DETTのようにチューニングを進めていけば、排気量を変えずに1,000psオーバーの出力を発生させることができる場合もあります。

直接的に影響するのは馬力よりトルク

排気量が直接的に影響を及ぼすのは、馬力よりもむしろトルクです。馬力は、物理的限界はあるものの、とにかくエンジンを高回転で回せば高めることができます。しかし、トルクはただ高回転にすれば良いというものではありません。

もちろんある程度の回転数は必要ですが、そもそもトルクが無ければ、クルマは発進もその後の加速も力不足でモッサリしてしまいます。速く走る必要は無いので”馬力はそれなりでも良い”と割り切っても、実用的な加速性能に対して”トルクもそれなり”とはいかないのです。

そのため、トルクが必要なクルマでは排気量を上げたり、スーパーチャージャーやターボといった過給器を装着してトルクを稼ぎます。

トルクを見れば排気量も見えてくる

NAガソリンエンジンのトルクを見るとき、筆者は排気量の1/100を目安にしています。つまり、1.0Lなら10kgm(約100Nm) 、2.0Lなら20kgm(約200Nm)といった具合です。高性能エンジンではその1割増くらい、性能がそれなりのエンジンだと1割減くらいでしょうか。

またターボやスーパーチャージャーでトルクを太らせたエンジンが、どれぐらいの排気量に相当するのかがわかります。これは馬力を見てはできないことなので、排気量と一番密接な関係にあるのはトルクと言えるでしょう。

大トルク車のほうが速くて乗りやすいことも、逆にトルクが細くても高回転まで回すのが楽しいエンジンがあることも、クルマ好きたちは知ってます。

そのため、クルマ好きほど、馬力の数値よりも、それが回転数に対してどのように発揮されるかを表したパワーカーブを、さらにトルクの数値やトルクカーブを重視していくものです。

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