霊柩車はバックしない!? あまり見かけなくなった理由とは?【2025年版】
更新日:2025.09.25

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昔は道路で霊柩車(れいきゅうしゃ)を見かけると「親指を隠せ!」と教えられ、思わず親指を握り込んだ経験がある方も多いでしょう。かつて街中で頻繁に目にした霊柩車ですが、近年ではその姿をあまり見かけなくなりました。その理由は様々ですが、中には「私たちが霊柩車と気づいていない」ケースもあるのです。この記事では、霊柩車の基本的な役割や種類から、2025年現在における霊柩車を取り巻く最新事情まで、霊柩車が姿を消しつつある背景と変化について詳しく解説します。豆知識や雑学も交えながら、霊柩車をめぐる文化やトレンドの移り変わりに迫ってみましょう。
霊柩車とは何か?その役割と種類
霊柩車(れいきゅうしゃ)とは、葬儀会場から火葬場まで故人のご遺体を搬送するための特種用途自動車です。葬儀の最後に故人を棺に納め、その棺を静かに送り届ける人生最後の車が霊柩車と言えます。
日本では古くは人が担ぐ輿(こし)や牛車で棺を運んでいましたが、大正時代以降は自動車の荷台に輿を乗せる形が始まりとなり、やがて現在のような自動車の霊柩車が普及しました。霊柩車は単なる移動手段ではなく、葬儀という儀式の一部を担う厳粛な車両です。
霊柩車には大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
日本では古くは人が担ぐ輿(こし)や牛車で棺を運んでいましたが、大正時代以降は自動車の荷台に輿を乗せる形が始まりとなり、やがて現在のような自動車の霊柩車が普及しました。霊柩車は単なる移動手段ではなく、葬儀という儀式の一部を担う厳粛な車両です。
霊柩車には大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
宮型霊柩車(ミヤ型)
かつて主流だった宮型霊柩車は、神社や寺院の屋根を模した豪華な装飾棺室を備えた伝統的な霊柩車です。高級車の車体後部を大きく改造し、金色の彫刻や龍の装飾などを施した外観が特徴で、日本独自の様式として長く親しまれてきました。
高度経済成長期からバブル期頃までは霊柩車といえばこの宮型が一般的で、最盛期には霊柩車全体の7割以上を占め、全国で1,000台以上が日々走っていたとも言われます。その日本的な美しさから海外で「移動する寺院」として珍重され、役目を終えた宮型霊柩車が海外へ輸出される例も見られました。
しかし現在、日本国内で宮型霊柩車を目にする機会は激減しています。派手な装飾が「死」を強く連想させるため近隣住民から敬遠され、火葬場への乗り入れを禁止されるケースが増えたことが一因です。また、豪華すぎる外観が現代の感覚に合わなくなってきたことや、宮型車両は製造コスト・維持費が非常に高く、葬儀の低価格化が進む中で事業者の負担になることも理由として挙げられます。
国の安全基準強化で新規製造が困難になったこともあり、宮型霊柩車は絶滅の危機に瀕しているのが現状です。葬儀文化の変化に伴い、宮型霊柩車は2025年現在もごく一部地域で需要が残るものの、大多数は姿を消しつつあります。
高度経済成長期からバブル期頃までは霊柩車といえばこの宮型が一般的で、最盛期には霊柩車全体の7割以上を占め、全国で1,000台以上が日々走っていたとも言われます。その日本的な美しさから海外で「移動する寺院」として珍重され、役目を終えた宮型霊柩車が海外へ輸出される例も見られました。
しかし現在、日本国内で宮型霊柩車を目にする機会は激減しています。派手な装飾が「死」を強く連想させるため近隣住民から敬遠され、火葬場への乗り入れを禁止されるケースが増えたことが一因です。また、豪華すぎる外観が現代の感覚に合わなくなってきたことや、宮型車両は製造コスト・維持費が非常に高く、葬儀の低価格化が進む中で事業者の負担になることも理由として挙げられます。
国の安全基準強化で新規製造が困難になったこともあり、宮型霊柩車は絶滅の危機に瀕しているのが現状です。葬儀文化の変化に伴い、宮型霊柩車は2025年現在もごく一部地域で需要が残るものの、大多数は姿を消しつつあります。
