サンルーフのメリットとデメリット|やめとけと言われるのは本当?
更新日:2024.09.09
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オープンとまではいかないものの、ある程度はオープンエアを楽しめるサンルーフ。海外(とくに北米の高級車)では、ほとんどのクルマに標準で装備されていますが、国産車はオプションが多く、クルマを購入する際、多くの方が悩む装備のひとつとなっています。そこでここでは、サンルーフのメリットとデメリットについて、お話ししていきたいと思います。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
サンルーフってどんなもの?
サンルーフ(Sunroof)とは、クローズドボディの屋根部に用意された開閉式の開口部のことで、簡易的にオープンエアを楽しめる装備です。オープンエアを楽しむだけならオープンカーで十分にも思えますが、どうしてサンルーフという装備が生まれたのでしょう。
そもそも屋根とB、Cピラーのないオープンカーは、耐久性や音振、乗り心地性能という観点から見ると不利なボディ形状で、それをカバーするために車体を相当補強する必要があり、開発も非常に大変でした。
そこで、ボディの基本形状(骨格)はそのままに、屋根の真ん中をくりぬいてビニール製のカバーを被せた、キャンバストップ※が登場しました。日本でも、キャンバストップのクルマとして、フォードのフェスティバ(1986-1993年)が一時期、大人気となりましたよね。
ただし、キャンバス製のトップは雨や紫外線を受けて劣化したときの見た目があまりよくない、かつ格納時に手が汚れるなど欠点もあり、比較的価格の安いクルマで使われる装備で、上級車種ではトップの素材をキャンバスから金属の板に代えたサンルーフが使われてきました。
※1957-1977年のFIAT Nuova 500が有名ですが、その原型は1951年の500 C Belvedereで見ることができます。また1949年にデビューしたシトロエン 2CVでは、Bピラー部分に横の梁を残したオープントップ形状が採用されていました。一方アメリカでは、1937年にナッシュ社が同社の車両にオプションとして用意していたという記録が残っています。
そもそも屋根とB、Cピラーのないオープンカーは、耐久性や音振、乗り心地性能という観点から見ると不利なボディ形状で、それをカバーするために車体を相当補強する必要があり、開発も非常に大変でした。
そこで、ボディの基本形状(骨格)はそのままに、屋根の真ん中をくりぬいてビニール製のカバーを被せた、キャンバストップ※が登場しました。日本でも、キャンバストップのクルマとして、フォードのフェスティバ(1986-1993年)が一時期、大人気となりましたよね。
ただし、キャンバス製のトップは雨や紫外線を受けて劣化したときの見た目があまりよくない、かつ格納時に手が汚れるなど欠点もあり、比較的価格の安いクルマで使われる装備で、上級車種ではトップの素材をキャンバスから金属の板に代えたサンルーフが使われてきました。
※1957-1977年のFIAT Nuova 500が有名ですが、その原型は1951年の500 C Belvedereで見ることができます。また1949年にデビューしたシトロエン 2CVでは、Bピラー部分に横の梁を残したオープントップ形状が採用されていました。一方アメリカでは、1937年にナッシュ社が同社の車両にオプションとして用意していたという記録が残っています。
サンルーフの種類
サンルーフには次の3つの種類があります。
・チルトアップサンルーフ
後方が浮き上がることで開閉するサンルーフです。開放面積は、わずかですが、換気をするのには十分です。
・スライディングサンルーフ
屋根に設置されているガラス面と開口部が、後方にスライドするサンルーフです。大きく開くため換気はもちろん、開放感も十分あります。現在多くのモデルで採用されているタイプです。最近ではチルトアップとスライディング、両方できるものも多くなっています。
・パノラマウィンドウサンルーフ
ルーフ全体にガラスが採用されたタイプです。他の2タイプよりも、ウィンドウが大きい点が魅力です。
・チルトアップサンルーフ
後方が浮き上がることで開閉するサンルーフです。開放面積は、わずかですが、換気をするのには十分です。
