ポルシェ ケイマン 981型とはどんな車?エンジンが特徴的?
更新日:2024.09.09
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誰もが知っている自動車メーカー「ポルシェ」。ただ、そのポルシェが作るクルマ、1台1台について詳しく知る人は、意外と少ないかもしれません。ポルシェはよく、981とか996とか、正式なモデル名とは異なる3桁の数字で呼ばれることが多いのですが、今回はその中から、今では中古車でしか手に入らない、981型についてご紹介していきます。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
ポルシェ 981とはどんなクルマ?
ボクスター S
ケイマン S
981型とは、ポルシェのミドシップスポーツカーの型式名で、オープンモデルを「ボクスター」といい、そのボクスターに金属製のルーフをつけたクーペ版を「ケイマン」といいます。ボクスターとケイマンは、デザインにおいてもウエストラインから下とインテリアは、まったくの共通となっています。
ポルシェの最上級グレードである911が、現在の形に一新されたのが2011年末(997型から991型へ)。それから約半年遅れてボクスターが、その1年後にケイマンが、987型から981型に進化しました。
シャシーの約47%がアルミニウム化された981型は、前任の987型に対して、ボクスター(MTモデル)で25kgの軽量化を実現しています。さらに高剛性化のため、センタートンネル付近にマグネシウム合金を使用。静的ねじり剛性を前型比で+40%と、大幅に向上させることに成功しました。
ミドに搭載される水平対向6気筒エンジンは、987型の2,892ccから約200cc縮小された2,706cc。排気量は減少しましたが、圧縮率が高められており、最高出力は10psアップの195kW(265ps)/6,700rpm、最大トルクは280Nm/4,500-6,500rpmとなりました。
ちなみに上級グレードのボクスターSは排気量が変わらず、最高出力は5psアップの232kW(315ps)/6,700rpm、最大トルク360Nmの3.4L です。組み合わされるトランスミッションは、いずれも6速MTと7速PDKです。
981型では、燃費対策として、電動式パワステと、アイドリングストップ機能を備えました。結果、MT仕様の燃費は8.2L/100km(約12.2km/L)と、987型よりも13%もの燃費改善を実現させました。
PDK仕様では、空走時にクラッチを切りエンジンをアイドリング状態にする省エネ機構が導入され、7.7L/100km(約13.0km/L)の燃費を達成しています。
ポルシェの最上級グレードである911が、現在の形に一新されたのが2011年末(997型から991型へ)。それから約半年遅れてボクスターが、その1年後にケイマンが、987型から981型に進化しました。
シャシーの約47%がアルミニウム化された981型は、前任の987型に対して、ボクスター(MTモデル)で25kgの軽量化を実現しています。さらに高剛性化のため、センタートンネル付近にマグネシウム合金を使用。静的ねじり剛性を前型比で+40%と、大幅に向上させることに成功しました。
ミドに搭載される水平対向6気筒エンジンは、987型の2,892ccから約200cc縮小された2,706cc。排気量は減少しましたが、圧縮率が高められており、最高出力は10psアップの195kW(265ps)/6,700rpm、最大トルクは280Nm/4,500-6,500rpmとなりました。
ちなみに上級グレードのボクスターSは排気量が変わらず、最高出力は5psアップの232kW(315ps)/6,700rpm、最大トルク360Nmの3.4L です。組み合わされるトランスミッションは、いずれも6速MTと7速PDKです。
981型では、燃費対策として、電動式パワステと、アイドリングストップ機能を備えました。結果、MT仕様の燃費は8.2L/100km(約12.2km/L)と、987型よりも13%もの燃費改善を実現させました。
PDK仕様では、空走時にクラッチを切りエンジンをアイドリング状態にする省エネ機構が導入され、7.7L/100km(約13.0km/L)の燃費を達成しています。
ポルシェ981型のパフォーマンスは?
上級グレードのボクスターSが、ニュルブルクリンク北コースで、7分58秒というラップタイムを記録。987型ボクスターSより12秒速いという、確実な進歩を遂げました。
また、ラップタイムという次元ではなくても、ハンドリングと乗り心地のレベルは相当に評判が良く、エキゾーストサウンド等を含め、スポーツカーとしての芯をとらえた完成度の高いクルマといえます。
また、ラップタイムという次元ではなくても、ハンドリングと乗り心地のレベルは相当に評判が良く、エキゾーストサウンド等を含め、スポーツカーとしての芯をとらえた完成度の高いクルマといえます。
ちなみに、981型ボクスターのトップはスイッチひとつで開閉できる電動式です。フルオープンになるまでの時間は約9秒で、信号待ちの短い時間でも操作できます。また、時速50km以下ならば走行中でも操作が可能です。突然の雨でも路肩に止めることなく、屋根を閉めることができるのは、非常にありがたいですね。
さて、2016年には、981型の後継にあたる718型が登場しました。718型に搭載された新開発の水平対向4気筒ターボエンジンは、パフォーマンスと燃費を両立した新エンジンで高い評価を得ています。
「最良のポルシェは最新のポルシェ」とは良く聞く言葉ですが、ファンのなかには水平対向の6気筒エンジンにこだわるユーザーも多く、最後の6気筒搭載モデルとなった981型はタマ数が少ないことも手伝って、中古価格がそれほど落ちていないというのが現状です。
さて、2016年には、981型の後継にあたる718型が登場しました。718型に搭載された新開発の水平対向4気筒ターボエンジンは、パフォーマンスと燃費を両立した新エンジンで高い評価を得ています。
「最良のポルシェは最新のポルシェ」とは良く聞く言葉ですが、ファンのなかには水平対向の6気筒エンジンにこだわるユーザーも多く、最後の6気筒搭載モデルとなった981型はタマ数が少ないことも手伝って、中古価格がそれほど落ちていないというのが現状です。
ボクスター S
ケイマン S
もしも981型を購入するとなれば、迷うのはケイマンかボクスターかという点でしょう。とはいえ、いずれにしても「ポルシェの世界」に浸れることは間違いありません。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。