SUVに「シュノーケル」を取り付けると、どんな効果があるの?
更新日:2024.09.09
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皆さんは「シュノーケル」という自動車パーツをご存じですか?主に、オフロード4WDやSUVに使用するものですが、どんな効果があるのでしょうか。最近、日本ではお目にかからなくなったシュノーケルに、スポットを当ててました。
- Chapter
- ダイビング用と基本は同じ
- シュノーケルの意外な効果とは?
ダイビング用と基本は同じ
'80年代から'90年代にかけてのオフロード4WDブームの時に、日本でも流行した自動車用パーツ「シュノーケル」。ダイビングなどに使う呼吸用のアイテムと名前が一緒ですが、実は用途は同じです。
オフロードを走る時に、海外では深い河や大きな水たまりの中を通過しなければならない時があります。こういう状況では、エンジンルームの中にも水が浸入してきます。
通常、オフロード4WDやSUVなどは、モデルによって水に入った時に走ることができる深度が決まっています。エンジンは空気を取り入れて燃焼するものですから、空気がなくては動かなくなってしまいます。
さらに、エンジン内に水が入ってしまった場合、水は気体よりも圧縮しないので、ちょうど水の入った注射器を押そうとしても押せなくなるように、エンジンもピストンを押し上げられなくなるのです。
無理にエンジンを回そうとすると、ピストンコンロッドなどを曲げたり、ディーゼルエンジンなどはヘッドカバーが飛ぶような大きなトラブルになります。
ちなみに排気側は排圧があるので、エンジンが動いている限りはマフラーから水を吸うことはありません。吸気は負圧ですので、エアクリーナーボックスよりも水面が上になってしまった場合はエンジン内に空気が入らず、さらに水を吸ってしまうことになります。
オフロードを走る時に、海外では深い河や大きな水たまりの中を通過しなければならない時があります。こういう状況では、エンジンルームの中にも水が浸入してきます。
通常、オフロード4WDやSUVなどは、モデルによって水に入った時に走ることができる深度が決まっています。エンジンは空気を取り入れて燃焼するものですから、空気がなくては動かなくなってしまいます。
さらに、エンジン内に水が入ってしまった場合、水は気体よりも圧縮しないので、ちょうど水の入った注射器を押そうとしても押せなくなるように、エンジンもピストンを押し上げられなくなるのです。
無理にエンジンを回そうとすると、ピストンコンロッドなどを曲げたり、ディーゼルエンジンなどはヘッドカバーが飛ぶような大きなトラブルになります。
ちなみに排気側は排圧があるので、エンジンが動いている限りはマフラーから水を吸うことはありません。吸気は負圧ですので、エアクリーナーボックスよりも水面が上になってしまった場合はエンジン内に空気が入らず、さらに水を吸ってしまうことになります。
そこで、空気の取り入れ口であるエアクリーナーボックスに、この管のようなシュノーケルをエアクリーナーボックスに取り付けて、空気の取り入れ口をもっと上の方に“移動”させるわけです。
まさに、海でシュノーケルを付けて呼吸するのと一緒ですね。海外で販売されているランドクルーザーなどには、標準でシュノーケルが付いている車両もあります。
オフロード4WDは、エンジンルームに多少の浸水があっても走行することができますが、だからと言って万能ではありません。特に電装系などは防水処理を十分にしないと、走行が不能になってしまいます。シュノーケルが付いていても、水中を走るということになれば十分な防水対策をすることが必要になります。
ちなみに、日本では河の中を走行することはマナー上、避けられていますが、災害でやむなく走らざるを得ないシチュエーションもあります。そんな時、フロントバンバーよりも水が上に来るような水深であれば「危険水域」です。
またシュノーケルを付けていても、水しぶきを上げて勢いよく走るのはNG。水面をできるだけ揺らさないように、ゆっくり走ることが重要です。
まさに、海でシュノーケルを付けて呼吸するのと一緒ですね。海外で販売されているランドクルーザーなどには、標準でシュノーケルが付いている車両もあります。
オフロード4WDは、エンジンルームに多少の浸水があっても走行することができますが、だからと言って万能ではありません。特に電装系などは防水処理を十分にしないと、走行が不能になってしまいます。シュノーケルが付いていても、水中を走るということになれば十分な防水対策をすることが必要になります。
ちなみに、日本では河の中を走行することはマナー上、避けられていますが、災害でやむなく走らざるを得ないシチュエーションもあります。そんな時、フロントバンバーよりも水が上に来るような水深であれば「危険水域」です。
またシュノーケルを付けていても、水しぶきを上げて勢いよく走るのはNG。水面をできるだけ揺らさないように、ゆっくり走ることが重要です。
シュノーケルの意外な効果とは?
