フェンダーアーチモールはとは?なぜ必要?
更新日:2024.09.09

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自動車のタイヤは、保安基準を超えてフェンダーからはみ出すと、違法改造車になってしまいます。フェンダーアーチモールは、そのはみ出しを保安基準に適合させるために取り付けられる部品です。今回は、フェンダーアーチモールについて見ていきましょう。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
フェンダーアーチモールを取り付ける理由
フェンダーアーチモールとは、4本のタイヤの上、車体側に取り付けられる部品で、幅2センチを超えないものを言います。メーカーによっては、フェンダーモール、フェンダーエクステンション、フェンダーカバーともいいます。
クロスオーバー系の車両では、オフロードを走る雰囲気を出すために付けられた飾りのようにも見えますが、タイヤがフェンダーからはみ出してはならない、という法規を満たすために必要な部品なのです。
タイヤのフェンダーからのはみ出しは、道路運送車両保安基準第18条 検査規程5-26に、タイヤの中心からまっすぐ線を引き、前30度、後ろ50度の線を引いた範囲の部分がフェンダーから出ているかどうかで判断します。
はみ出した場合は、フェンダー内に収めるか、フェンダーアーチモールを取り付けてはみ出さないようにするか、どちらかの対応が必要になります。
クロスオーバー系の車両では、オフロードを走る雰囲気を出すために付けられた飾りのようにも見えますが、タイヤがフェンダーからはみ出してはならない、という法規を満たすために必要な部品なのです。
タイヤのフェンダーからのはみ出しは、道路運送車両保安基準第18条 検査規程5-26に、タイヤの中心からまっすぐ線を引き、前30度、後ろ50度の線を引いた範囲の部分がフェンダーから出ているかどうかで判断します。
はみ出した場合は、フェンダー内に収めるか、フェンダーアーチモールを取り付けてはみ出さないようにするか、どちらかの対応が必要になります。
なぜタイヤがはみ出してはいけないのか?
万が一、回転しているタイヤに物が接触した場合、それを簡単に吹き飛ばすほどの衝撃が発生します。その勢いでタイヤが巻き上げた石が人に当たれば、大惨事になるおそれがあります。
保安基準とは、そういった最悪の事故が起こらないように、車側に安全を期するためのルールなのです。
保安基準とは、そういった最悪の事故が起こらないように、車側に安全を期するためのルールなのです。
フェンダーアーチモールを装着して車検を通すためには?
自動車の幅は車検証記載の寸法より±20ミリまでなら保安基準に適合します。ということは、片側10ミリまでなら広げてカバーできるということになります。
陸運局・運輸支局に確認したところ、フェンダーアーチモールを装着し、幅が広がったことで、その他の保安基準に不適合にならなければ、車検を通すことができるということでした。もしもそれを超えてしまう場合には、車の構造変更手続きをして、車検証上の全幅の寸法を書き換える必要があります。
陸運局・運輸支局に確認したところ、フェンダーアーチモールを装着し、幅が広がったことで、その他の保安基準に不適合にならなければ、車検を通すことができるということでした。もしもそれを超えてしまう場合には、車の構造変更手続きをして、車検証上の全幅の寸法を書き換える必要があります。
フェンダーアーチモールのメリットとは?
先述したように、車検証記載の全幅の寸法の±20ミリまでの変更は構造変更手続きが必要ないため、フェンダーアーチモール製品の多くは、片側7~9ミリの厚さで作られています。そのため、このフェンダーアーチモールの装着で、車検を通すことができます。
もちろん正しく取り付けられていなければ、車検に通らないことがあるのは言うまでもありません。タイヤのはみ出しを調節するフェンダーアーチモールは、オーバーフェンダーとして扱われるため、その取り付けが粘着テープ(両面テープ)だけでは、取り付け不適切と判断されてしまうことがあります。確実に車検を通すためには、ビス・ボルト・ナットなどの固定的取り付け方法か、リベットなどの恒久的な取り付けが必要です。
ただし、ドレスアップやボディーの傷付き防止などの目的として取り付けられたフェンダーアーチモールは、両面テープでの取り付けであっても、保安基準不適合とはなりません。また、歩行者や自転車等に接触するおそれがあるような、外側に向けてとがった、鋭い部分があってはならないという規定もありますので、取り付け方も注意する必要があります。
もちろん正しく取り付けられていなければ、車検に通らないことがあるのは言うまでもありません。タイヤのはみ出しを調節するフェンダーアーチモールは、オーバーフェンダーとして扱われるため、その取り付けが粘着テープ(両面テープ)だけでは、取り付け不適切と判断されてしまうことがあります。確実に車検を通すためには、ビス・ボルト・ナットなどの固定的取り付け方法か、リベットなどの恒久的な取り付けが必要です。
ただし、ドレスアップやボディーの傷付き防止などの目的として取り付けられたフェンダーアーチモールは、両面テープでの取り付けであっても、保安基準不適合とはなりません。また、歩行者や自転車等に接触するおそれがあるような、外側に向けてとがった、鋭い部分があってはならないという規定もありますので、取り付け方も注意する必要があります。
もっとも大切なポイントは、フェンダーアーチモールなどの装備は、車検を通すことが目的ではなく、安全に車を運用するための装備だと心得ることです。ルールを守って、楽しいカーライフを過ごしましょう。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。
