ハンドルはまっすぐなのに!どうして左右に流れていっちゃうの?

走行 高速道路

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ハンドルをまっすぐにしているのに、クルマが勝手に左右に流れていってしまう。こんな現象に遭遇したことはありませんか?わずかな片流れでも、気になり始めたらストレスが溜まってしまいます。なぜこの片流れが起きるのでしょうか。考えられるその原因と対策について見ていきましょう。

文・吉川賢一
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記事内容を一部修正いたしました。
(2018年4月25日)
Chapter
道路のカントが原因とは言えない?
タイヤのアライメントに狂いがある
タイヤのユニフォーミティの影響

道路のカントが原因とは言えない?

道路の排水性を高めるため、道路の中央車線側を高く、外側を低く、片勾配(カント)をつけていることは有名です。

その片勾配は、一般道では特殊な条件でなければ、わずか数%程度。さらにクルマは、その程度の傾きなら走行に影響を受けないようセッティングされていますから、ドライバーが片勾配を体感することはまずありません。つまり、通常、一般的な直線道路の片勾配でクルマが片流れすることはないのです。

では、片流れが起きるおもな原因はなんでしょう。

タイヤのアライメントに狂いがある

片流れの原因の一つに、タイヤのアライメントに狂いがあることが挙げられます。

キャンバー角やトー角、キャスター角といったアライメントが、想定外の強い衝撃やブッシュ類の劣化・破損によって、設計値の許容範囲から外れてしまうことで発生します。

通常、フロントのトーはゼロ、リアはわずかにトーインになるよう設定して、直進性を高めています。またキャンバー角は、タイヤ接地面が外側へ出るように角度を寝かせ(ネガティブキャンバー)、左右輪のキャンバースラスト力が釣り合うように設定しています。

それらの変化によって、タイヤが発生する力のバランスはくずれ、クルマを右や左へ動かす力となってしまいます。

メーカーでは最終車両検査場にて、アライメントが公差内になるよう、確認・調節をし、顧客のもとに送り届けています。しかし、修理工場で部品交換をしたときの調節が甘かったり、古いクルマでブッシュ類が破損していたりすると、アライメントが規定値から外れることがあります。

これらは、アライメント調整&修理で直すことができます。気になる方は、ディーラーや専門ショップなどでチェックしましょう。

タイヤのユニフォーミティの影響

もう一つ、車両が片流れする原因として、タイヤのユニフォーミティ(均一性)の影響があります。

タイヤはどれも同じように形成されているように見えますが、じつは少しずつばらつきを持っています。アライメントや足回りが正常なのに、左(右)に流れる症状は、ほぼタイヤのユニフォーミティが取れていないことが原因です。

このユニフォーミティ不足の理由は、タイヤ自身が持っている左右方向の力を発生させる残留コーナーリングフォース(RCF)が関係します。

RCFは、タイヤを構成するスチールベルトの角度や、トレッドパターンによって発生します。複数のベルトを重ねて構成されている通常のタイヤは、外側のベルトがまかれている角度の影響を受けます。もし外側が右上がりの巻き方であれば、タイヤは右に流れやすくなります(プライステアといいます)。

また、タイヤの内側と外側のサイドウォールの剛性のアンバランスや、タイヤ自体の変形等でも片流れが発生します(コニシティといいます)。

ただし最近は、どのタイヤメーカーもRCFを低減するタイヤ設計をする方向にあり、その影響は小さくなってきています。さらにコニシティ対策として、タイヤを出荷する前に検査をして、ソーティング(偏りの近いタイヤのセットを選ぶ)をしています。出荷時に影響がないように対策を行っているのです。

そのため、タイヤに起因する片流れの原因は、劣化による影響が一番大きくなります。タイヤ劣化による片流れの場合は、タイヤ交換が一番早い解決方法です。

アライメントには問題が無いのに、車両が片流れをする。そういった場合は、タイヤが劣化をしている可能性があります。タイヤが傷ついていないか、またタイヤが古くないか、チェックしましょう。

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