代わりに何か入れて
更新日:2024.09.09
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幣誌の130号で取り上げたBMWのコンセプトモデル、「コンセプト90」が日本に上陸していた。
日本最大のカスタムショーである「ホットロッドカスタムショー」に、この話題のマシンをエントリーするためだ。そしてマシンと共に来日した「コンセプト90」の仕掛け人であり、BMW二輪デザイン部門の責任者、「オラ・ステネガルド」氏から聞き得た事実は、前回記した推測よりも、ある部分で想像を越えていた。
text:河野正士 [aheadアーカイブス vol.134 2014年1月号]
日本最大のカスタムショーである「ホットロッドカスタムショー」に、この話題のマシンをエントリーするためだ。そしてマシンと共に来日した「コンセプト90」の仕掛け人であり、BMW二輪デザイン部門の責任者、「オラ・ステネガルド」氏から聞き得た事実は、前回記した推測よりも、ある部分で想像を越えていた。
text:河野正士 [aheadアーカイブス vol.134 2014年1月号]
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- 「BMWコンセプト90」のベースは、「R nine T」だった
「BMWコンセプト90」のベースは、「R nine T」だった
想像以上だったのは「コンセプト90」の出生についてだ。製作はアメリカのカスタムビルダー、「ローランド・サンズ・デザイン(RSD)」によるものだとお伝えしたが、実際のところは、ボディデザインをBMWが担当し、「RSD」は、ビレットパーツを担当するという役割だったらしい。互いに意見交換を繰り返しながらこのマシンを造り上げたのだという。
またベースマシンは驚くことに、今春から日本で発売を予定しているBMWの新型車「R nine T(アール・ナイン・ティ)」だった。要するに「コンセプト90」は、「アール・ナイン・ティ」からトランスフォーム可能なカスタムモデルであり、それを実現していくためにはBMW自身がイニシアチブを取りながらプロジェクトを進める必要があったのだ。
その「アール・ナイン・ティ」については、ベルリンで開かれたラインオフセレモニーに参加し、プロジェクトリーダーをはじめとする開発者と直接会話をすることができた。当初「アール・ナイン・ティ」は、単にBMWの90周年を祝うモデルでしかないと考えていたが、そうではなかったようだ。
そしてBMWが変革期を迎えているという推測は正しかった。二輪業界は今、新しいマーケットの開拓が急務である。それに対し多くのメーカーは、アジアシフトを敢行し、成熟期にあるマーケットにはパフォーマンスを抑えた安価なモデルを投入するという方法をとっている。
「アール・ナイン・ティ」も電子デバイス類をできるだけ遠ざけ、バイクらしさにフォーカスを当てた仕様にした。そこまでは他と同じだが、あくまでプレミアムブランドとして生き残る道を模索し、より嗜好性が高い〝カスタム〟というジャンルに打って出たというわけだ。
また今回、BMW内部に多数のカスタム好きが居て、しかも若い人が多いことに驚いた。そのことを伝えると、あえて若返りを図っているのだという。若く新しいマーケットを開拓するためには、若いチカラを信じて、若い技術者やデザイナー、マーケターによるモノ造りをはじめることが必要なのだと。実にBMWらしい合理的なやり方のように思える。この先にどんな展開が待っているのか、今後もBMWから目が離せなくなった。
またベースマシンは驚くことに、今春から日本で発売を予定しているBMWの新型車「R nine T(アール・ナイン・ティ)」だった。要するに「コンセプト90」は、「アール・ナイン・ティ」からトランスフォーム可能なカスタムモデルであり、それを実現していくためにはBMW自身がイニシアチブを取りながらプロジェクトを進める必要があったのだ。
その「アール・ナイン・ティ」については、ベルリンで開かれたラインオフセレモニーに参加し、プロジェクトリーダーをはじめとする開発者と直接会話をすることができた。当初「アール・ナイン・ティ」は、単にBMWの90周年を祝うモデルでしかないと考えていたが、そうではなかったようだ。
そしてBMWが変革期を迎えているという推測は正しかった。二輪業界は今、新しいマーケットの開拓が急務である。それに対し多くのメーカーは、アジアシフトを敢行し、成熟期にあるマーケットにはパフォーマンスを抑えた安価なモデルを投入するという方法をとっている。
「アール・ナイン・ティ」も電子デバイス類をできるだけ遠ざけ、バイクらしさにフォーカスを当てた仕様にした。そこまでは他と同じだが、あくまでプレミアムブランドとして生き残る道を模索し、より嗜好性が高い〝カスタム〟というジャンルに打って出たというわけだ。
また今回、BMW内部に多数のカスタム好きが居て、しかも若い人が多いことに驚いた。そのことを伝えると、あえて若返りを図っているのだという。若く新しいマーケットを開拓するためには、若いチカラを信じて、若い技術者やデザイナー、マーケターによるモノ造りをはじめることが必要なのだと。実にBMWらしい合理的なやり方のように思える。この先にどんな展開が待っているのか、今後もBMWから目が離せなくなった。