・スライディングサンルーフ
屋根に設置されているガラス面と開口部が、後方にスライドするサンルーフです。大きく開くため換気はもちろん、開放感も十分あります。現在多くのモデルで採用されているタイプです。最近ではチルトアップとスライディング、両方できるものも多くなっています。
・パノラマウィンドウサンルーフ
ルーフ全体にガラスが採用されたタイプです。他の2タイプよりも、ウィンドウが大きい点が魅力です。
サンルーフのメリット・デメリット
サンルーフのメリット
・格別な解放感
なんといっても、サンルーフの最大のメリットは解放感です。車室内が明るくなり、頭上の圧迫感がなく、晴れやかな気分でドライブを楽しむことができます。
・換気ができる
サンルーフを開けることで、快適に換気ができる点も大きなメリットです。ボディ上部を開けることで、自分のクルマのエンジン音や隣のクルマの走行音などが車内にこもりにくくなります。また、チルトアップサンルーフであれば、冬でも寒さをあまり感じることなく換気ができ、特に愛煙家の方にはお勧めです。
・査定額が上がる
サンルーフが付いている(またはオプションで取り付ける)ため、希少性も高く、買取時にはプラス査定事項になります。
なんといっても、サンルーフの最大のメリットは解放感です。車室内が明るくなり、頭上の圧迫感がなく、晴れやかな気分でドライブを楽しむことができます。
・換気ができる
サンルーフを開けることで、快適に換気ができる点も大きなメリットです。ボディ上部を開けることで、自分のクルマのエンジン音や隣のクルマの走行音などが車内にこもりにくくなります。また、チルトアップサンルーフであれば、冬でも寒さをあまり感じることなく換気ができ、特に愛煙家の方にはお勧めです。
・査定額が上がる
サンルーフが付いている(またはオプションで取り付ける)ため、希少性も高く、買取時にはプラス査定事項になります。
サンルーフのデメリット
・燃費が多少落ちる
サンルーフに使われているガラスは非常に重く、20~30kgほどあります。そのぶん車両重量が重くなるため、燃費が悪化します。
・車両価格が高くなる
車種やサンルーフの種類によって価格差は異なりますが、基本的に販売価格は高くなります。
・車内の気温の変化が激しい
天井がガラスのために、シェードを使用していても断熱性能が弱く、エアコンが効きづらくなります。
・故障する可能性がある
故障の多くはウィンドウ部周辺のゴムパッキンが劣化し、雨漏りをすることです。この場合はゴムパッキンを交換することで修理が可能なため、安価で済みます。しかし、開口部か開かない、閉まらないなどの故障も稀にあり、この場合は3〜10万円ほどの修理代がかかってしまいます。
・そもそも使わなくなる
最初は嬉しくて開けたりしてみるものの、何回か使ってそのまま使わなくなる…という方も多いです。
サンルーフに使われているガラスは非常に重く、20~30kgほどあります。そのぶん車両重量が重くなるため、燃費が悪化します。
・車両価格が高くなる
車種やサンルーフの種類によって価格差は異なりますが、基本的に販売価格は高くなります。
・車内の気温の変化が激しい
天井がガラスのために、シェードを使用していても断熱性能が弱く、エアコンが効きづらくなります。
・故障する可能性がある
故障の多くはウィンドウ部周辺のゴムパッキンが劣化し、雨漏りをすることです。この場合はゴムパッキンを交換することで修理が可能なため、安価で済みます。しかし、開口部か開かない、閉まらないなどの故障も稀にあり、この場合は3〜10万円ほどの修理代がかかってしまいます。
・そもそも使わなくなる
最初は嬉しくて開けたりしてみるものの、何回か使ってそのまま使わなくなる…という方も多いです。
サンルーフがあることで、開放感を味わいながら運転ができるので、より快適なドライブを楽しむことができます。一方で燃費が悪くなるなど、デメリットがあるのも事実。
サンルーフ付きの車の購入を検討している方は、これらのメリット・デメリットをよく考えた上で決断されてはいかがでしょうか。
サンルーフ付きの車の購入を検討している方は、これらのメリット・デメリットをよく考えた上で決断されてはいかがでしょうか。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。