オンナにとってクルマとは Vol.67 注目される“女性の手”

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独身時代、手はちょっとだけ自信のある数少ないパーツだった。まぁ、実家暮らしで家事をなんにもやらず、お手入れする時間もたっぷりあったのだから、当たり前といえば当たり前だ。

text : まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.161 2016年4月号]
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Vol.67 注目される“女性の手”

Vol.67 注目される“女性の手”

結婚してママとなった初めての冬は、ハンドクリームを3本も使い切ったのにそれでもガサガサが治らない。手に自信がなくなると、人に手を振ったり握手をするのも遠慮がちになることを知った。

ママでもキレイな手をしている女性はたくさんいる。私もがんばらなければと、救いを求めてドラッグストアに行ってみると、あるわあるわ、手専用のパックだのエステ手袋だの、オイルや美容液も山ほど。

私が思っていた以上に「女性の手」というのは注目されていて、悩みを持つ女性も多いのだろうなぁと実感した。そして実は、将来的にクルマ業界でも、「女性の手」が重宝される可能性が高まっているという。

例えば数年前に、スーパーセヴンという2人乗りのオープンカーを改造した電気自動車で、日本一周チャレンジをしたことがあった。荷物はほとんど積むスペースがないから、必要最低限の工具でトラブルに対処しながらの旅だ。

強い振動などでボルトが外れてしまうことがあり、いつもは男性のメカニックさんが直してくれていた。でもある時、ボルトをあやまって車体の奥に落としてしまって、男性の手ではどうにも奥に入らず、ボルトに届かない。

そこで出番となったのが、「女性の手」。小さな手はすんなりと奥に入り、無事にボルトを取ることができたのだった。

今、クルマの部品はどんどん小型化されており、それに合わせて工具も小さくなっているという。またドローンの普及などで、一般用の小型工具のニーズも増えているそうだ。

機械での作業も可能だけれど、こうした想定外のトラブルのように、手作業が必要となった時に男性の大きな手ではどうにもならないことが出てくるだろう。そんな時、細やかな動きができる女性の手が役立つ可能性はありそうだ。

以前、整備学校に通う女性と話した時には、重たい工具やタイヤを扱うのがいちばんキツく、男性に助けを求めなければいけないのが悔しいと言っていた。でもこれからは、そうした整備の現場でも男性が助けを求めてくる時代になるかもしれない。

クルマのメンテナンスは男性がやるものでしょ、と思っている女性は多いけれど、そんな時代のために今から少し興味をもっておいて、いざという時に協力できるくらいの心の準備をしておきたいな。なんてことを考えながら、荒れた手のお手入れにちょっと熱の入る春先なのだった。

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まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
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