前述のように、日本では水の中を走行するようなシーンはなかなかありません。そのため、ドレスアップでシュノーケルを付けている車が多いようですが、実は走行可能深度を上げるという他にも意外なメリットもあるのです。
まず、エンジンが燃焼するための空気の入り口はエアクリーナーボックスだということはお伝えしましたが、エアクリーナーボックスはエンジンルームの中にあります。エンジンルームはエンジンが燃焼して出す熱のため、どうしても高温になります。そのため、エンジンが吸う空気も暖かくなってしまいます。
空気が熱膨張しますので、同じ容積で考えた場合、できるだけ温度が低い方が多くの空気をエンジンに取り込むことができるわけです。ターボ車などは、この効果を考えて「インタークーラー」が付けられています。
ですが、シュノーケルを取り付ければ、エンジンの熱に影響を受けていない空気を取り込むことができます。冷たい空気がエンジンに入れば、燃焼効率が上がり、結果的にトルクもアップするのです。
さらにシュノーケルには「チャンバー」効果もあります。アクセルを一度戻して、再度踏み込むような場合、エンジンは瞬間的に多くの空気を必要とします。この時に十分な空気がエンジン内に供給されないと、アクセルレスポンスが悪くなってしまいます。
そこでエアクリーナーボックス以外に、空気を溜めておくチャンバーという「溜め」を作るのです。その空気を使うことで、アクセルを開けたり、閉じたりするようなシーンでも、素早くトルクを立ち上げることが可能になります。シュノーケルは、このチャンバーの役割もしてくれます。
まず、エンジンが燃焼するための空気の入り口はエアクリーナーボックスだということはお伝えしましたが、エアクリーナーボックスはエンジンルームの中にあります。エンジンルームはエンジンが燃焼して出す熱のため、どうしても高温になります。そのため、エンジンが吸う空気も暖かくなってしまいます。
空気が熱膨張しますので、同じ容積で考えた場合、できるだけ温度が低い方が多くの空気をエンジンに取り込むことができるわけです。ターボ車などは、この効果を考えて「インタークーラー」が付けられています。
ですが、シュノーケルを取り付ければ、エンジンの熱に影響を受けていない空気を取り込むことができます。冷たい空気がエンジンに入れば、燃焼効率が上がり、結果的にトルクもアップするのです。
さらにシュノーケルには「チャンバー」効果もあります。アクセルを一度戻して、再度踏み込むような場合、エンジンは瞬間的に多くの空気を必要とします。この時に十分な空気がエンジン内に供給されないと、アクセルレスポンスが悪くなってしまいます。
そこでエアクリーナーボックス以外に、空気を溜めておくチャンバーという「溜め」を作るのです。その空気を使うことで、アクセルを開けたり、閉じたりするようなシーンでも、素早くトルクを立ち上げることが可能になります。シュノーケルは、このチャンバーの役割もしてくれます。
さて、日本では砂漠を走ることはありませんが、中東やアジアなどでは砂漠走行は珍しいことではありません。砂漠というのは、少しでも風が吹くと砂塵が舞い、その砂塵がエンジン内に入るとトラブルを引き起こします。
もちろん、エアクリーナーで砂塵は取り除くのですが、場所によってはあっという間にそれも目詰まりしてしまうことが珍しくありません。
そこで、シュノーケルに砂塵用のエアクリーナーを装着し、そこでまず空気を綺麗にできるという商品もあります。ダカールラリーなど国際ラリーレイドに出場している車両は、水中も走らないのにシュノーケルを装着していますが、上記で述べたような効果がシュノーケルには期待できるからです。
今回は、「車の煙突」シュノーケルについてお話しました。シュノーケルを取り付ける場合は、ボディへの穴開けが必要な場合が多く、それなりにリスクが伴うことも知っておきたいポイントです。
もちろん、エアクリーナーで砂塵は取り除くのですが、場所によってはあっという間にそれも目詰まりしてしまうことが珍しくありません。
そこで、シュノーケルに砂塵用のエアクリーナーを装着し、そこでまず空気を綺麗にできるという商品もあります。ダカールラリーなど国際ラリーレイドに出場している車両は、水中も走らないのにシュノーケルを装着していますが、上記で述べたような効果がシュノーケルには期待できるからです。
今回は、「車の煙突」シュノーケルについてお話しました。シュノーケルを取り付ける場合は、ボディへの穴開けが必要な場合が多く、それなりにリスクが伴うことも知っておきたいポイントです。
山崎友貴|Tomotaka Yamazaki
四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。