洋型霊柩車(リムジン型)
洋型霊柩車は宮型とは対照的に装飾を廃したシンプルな外観を持つ霊柩車です。黒塗りの大型ステーションワゴンやセダン(例:クラウン、レクサス、センチュリーなど)をベースに車体を延長し、後部に棺を収めるスペースを設けたスタイルで、リムジン型とも呼ばれます。
宗教色の強い宮型に対し、洋型は宗派を問わず利用できる汎用性があり、目立ちにくいことや改造費用が比較的抑えられる利点から、近年では洋型霊柩車が霊柩車の主流となっています。実際、2009年頃には洋型霊柩車の保有数が宮型を上回り、平成時代以降は洋型が全国的に一般的になりました。昭和天皇の大喪の礼でも洋型霊柩車(外国車ベースのリムジン)が使用されており、その頃から宮型から洋型への転換が進んだと言われます。
洋型霊柩車は基本的に見た目が通常の高級車に近いため、街中を走行していても宮型ほど人目を引きません。とはいえ黒を基調とする車体が多く、一目見れば霊柩車とわかる威厳は備えています。葬送儀礼では伝統を重んじる地域もあるため、現在でも場所によっては宮型霊柩車が根強く使われる一方、大都市圏などではこの洋型が標準になってきています。
宗教色の強い宮型に対し、洋型は宗派を問わず利用できる汎用性があり、目立ちにくいことや改造費用が比較的抑えられる利点から、近年では洋型霊柩車が霊柩車の主流となっています。実際、2009年頃には洋型霊柩車の保有数が宮型を上回り、平成時代以降は洋型が全国的に一般的になりました。昭和天皇の大喪の礼でも洋型霊柩車(外国車ベースのリムジン)が使用されており、その頃から宮型から洋型への転換が進んだと言われます。
洋型霊柩車は基本的に見た目が通常の高級車に近いため、街中を走行していても宮型ほど人目を引きません。とはいえ黒を基調とする車体が多く、一目見れば霊柩車とわかる威厳は備えています。葬送儀礼では伝統を重んじる地域もあるため、現在でも場所によっては宮型霊柩車が根強く使われる一方、大都市圏などではこの洋型が標準になってきています。
バン型霊柩車(寝台車)
バン型霊柩車は、一見すると普通のワンボックス車やミニバンに見えるタイプの霊柩車です。トヨタ・アルファードや日産・セレナといった一般的なミニバン車両をベースに、後部に棺を固定できる寝台を備えています。病院から自宅や安置所へ遺体を搬送する際に使う車両は「寝台車」や「搬送車」と呼ばれ、厳密には納棺前の遺体搬送用ですが、営業用(緑ナンバー)でストレッチャーを備えた車輌は法律上も広義の霊柩車に含まれます。
近年では家族葬など少人数の葬儀が増え、派手な霊柩車が必ずしも必要でない場合が多いため、このバン型霊柩車の需要が急増しています。運転手含め3名乗車できるタイプ(セレナやノア等)や、2名乗車の軽バンタイプ(ハイゼット等)まで様々なサイズがあり、見た目もほとんど普通の車と変わらない白やシルバーの霊柩車も増えているのが特徴です。
近年主流になりつつあるバン型霊柩車。黒塗りに限らず白や銀のボディカラーも多く、一見すると霊柩車とわからない外観です。火葬場が隣接する斎場で葬儀を完結するケースでは、本来の霊柩車(儀礼用車両)を仕立てずご遺体搬送用のバンタイプ車だけで済ませる例も一般的になりました。
遠方への搬送にも柔軟に対応できる利便性から、葬儀社の車両ラインナップに加わるケースも多いようです。バン型は霊柩車然としない控えめなデザインで周囲への配慮がなされており、時代のニーズに合った新しい霊柩車の形と言えるでしょう。
近年では家族葬など少人数の葬儀が増え、派手な霊柩車が必ずしも必要でない場合が多いため、このバン型霊柩車の需要が急増しています。運転手含め3名乗車できるタイプ(セレナやノア等)や、2名乗車の軽バンタイプ(ハイゼット等)まで様々なサイズがあり、見た目もほとんど普通の車と変わらない白やシルバーの霊柩車も増えているのが特徴です。
近年主流になりつつあるバン型霊柩車。黒塗りに限らず白や銀のボディカラーも多く、一見すると霊柩車とわからない外観です。火葬場が隣接する斎場で葬儀を完結するケースでは、本来の霊柩車(儀礼用車両)を仕立てずご遺体搬送用のバンタイプ車だけで済ませる例も一般的になりました。
