YAMAHA MT-09 TRACER ABS(ヤマハ トレーサー)

アヘッド ヤマハ トレーサー

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トレーサーを一言で表すならば、今までにないカテゴリーのバイクといえるだろう。ツアラーであり、スポーツバイクでもある。あらゆる場面で活躍することができるマルチツールナイフのようなバイクだ。デザインはヤマハとは切ってもきれないGKダイナミックスが担当した。ちなみにいろいろな乗り方を試したが、モタードのようにリーンアウト気味でライディングすると一番しっくりきた。

text:神谷朋公 [aheadアーカイブス vol.158 2016年1月号]
Chapter
YAMAHA MT-09 TRACER ABS(ヤマハ トレーサー)

YAMAHA MT-09 TRACER ABS(ヤマハ トレーサー)

■今月の走行データ
使用期間:11月24日〜12月22日(29日間)
走行距離:1,759km
使用燃料量:121.98ℓ(ハイオク)
平均燃費:14.12km/ℓ

■SPEC
車両本体価格: ¥1,047,600(税込)
排気量:846cc
最高出力:81kW(110ps)/9,000rpm
最大トルク:88Nm(9.0kgm)/8,500rpm

一目でトレーサーとわかる光り方とデザインにするため、スモール、ヘッドライト共に、純正でLEDライトを装備している。ライト本体がコンパクトに設計できるLEDにすることでフロントマスクのデザインの自由度があがったという。とても明るいので、夜間走行も楽しみの一つになった。
アフターマーケットパーツのような10本スポークがカッコ良いトレーサーのホイールは、ベースとなるMT-09と同じデザインだ。しかし重量バランスを見直し、加工方法を変えることでMT-09とは別物としている。

キビキビした走りを身上とするMT-09に対してトレーサーは少し落ち着いたハンドリングを造り上げたという。その乗り味の違いを実際に体験してみたい。
水冷DOHC直列3気筒エンジンは、街中や峠道、悪路における扱いやすさ、ツーリングや長距離ライディングにおける快適性を追求するため、ベースとなるMT-09からエンジンマッピングを若干変更して味付けをしているという。

この3気筒エンジンはトルクフルで粘りがありながらも4気筒と同じように高回転までよく回るので気持ちが良い。
パニアケースのベースとなるステーは、隠すのではなく、あえて見せるデザインにすることで、機能拡張性をイメージしている。今回の車両にはパニアケースなどのオプションは装着していないが、数多くのオプションが用意されており、カタログを眺めるだけで旅に出かけたくなった。
今回、タイヤの空気圧と空気温度の計測がワイヤレスでできる、“エアモニ”というメーターを用意した。空気圧センサーは標準のエアバルブキャップと取り換えるだけでOK。メーター側のレシーバはUSBケーブルで充電できるバッテリ内蔵の為、配線いらず。とても簡単に設置ができる。

特に冬の寒い時期は空気圧とタイヤの温度が走行中に確認できるため、精神的に安心してライディングできるのでとても気に入った。
通常ABSが介入すると、ブレーキは細かいON/OFFを繰り返すので効き具合に不安を感じることがあるが、トレーサーはフィーリングがとても絶妙に調整されていた。走行モード切替システムは3段階で調節が可能。STDモードは扱いやすく、Aモードはシャープに吹け上がり、Bモードはとても穏やかな特性だ。

メーターパネルの左側にはDC12Vのとれるアウトレットプラグを装備しているので、スマートフォンの充電に役立った。
トレーサーをカッコよく見せる要因の一つだと思う、まるでついていないようなシルエットのショートマフラーは、見た目はアグレッシブなデザインだが、実際はとても静かで朝晩の暖気に気を遣わずにすんだ。中〜高回転にかけては、心地よい3気筒サウンドを奏でる。

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商品詳細