1馬力ってどれくらいのパワー?人間でもだせるの?

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自動車のエンジン出力を示す単位として使われている"馬力"。「このクルマ、○○馬力もある!」という会話があるかと思いますが、1馬力とは一体どれくらいのパワーのことなのでしょうか。はたして人間でも出せるものなのでしょうか。今回は、この馬力を他のものに置き換えながら紹介していきます。

文・吉川賢一
Chapter
1馬力とはどれくらいの大きさなのか?
馬力を身の回りのものに換算してみた
人間は1馬力をだせるのか?
人間が出せる馬力の限界はどのあたりか?

1馬力とはどれくらいの大きさなのか?

名前の通り、もともとは馬一頭が発揮する仕事率を1馬力と定めたことが由来です。1馬力の大きさは、輓馬(荷を引く馬)が、続けて荷物を引っ張るときの仕事率を基準に決めています。

継続して発揮できる量を表しており、単純に”馬の最高出力=1馬力”というわけではありません。ちなみに、競走馬のサラブレッドの脚力は、数十馬力にもなります。

もう少し詳しくみると「75kgの重量の物体を1秒間に1m動かす(持ち上げる)力」、つまり75kgf・m/sが1馬力となります。

馬力を身の回りのものに換算してみた

それでは、この1馬力をわかりやすく身の回りのもので換算してみましょう。

75kgの成人男性を1m、1秒間で持ち上げる場面を想像してみてください。かなりの力が必要ですよね。それを連続して行うことができれば、1馬力の人間ということになります。

次に、水の中を泳ぐ生物たちに換算してみましょう。(今回は簡単にするために水の抵抗は端折っています)

池で泳いでいるコイは全力で泳ぐと、時速3.5kmほどのスピードで泳ぐことができます。コイの重さを1kgとした場合、馬力は0.001馬力です。

これが時速15kmで泳ぐことができる重さ20kgの大きなカンパチになると0.11馬力。時速35kmで泳ぐイルカ(体重400kg)は5.29馬力。時速80kmで泳ぐマグロ(体重250kg)は7.56馬力。時速100kmで泳ぐカジキ(体重500kg)は18.9馬力で、250ccの単気筒バイクとほぼ同じです。

ちなみに、地球上でもっとも大きい動物であるシロナガスクジラ(体重150t)は、なんと1,732馬力!陸上自衛隊の90式戦車レベルの馬力ということになります。

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人間は1馬力をだせるのか?
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