遠方への搬送にも柔軟に対応できる利便性から、葬儀社の車両ラインナップに加わるケースも多いようです。バン型は霊柩車然としない控えめなデザインで周囲への配慮がなされており、時代のニーズに合った新しい霊柩車の形と言えるでしょう。
バス型霊柩車
バス型霊柩車は、その名の通りマイクロバスを改造した霊柩車です。棺と一緒にご遺族・親族が同乗できるため、斎場から火葬場まで距離がある地域で利用されることがあります。例えば北海道など一部地域では、大規模な葬儀でも専用の霊柩車(宮型や洋型)を用意せず、棺をバスの後部に安置して参列者と共に移動する習慣もあるそうです。
この場合、日産シビリアンなどの車体後部を棺室に改造し、前方には座席を残した特殊なバス型霊柩車が使われます。また、小規模な家族葬向けにはトヨタ・ハイエースのロングバンを改造し、棺と遺族8人程度が同乗できるようにしたミニバス型霊柩車も登場しています。
バス型霊柩車は一度に多くの人が同乗できるため利便性がありますが、車体が大きい分取り回しが難しく、利用は地域の風習や地理的条件に左右されます。雪深い寒冷地では走行安定性の観点からバス型が好まれるとも言われ、各地の事情に合わせて選択されているタイプです。
この場合、日産シビリアンなどの車体後部を棺室に改造し、前方には座席を残した特殊なバス型霊柩車が使われます。また、小規模な家族葬向けにはトヨタ・ハイエースのロングバンを改造し、棺と遺族8人程度が同乗できるようにしたミニバス型霊柩車も登場しています。
バス型霊柩車は一度に多くの人が同乗できるため利便性がありますが、車体が大きい分取り回しが難しく、利用は地域の風習や地理的条件に左右されます。雪深い寒冷地では走行安定性の観点からバス型が好まれるとも言われ、各地の事情に合わせて選択されているタイプです。
最近、霊柩車をあまり見かけなくなった理由
葬儀式場と火葬場の一体化
現代では葬儀を斎場(セレモニーホール)で行い、隣接する火葬場でそのまま火葬まで執り行うケースが増えました。葬儀会場と火葬場が同じ敷地内にあるため、そもそも霊柩車で市中を移動する必要がなくなってきているのです。火葬場まで車で長距離を走る葬列自体が減少していることが、霊柩車を見かけない一因です。
宮型霊柩車の忌避と減少
従来型の宮型霊柩車が減ったことで、霊柩車そのものが目立たなくなりました。宮型は外観が非常に派手で「不吉だ」と嫌がる人も多く、住宅街を通ると近隣住民から苦情が出ることもありました。そのため多くの火葬場で宮型霊柩車の乗り入れを断る動きが広がり、結果として宮型は急速に姿を消したのです。現在では霊柩車といえば洋型が主流で、宮型霊柩車の使用は全体の約3割程度にまで減っているとも言われます。
霊柩車のデザインが目立たなくなった
派手な宮型が姿を消した一方で、黒塗りの洋型や一般車風のバン型が増えた結果、霊柩車が周囲に溶け込み「私たちが気づいていないだけ」という状況が起きています。特にバン型霊柩車は白やシルバーの車体も多く、一見すると霊柩車とは分かりません。霊柩車自体は今も必要に応じて走り続けていますが、昔ほど「いかにも霊柩車」という外観の車が減ったため、存在感が薄れているのです。
葬儀の簡素化・家族葬の普及
日本の葬儀は近年大きく様変わりしました。核家族化や高齢化、さらにコロナ禍の影響もあり、参列者が身内だけという家族葬や直葬(通夜や告別式を省略し火葬のみ行う葬送)が増えています。参列者が数人程度の小規模葬では、豪華な霊柩車を用意する必要性が低く、簡素な搬送車で代用される場合も少なくありません。
また身寄りのない方の火葬を自治体が執り行う福祉葬も増加しており、こうしたケースでも派手な霊柩車は使われない傾向にあります。葬儀全体の縮小傾向が、霊柩車の出番減少につながっていると言えるでしょう。
また身寄りのない方の火葬を自治体が執り行う福祉葬も増加しており、こうしたケースでも派手な霊柩車は使われない傾向にあります。葬儀全体の縮小傾向が、霊柩車の出番減少につながっていると言えるでしょう。
車両安全基準の強化
国土交通省による自動車の保安基準強化により、突起物の多い宮型霊柩車は新たに製造することが事実上できなくなりました。2009年以降、装飾が保安基準に適合しないため新造されなくなったとされ、現存する宮型霊柩車は古い年代のものが多くなっています。今後、車両の老朽化で宮型はさらに減っていく見通しです。安全規制の面からも派手な霊柩車は姿を消す方向にあり、これは霊柩車業界の大きな転換点となりました。
コスト高と職人の減少
宮型霊柩車は一台一台が宮大工による手作業で作られる芸術品とも言える存在で、その分価格も維持費も莫大です。近年の葬儀は価格を抑える傾向が強く、豪華な霊柩車に高い費用をかけられない葬儀社も増えました。また、宮型を製造できる熟練職人の高齢化・減少により、新調や修理が難しくなっている側面もあります。需要減と供給困難の両面から宮型霊柩車は衰退し、結果として街中で目にする機会が減ったのです。
以上のような理由が重なり、私たちが霊柩車を見かける場面は大幅に少なくなりました。
皮肉なことに、人口の高齢化で年間死亡数自体は増加傾向にあります。実際、2024年の年間死亡数は約160万人と過去最多を記録し、今後もさらに増える見込みです。葬送サービス全体の需要は拡大しているにもかかわらず、葬儀の形や霊柩車の使われ方が変わったことで、一般の人の目に触れる霊柩車は減っているというわけです。
【豆知識①】霊柩車を見たら親指を隠すのはなぜ?
霊柩車に遭遇したとき「親指を隠さないと親の死に目に会えなくなるよ」と教えられる迷信は、日本全国で広く知られています。親指を手のひらの中に握り込むこの風習には諸説ありますが、代表的な由来は2つです。
一つは、親指という言葉から「親の命」を連想し、親に不幸が及ばないようにという願掛けだとする説です。霊柩車は死を連想させるため、子供が「どうか親が無事で長生きしますように」との思いから咄嗟に親指を隠すようになったとも言われます。また「親の死に目に会えない」(=親の最期に立ち会えない)という言い伝えもあり、親指を隠さないと親より先に自分が死んでしまう、つまり親不孝になるという戒めを含むとも解釈されます。昔の親たちが「子供に先立たれる」という何よりの不幸を避けるため、戒めとして子供に教え聞かせたというわけです。
もう一つの由来は、「親指は霊魂の出入口」と信じられていたことです。江戸時代から伝わる民間信仰で、人間の親指(特に爪の間)は霊や穢れが出入りする場所とされてきました。葬列や墓場など死者に関わる場に遭遇した際、悪い霊が体内に入り込まないよう親指を隠すおまじないとして広まったと言われます。実際、江戸時代の文献にも葬列を見たら親指を隠す旨の記述があり、この迷信はかなり古くから存在するようです。
いずれの説にせよ、科学的根拠のない迷信ではありますが、霊柩車という死に直面した場面で大切な人を失いたくないという切実な思いが込められた風習と言えるでしょう。
一つは、親指という言葉から「親の命」を連想し、親に不幸が及ばないようにという願掛けだとする説です。霊柩車は死を連想させるため、子供が「どうか親が無事で長生きしますように」との思いから咄嗟に親指を隠すようになったとも言われます。また「親の死に目に会えない」(=親の最期に立ち会えない)という言い伝えもあり、親指を隠さないと親より先に自分が死んでしまう、つまり親不孝になるという戒めを含むとも解釈されます。昔の親たちが「子供に先立たれる」という何よりの不幸を避けるため、戒めとして子供に教え聞かせたというわけです。
もう一つの由来は、「親指は霊魂の出入口」と信じられていたことです。江戸時代から伝わる民間信仰で、人間の親指(特に爪の間)は霊や穢れが出入りする場所とされてきました。葬列や墓場など死者に関わる場に遭遇した際、悪い霊が体内に入り込まないよう親指を隠すおまじないとして広まったと言われます。実際、江戸時代の文献にも葬列を見たら親指を隠す旨の記述があり、この迷信はかなり古くから存在するようです。
いずれの説にせよ、科学的根拠のない迷信ではありますが、霊柩車という死に直面した場面で大切な人を失いたくないという切実な思いが込められた風習と言えるでしょう。
【豆知識②】霊柩車はバックしないって本当?
「霊柩車は途中で絶対バック(後退)しない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは運転技術上の問題ではなく、「バック=戻る」という行為が故人の霊が現世に戻ってきてしまうことを連想させるためです。
日本には古くから、葬列は途中で引き返さず真っ直ぐ進むものとする習わしがあり、故人が迷うことなく成仏できるようにという願いが込められています。そのため霊柩車も本来は出発したら火葬場まで可能な限り前進し続けるのが理想とされてきました。
もっとも実際には道路事情でやむを得ずバックせざるを得ない場面もあります。しかし多くの葬儀社では事前に広い道や迂回路を選び、極力バックしないで済むルート計画を立てているそうです。こうした配慮もまた、故人と遺族への敬意から生まれたマナーと言えるでしょう。現代では実用性が優先されることもありますが、「人生最後の旅路は決して後戻りしない」という考え方は今も葬送文化の一部として息づいています。
日本には古くから、葬列は途中で引き返さず真っ直ぐ進むものとする習わしがあり、故人が迷うことなく成仏できるようにという願いが込められています。そのため霊柩車も本来は出発したら火葬場まで可能な限り前進し続けるのが理想とされてきました。
もっとも実際には道路事情でやむを得ずバックせざるを得ない場面もあります。しかし多くの葬儀社では事前に広い道や迂回路を選び、極力バックしないで済むルート計画を立てているそうです。こうした配慮もまた、故人と遺族への敬意から生まれたマナーと言えるでしょう。現代では実用性が優先されることもありますが、「人生最後の旅路は決して後戻りしない」という考え方は今も葬送文化の一部として息づいています。
コラム|EV霊柩車
霊柩車にも電動化の流れが進んでいます。日本で最初にEV霊柩車が導入されたのは2019年、日産リーフを延長改造したモデルでした。全長約6.5mの大型車体に棺室を備え、外装は従来の黒ではなく白。従来の「霊柩車=黒」という印象を変える事例として注目されました。
EV霊柩車の特徴は、静粛性と無排ガス。出棺時にエンジン音がなく、周囲に排気ガスを出さないため、参列者や式場の環境への配慮につながります。都市部では斎場と火葬場が併設されることも多く、航続距離の制約が大きな問題になりにくい点も普及を後押ししています。
導入例はまだ限られていますが、政府が2030年代半ばまでにガソリン車の新車販売を終了する方針を掲げるなか、EVやハイブリッド霊柩車は今後拡大していくと考えられます。霊柩車の世界でも、環境対応は着実に進み始めているのです。
EV霊柩車の特徴は、静粛性と無排ガス。出棺時にエンジン音がなく、周囲に排気ガスを出さないため、参列者や式場の環境への配慮につながります。都市部では斎場と火葬場が併設されることも多く、航続距離の制約が大きな問題になりにくい点も普及を後押ししています。
導入例はまだ限られていますが、政府が2030年代半ばまでにガソリン車の新車販売を終了する方針を掲げるなか、EVやハイブリッド霊柩車は今後拡大していくと考えられます。霊柩車の世界でも、環境対応は着実に進み始めているのです。
おわりに:時代とともに変わる霊柩車
敬遠されがちな霊柩車ですが、亡くなった方を送り出す上で欠かせない大切な車です。ここ数十年で葬儀の様式や人々の死生観が変化する中、霊柩車の姿・役割も大きく様変わりしました。
とはいえ、どんな形に変わろうとも「人生最後の旅路を静かに支える」という霊柩車の本質的な役割は不変です。街で見かける機会は減りましたが、それは霊柩車がなくなったわけではなく、私たちの社会や価値観の変化を映し出しているのです。霊柩車という存在を通して、日本人の葬送文化の移り変わりを改めて感じることができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。霊柩車について知った後は、ぜひ他の豆知識記事も読んでみてください。きっと新たな発見がありますよ。
とはいえ、どんな形に変わろうとも「人生最後の旅路を静かに支える」という霊柩車の本質的な役割は不変です。街で見かける機会は減りましたが、それは霊柩車がなくなったわけではなく、私たちの社会や価値観の変化を映し出しているのです。霊柩車という存在を通して、日本人の葬送文化の移り変わりを改めて感じることができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。霊柩車について知った後は、ぜひ他の豆知識記事も読んでみてください。きっと新たな発見がありますよ。